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Moble Stroke Treatment Unit + TelemedicineはDoor-to-Needle timeを30分短くする

以前紹介しました。 クリーブランドクリニックのMobile Stroke Treatment Unit (MSTU)。 Mobile Stroke Treatment Unit goes to the patient !! Dr. Uchinoグループから論文が出ました。(写真:わたしとUchino先生) Itrat et al. JAMA Neurology 2015 Telemedicine in Prehospital Stroke Evaluation and Thrombolysis Mobile Stroke Treatment Unit (MSTU) + Telemedicineにより、 発症からtPA静注療法までの時間が25分縮まりました。 MSTUには、CTが搭載されていて、PT-INR, 白血球、血小板、ヘモグロビン、電解質、血糖などが測定できます。 911オペレーターが脳卒中疑いと判断すると、看護師、CT検査技師、救急隊、Emergency Medical Technician (EMT) が、MSTUに乗車します。 317回の出動がありましたが、217回は到着前にキャンセルされました。 残り100回を検討。 33例が急性期脳梗塞疑い。 99例はtelemedicine成功。 1例はビデオ不具合でうまくいかず(近くの病院へ搬送された)。 93例は問題なくtelemedicine接続。 5例は電波環境が悪かった。 1例は神経内科医が、不適切なタブレット端末を使用したから。 来院からビデオ接続時間:中央値11分 ビデオ接続時間:中央値20分 56例の年齢、重症度を合わせた、救急外来受診患者と比較すると MSTU vs control Door-to-CT: 13 vs. 18 min Door-to-IV thrombolysis: 32 vs. 58 min CT読影の時間は差がなかった。 Dr. Uchino曰く、 「最近のWireless networkの改善が、この治療方法の問題解決に大きく寄与した。」 日本では、Wireless network環境はかなり悪いので、telemed

出張先でランニングする。その1

2015年12月13日 出張先でランニングしてみようと、思いまして、 大阪出張でランニング。 膝が痛いので、往復5kmぐらいで、行き先を考えると、 通天閣。 朝6時から、30分ぐらいで戻るつもりが、道に迷い、1時間かかりました。 目的は、知らない場所で、彷徨う、こと。 タイムは二の次三の次。 そこにいた、着ているものがなかなか古い、おひげが長い、おじさんに写真をとってもらいました。 構図なんて気にしない感じ。 ありがとうございました。 日曜日朝7時前の、道頓堀界隈は、若い兄ちゃん姉ちゃんが、ぼつぼつ集団でいました。 大きなねずみさんもいました。 ビルとビルの間にすすすすすー、っと走り去って行きました。

脳梗塞治療最前線 @ 大阪

岸和田徳洲会病院脳神経外科松本先生にお招きいただき、お話をさせていただきました。 私以外に3人の先生がそれぞれ講演され、2時間30分近く(!) の時間、100人以上(!!)の皆さんが参加されました。 満員御礼 というか、入れないぐらいでした。 脳梗塞急性期治療をチームワークで乗り切るためにはどうすればいいかをそれぞれの先生が、それぞれの立場からお話しされていました。 まずは、大阪南医療センター 脳血管内科の尾原先生。 なぜ、脳梗塞診療を急がないといけないのか、チーム医療がどれだけ重要か、 わかりやすく、見やすいスライドで、 話していただきました。 同じ脳神経内科医、同じ志をもった者同士、これからもよろしくお願いします。 なんて、言ってもらいました。 カッコいいっす。 次は、りんくう総合医療センター 脳神経外科 出原先生 脳梗塞急性期再開通療法について。 実際の治療風景のビデオがあって、 それを見ていると、疑問が浮かんできました・・・。 脳血管内治療、もしかして一人でやってる? ・・・、そういうこともあるそうです。 いろいろ器具を工夫して、一人で完遂することも可能だそうです。 人が少なくてもやらなければいけない現場で、 工夫と努力で、乗り越えていらっしゃいました。 3番めは、大阪大学大学院医学系研究科 脳神経外科学講座 西田先生 放射線科技師の方もいらっしゃっていたので、 脳梗塞急性期の画像撮影のポイントについて、 わかりやすくするのが難しい分野でしたが、非常にわかりやすく、まとめて、話をしていただきました。 脳梗塞急性期画像検査は、施設によって、MRI、CTどちらでも良いと思います。 ただ、海外と同じように造影CTをするのはなかなか難しいのではないか、とも思います。 クリーブランドクリニックでは少なくとも2011年当時は、造影CTは腎機能の確認なく、同意書無く、行っていたと思います。間違っていたらすいません。 日本人は体型が小さく、同じように造影剤をたくさん使っていると(造影剤の量は海外の人と違うのか、いまいちわかっていませんが)、危険かもしれません。 最後に、 私は長崎大学病院の取り組み、

