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悲しいとき

自分の患者が再発した時.

テンション下がります.
上げなきゃいけないのですが.

tPA治療して,元通りにもどっていたのに.
反対の内頸動脈が閉塞してしまいました.

看護師の目の前で発症して,すぐに評価し,血管内治療に移行しました.

急性期脳梗塞に対するカテーテルを使った血管内治療は最近新しい機械がどんどん認可されています.

要は,血栓がつまっている血管までカテーテルを入れていって,その血栓を直接引き抜いたり,壊して,吸ったりするのであります.

ヨーロッパでつかわれていたSolitaireはつい最近アメリカでも使えるようになったそうです.

ちょっと,専門的すぎてわかりづらいので,一般の方は,5月19日14時からの脳卒中市民公開講座(NCC & スタジオ)にいらっしゃってください.脳外科の林先生から話があると思います.

で,私の患者さん.

問題があって足の血管が触れなくて,足からカテーテルを入れることができず,やむなく,腕からカテーテル挿入です.

残念ながら,新しい機械は使えず,血栓溶解剤を血栓の中で注入しました.

部分的に再開通して終わりました.

患者さんは・・・,変わらずです.

本当は,私も治療に参加したかったのですが,外来と急患と患者さんがいらっしゃっていたので,対応できませんでした.

いつも脳外科の先生方にはサポートいただいています.
ありがとうございます.

この緑のシーツの中はかなり暑いみたい.患者さん汗びっしょりです.たいがい.

こいつがソリティア.すごくいいみたいです.これも日本で使えるようになるでしょうが,まだ時間はかかりそうです.

コメント

  1. 再発はへこみますよね。
    医師も看護師も。もちろん家族も。
    もうチーンってなります。

    t-PA療法、血管内治療が普及してきて治療効果があるのを見ていると、家族の期待も大きくなるだろうし。
    祖母の時を思い出してしまい、涙が出そうになっちゃいました。あん時はt-PAはまだ無かったし。
    広範囲に再梗塞おこして亡くなりました。
    今だったら少しは違ったかなぁ、と思うのは医療者としてのエゴでしょうか。

    家族間でも思いの相違はあるので出来るだけ家族の意向を汲み取って、ちっちゃい?から解消できたらとは思います。
    近くにいる看護師として。ICにも同席できなかったり、日々の目先の業務に追われてしまいますが。
    わかんないことだらけの病院だったってならんように。

    なんか話それたなぁ。

    返信削除
    返信
    1. 看護師の重要性。

      特に状況が悪い患者さんをみさせていただくとき。
      看取りの看護ってありますよね。
      看取りの診療ってあんまり聞かない。

      亡くなった患者さんの家族に説明した後に、「看護師さんにはよくしてもらいました」って言葉をたまにもらいます

      医師にはできないことを看護師はたくさんできます。
      最前線にいるのは看護師です。
      これからもその自覚を若い看護師に伝えてほしいです。

      コメントありがとうございます。

      削除

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