第4回九州脳卒中カンファランス

九州の脳卒中診療を行う脳神経内科医が、 毎年、年末の神経地方会の前日に集まって、症例報告や特別講演を拝聴する機会があります。 昨日、博多駅にほど近い、とあるビルで行われました。 佐賀大学医学部 神経内科 吉川先生から、ダニ咬傷からDIC、さらに脳梗塞をおこした内頸動脈閉塞の症例 は劇的に症状悪化をきたし、治療が困難でありました。 私達も経験しうる症例であり、注意が必要と思いました。 熊本市民病院の橋本先生からは、とても興味深い、片頭痛、脳梗塞、卵円孔開存、reversible vasoconstriction syndrome (RCVS)の関係について、話題提供を頂きました。 片頭痛は神経領域のcommon diseaseで、診療させていただく機会は多いです。 特に、前兆のある片頭痛は脳梗塞と関連することが示唆されています。 その片頭痛は卵円孔開存と関連することも言われています。 また、最近では、RCVSと卵円孔開存との関係も示唆されているそうです。 わからないことが多い、この領域。 解明すべきこと、興味深いこと、まだまだたくさん埋まっていることを教えていただきました。 一方、九州医療センター 脳血管・神経内科 徳永先生からは、 ありふれた脳梗塞でも、 その機序はありふれていない でも、見逃していることが多くあるかもしれない 頸部回旋による内頸動脈の移動に舌骨が関与し、 さらに血栓形成に寄与する という症例について、報告を頂きました。 頸部回旋と嚥下運動により内頸動脈が舌骨にあたる。 それにより内皮の障害が起こり 血栓形成が起こる。 ものすごくインパクトのある症例でした。 それに気づいた経緯が、すばらしかったです。 いつも深く考えながら臨床をしているからこそ、という感じでした。 すでに論文になっています。 しかも、症例報告でCirculation !! Tokunaga et al. Circulation 2015 Repetitive Artery-to-Artery Embolism Caused by Dynamic Movement of the Internal Carotid Artery and Mechanical Stimulation

2015長崎ベイサイドマラソン完走

遅くなりましたが、2015年11月15日長崎ベイサイドマラソンの結果です。 2時間1分11秒で完走しました。 速さで言うと、中ぐらいでしょう。 神ノ島までの往路は比較的、元気に走破しました。 飽の浦の上り坂下り坂はありましたが、余裕を持って乗り越え、 神ノ島の海沿いの道では、綺麗に透き通った海を覗き、 「なんで、こんなところにパイナップルが一房まるごと浮かんでいるんだろう」 と、浮かんでいるパイナップルを見ながら、考える余裕がありました。 しかし、折り返し点を過ぎた後、心が折れました。 眼前、遥か上方に、女神大橋に繋がる山道を 先に人が走っている姿をみて、心が折れました。 「あそこは、車で行くところだよ」 行くしか無いので、頑張りました。 予想以上に、しんどかったです。 部活でもこんなに根性出したこと無いくらい、根性で、歩かずに、ほとんど歩いているスピードでしたが、高低差65mを登りきりました。 65mってそこまでないように感じちゃいますが、きつかったです。 途中、和太鼓で子供を含めた皆さんが、応援してくださって、なんとか心をつなぎました。 しかし、女神大橋を降りた後の最後の3kmぐらいが、だめでした。 足が止まってしまい、歩いたり、走ったりでした。 同級生に「がんばれ」と肩を叩かれながら、抜かれ、 後輩から何も言われずに抜かれ、 ご年配の方から、さっそうと抜かれた、最後の2km。 残り1kmは沿道の見物や応援の人が多くて、歩けずに、 ポテポテと走り、ゴールに到着しました。 リハビリスタッフ、看護師、研修医と一緒に参加。 来年も頑張ろう ランナーズニーのため、しばらく練習を中止。 必ずやフルマラソンに挑戦! 何も考えずに、楽しく、走れる平和な一日に感謝です。 ボランティアの皆さん、運営の皆さん、市の職員の皆さん、 ありがとうございました。

2015長崎ベイサイドマラソン

とうとう明日、 長崎ベイサイドマラソン2016があります。 何とか晴れそうです。 ただハーフってこんなに走るんですね。無事に完走できるか不安です。 人の体調(病気)をみる前に、 自分の体調管理を と考えて始めた(ことも理由の一つだったような気がします)ランニングですが、 ここにきて、膝の調子が悪くなりました。 ランナーズニー というやつのようです。 5㎞も走れましぇん。 明日はYouTube で勉強したテーピングをして頑張ります。 棄権したくないなぁ。

西彼杵地区脳卒中病診連携セミナー

安永脳神経外科院長先生の取り計らいで、西彼杵地区で脳卒中の話をさせていただきました。 脳卒中ガイドライン2015の変更点を元に、脳神経内科の視点から私が話をさせていただき、 脳神経外科の立場から、脳神経外科の出雲先生が話をされました。 私からは、新規抗凝固薬(または非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬: Non-vitamin K antagonist oral anticoagulants (NOAC) )のことを中心に話しました。 新規抗凝固薬は、心房細動患者の塞栓症予防において、グレードBの推奨度になりました。 また、これまでCHADS2 スコア(C: うっ血性心不全=1, H: 高血圧=1, A: 年齢=1, D: 糖尿病, S: 脳梗塞もしくは一過性脳虚血発作=2)が、1点のときは ワルファリン でした。 今回は、NOACになりました。(グレードB) 当院におけるCHADS2 スコア0もしくは1点の人は、27%もいます。 多いと思います。 予後は、CHADS2スコア2-6の人よりもいいようですが、 来院時の重症度は変わりませんでした。 若い、心房細動あり、の脳梗塞患者さん が来院したとしたら、 CHADS2スコア2-6の人と比べて、 来院時の重症度は、そんなに低くなかったりします。 死亡は、変わりなかったりします。 CHADS2スコア0の方。 抗凝固療法を考えるのは、 心筋症がある人、女性、血管疾患を有する。グレードC1 (考慮していいが、十分な科学的根拠はない) 危険因子のない65歳未満。これもグレードC1 どっちもグレードC1。 どういうこと?と思いますが、判断は難しい、ということでしょうか。 ケースバイケースで考えることになりますが、65歳未満は難しいなという印象です。 脳出血 急性期脳出血患者の血圧管理は180mmHg未満から140mmHg未満になりました。(グレードC1) 急性期のニカルジピン使用ができるようになりました。(グレードC1) 一次予防としての高血圧 後期高齢者の血圧管理目標が150/90mmHg未満になりま

ダビガトランの中和剤。アメリカFDAが認可

Non vitamin K antagonist oral anticoagulant: NOACの中で最初に上市されたダビガトランに対する中和剤(イダルシズマブ:Idarucizumab (Praxbind))が、アメリカFDAに認可されました。 FDA approves Praxbind, the first reversal agent for the anticoagulant Pradaxa 認可された根拠となった研究は2つ。 283人の健康な人にダビガトランを内服してもらい、イダルシズマブを投与。 少なくとも24時間以内に抗凝固作用が消失。 the RE-VERSE AD trial. 123人のダビガトラン内服患者。 コントロール不能な出血や緊急手術のためにイダルシズマブ投与。 89%の患者は4時間以内にダビガトランの抗凝固効果消失。 副作用は、低カリウム血症、混乱、便秘、発熱、肺炎。 ただし、製品のラベルには 「可能なかぎり早期に抗凝固療法を再開すること」 と記載。 この中和剤が必要になる患者はそこまで多くないかもしれません。 なぜなら、ほとんどの症例は、対症療法で対処可能。 しかし、生命の危機に瀕するような出血には、常に 止血対応 抗凝固剤効果の中和 出血源への対応 が重要。 ダビガトラン内服患者では、腎機能が悪化している状態での内服(何らかの拍子での急性腎不全や年齢とともに徐々に悪化した腎不全など)が、出血性合併症を引き起こす可能性があり、そういう時にイダルシズマブは重要でしょう。 NOACが使えるようになって、10年、20年となると、内服継続している患者も10年、20年となってきます。 加齢に伴う腎機能の悪化。 NOAC内服患者において、特に注意が必要です。

脳血管内治療の適応拡大は可能か?

脳血管内治療は発症6時間以内の脳主幹動脈閉塞に対して有効。 次のステップは、画像結果を元に、発症6時間以上経過した脳梗塞患者さんに適応を拡大できるのか、ということになります。 Marilyn Rymer, MD, vice president of neuroscience at the University of Kansas Hospital in Kansas City のコメントです。 カンザス州といえば、カンザスミート。 ※書き間違い:カンザスビーフ。。。あまり変わりませんが。 ※再生マークが付いてますが、再生しません。これはスクリーンショットを貼り付けただけです。 すいません。 その背景として。 脳血管内治療で有効な結果を見出した研究は、脳主幹動脈閉塞をCTA, MRA または、脳血管造影で明らかにしました。 MR CLEAN, ESCAPE, SWIFT PRIME, REVASCATは、ASPECTS score > 6(CT評価)の患者で特に有効。 inclusion criteria 例: SWIFT PRIME: 虚血巣コア < 50cc, 80% mismatch (ratio >1.8) EXTEND-IA: 虚血巣コア < 70cc, 20% mismatch (ratio >1.2) 意外と画像 inclusion criteriaは違います。 SWIFT-PRIMEのほうが軽症患者を対象とし、 EXTEND-IAのほうが、より重症患者までを対象としたことがわかります。 ちなみに、mistmatch ratioをどうするかもまだまだ疑問が多いところ。 正直、私は解析していましたが、苦手な分野です。 評価する際に、manualでするのか、ソフトウェアでautomatic (EXTEND-IAはRAPID, noncommercial research version, Stanford Universityを使っています。)にするのか。 70cc, mismatch ratio > 1.2としたEXTEND-IAのほうが、これまでよく利用される数字で、一般的だと私は思います。 しかし、興味深いことに、厳し目の患者さんも登録した

脳卒中センター開設4周年。

2011年10月1日に開設した脳卒中センターは2015年10月1日で・・・、えーっと、 いち、に、・・・ 4周年を迎え、5年目に突入しました。 何周年か忘れるくらいなので、お祝い会とか、花束とか、 準備するような細やかな人間はいません。 2011年、現脳神経内科教授(当時救命救急センター准教授)と2人でスタートしました。 時は勝手に流れて、 いつのまにか、 1人 そして今年は、2人脳卒中を専門にみる脳神経内科医がスタッフとして加わってくれました。 脳神経外科のサポートも頂いて、脳神経内科医として脳卒中センターを運営してきました。 2012年度脳卒中センター 脳卒中センター開設3周年 あー、あれから4年も経ったのかぁ、 と、特に感慨深いものはないです。 過去は過去。もう、ある程度どうでもいいです。 ここから。 更に言うなら、今、を大切に。 今、この瞬間をどれだけ、密度濃く、注意深く、しなやかに、過ごすか。 それだけを考えて、 うつら、うつら、居眠りを交えながら、このブログを書いているわけです。

福岡で脳梗塞急性期治療研究会。

脳梗塞急性期治療、とくに脳血管内治療にfocusをあてた、pinpointな研究会にお呼びいただき、参加させていただきました。 九州医療センター脳血管内治療科長・医長、脳血管センター部副部長 津本智幸先生 ありがとうございました。 15時から18時30分まで。 皆さん研究熱心で、頭が下がります。 最初からdiscussion。 ホットです。 先生方のご意見をお聞きし、私の解釈を加えて記載します。 どうかご理解の程よろしくお願い致します。 Trevo 透視で見えやすい。 屈曲部も、比較的沿いやすい。 テクニックについて、 Push and Pushing (Fluff):Trevoを押していき、展開。そうすると曲がり角が密着しやすい。M2は怖いので、やらないほうが良い様子。 Solitaire Penumbraよりも治療時間が短くなった。 tip-less構造 使用できるMarksmanカテーテルが遠位部まで誘導しやすいカテーテル。 サイズが豊富 エビデンスが豊富 Penumbra 血管内皮の損傷が少ないはず。 テクニックいろいろ 5MAX ACEとSolitaire。一緒にOPTIMOに回収するか、5MAX ACEに回収するか。 4MAXは血栓の取りこぼしがある可能性。一緒にOPTIMOに回収すべき、かも。 3MAXは遠位病変に有効。 容易に上がるなら、MAX ACEごと(Stent Retrieverも一緒に)、OPTIMOに回収した方がいい。血栓がMAX ACEに入りきらない可能性がある。しかし、中大脳動脈の血栓を内頸動脈まで引いてきて回収するときに、前大脳動脈に取りこぼすことがあるかもしれない。Marksmanは抜いておく。 Immediate flow restrationがでるなら、ストラッドの外に血栓が付いている可能性が高い。できるだけ、OPTIMOに回収した方がいいかもしれない。 立石からは、長崎大学病院の脳梗塞急性期対応についてお話をさせていただきました。 脳神経内科医が、脳神経外科医や看護師などコメディカルスタッフとともに脳卒中診療を行っている現状につい

NIHSSスコアなど勉強会 at 長崎みなとメディカルセンター市民病院

先日、長崎みなとメディカルセンター市民病院で、 市民病院にいる当科のスタッフとともに 看護師やリハビリテーションスタッフ向けの勉強会を開かせていただきました。 他の病院で、勉強会をさせて頂く理由は、 地域の脳卒中診療を充実させるため、 です。 現在、日本では、1,2分に1人、脳卒中を発症しています。 イマイチイメージが湧きませんが、「多い」ということはなんとなくわかります。 このような頻度の高い病気を、ある程度大きな医療圏において、一つの病院で見ていくことはほぼ不可能です。 いくつかの拠点病院が、「地域の脳卒中診療」を診療していく必要があります。 今回は、主に、National institute of Health stroke scale (NIHSS) スコアの、ポイントを抑えた取り方、についてでした。 私達、脳神経内科医のstrong pointは、診断能力です。 その武器が診察。 しかし、コメディカルスタッフにまで、同じレベルの診察は求めることはできません。 その落とし所がNIHSS スコアです。 その中で、重要なのは、頻度が多いながら、難しいと敬遠しがちな、 「失語」と「消去現象」 それを中心に、話をさせていただきました。 ●NIHSSスコアにおける失語の評価3つ 呼称(提示されたものがなにか答える。言葉が出なかったら選択させる) 復唱(単語、二語文、三語文) 指示に従えるか ●NIHSSスコアにおける消去の評価 線分二等分:聴診器などの真ん中をつまませる。 感覚無視:両腕を同時に刺激して、片方を認識できないか。 身体失認:患者自身の左手を患者の眼前に持ち上げ、「これは誰の手」か聞く。身体失認があると、「看護師さんの手」とか「先生の手」と言って、自分の手と認識できない。 模擬患者を診察。 時間の制限もあり、十分伝えることが出来ませんでした。 今後も、継続させて頂きたいと思っています。

長崎救急隊と脳卒中を語り合う

2015年8月27日、 長崎の救急隊と脳神経内科、脳神経外科 で寄り集まって、 脳卒中の勉強会を行いました。 救急隊のほとんどの方が、当日朝まで勤務して、その12時間後にこの会に参加されています。 その勉強熱心さには頭が下がる思いであるのと同時に、 私達、医師も、その思いに応えなければならないと身が引き締まる思いでした。 ------------------ 私達医師は、看護師、設備、道具などが整えられた環境で、患者さんを診療できます。 救急救命士は、現場で、限られた道具(血圧計やペンライトなど、というかそれぐらい)で患者さんを判断し、適応病院を選別しなければなりません。 「なんでうちに連れてきたとや(なぜこの患者さんを当院につれてこられたのでしょうか)」 そういう発言は慎まなければなりませんし、そう思うのも良くないと思います。 現場で最初に判断する救急隊に敬意を払う ことが大切。 ただ、だからといって、闇雲に 脳卒中患者は急いで搬送 と唱えても、現場から始まる脳卒中診療が、よりスピーディーに、より洗練されたものになるかといえば、そうではなくて、 具体的な対応が必要です。 それは、1症例1症例の反省とフィードバック。 医師も救命士も一緒です。 私達、脳神経内科、脳神経外科医は、搬送してくださった救急隊の皆様に、患者さんのフィードバックを行っています。 それが、次の脳卒中患者さんの対応につながり、 そして、市民のためになる と信じています。 その後の懇親会。 先日の 「精霊流し炎上事件」 や 「ゴミ屋敷、靴下グッチョリ事件」 など 現場だからこその、話。 面白かったです。 救急隊と一緒に、 長崎の脳卒中診療をより良くしていきたい という思いを強くした夜でした。

福井大学林寛之先生の講演

福井大学医学部附属病院総合診療部教授 林寛之先生のご講演を拝聴しました。 以前、救急部に所属していた時に読んだ本で、林先生が書かれていたものはすごく頭に残っていて、どんな先生なのか気になっていました。 いい機会でしたので、前から2列目でお聞きしました。 周りは研修医ばかりで、長い体を、できるだけ目立たないように折り曲げて。 思った通り、人を引き込むのが素晴らしく、2時間(!)があっという間でした。 次回、私が講演するときに、少し真似しようと思ったのは、もっとビジュアルに訴えること。 他には音も多用していらっしゃいました。 確かに、できるだけ多くの感覚に訴えたほうが、聴衆は引き込まれやすいのでしょう。 懐かしい動画もたくさん。 これは研修医わからんだろうという、 山口智子と赤井英和のビールのCM とか。 他に心に残ったのは・・・、 なんだったっけ。 研修医向けなので、救急外来でのマネージメントが主だったので、流して聞きすぎたせいかもしれません。 お恥ずかしい限り。 思い出しました、井上靖の言葉で 「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」 その言葉を林先生がお話することで、その重みはさらに意味を持つのだと思いました。 最前線で、まじめに、笑顔で、取り組むその背景にはそういう哲学があり、 自分もそうありたいと思いました。 明日から、臨床に、そして研究に、励みます。 論文も書いて、いつかこういう有名な先生に引用してもらえたら、嬉しいのかもしれません。 質問したので、金うんをもらいました。便秘な私にピッタリです。 質問した内容は、研修医指導今昔。 昔と比べて、今の研修医は、情報が多く、優秀であるものの、人前で恥をかくのが苦手。 そういうことにならないように気を配っているとのこと。 できるだけ最初はやって見せて、2回目以降にやらせる。 山本五十六さんが言っています。 前にも2回引用しています。 「やってみせ、言って聞かせて、やらせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」 研修医に脳卒中の醍醐味を教えることができているのか? 研修医,ケイショクする どうしても、期間とかの影響で、その検査などの侵襲度を考

長距離走嫌い脳卒中内科医のロード to 熊本城マラソン

今となっては、なぜ、そういうことになったか、 はっきりとは覚えていません。 JMECCのアシスタントインストラクターとして参加した 熊本で、その懇親会で、 ある先生から 「それは熊本城マラソンに参加せんといかんよ」 と言われ、 (「それは」って、どれだったか。) 「これも縁ですから、参加せんといかんですね」 と私。 それは、理由なのかなんなのか。 これまで、長距離走は、大っ嫌いでした。 今も。 高校の時の、長距離走大会。 同級生のサッカー部の中で一番遅かった。 20人ぐらいの同級生の中で。 マラソン大会に出ている人を見たり、話を聞いたりして、 「なんで、あがんきつかことば自分からしよるとやろうか。おかしか」 と言っていたのは、尊敬の裏返し。 「あんな長距離を走りぬくなんて、自分にはできん。すごか。」 30も後半にさしかかってきて、いろいろ考えるようになってきました。 しないで後悔より、して後悔。 それが、超絶苦手な長距離走でも。 でも、やるっ、と決めてしばらくした時点で、もう後悔。 大丈夫やろか。 そういう時は、形から入ります。 気持ちを上げる、ギアから揃える。 まずは、シューズ。 脳卒中専門医試験の帰り、アシックスストア東京に行ってきました。 そこで、自分の足型を測定し、 何千円以上購入の人は無料(それ以外は2000円)の「走り方診断」をしてもらいました。 右足が小さくて、いつも困っていました。 サッカーシューズは右が余って、感じ悪いです。 右足の長さが少し短いと思っていました。(というか、どこかの靴屋で右足が少し小さい、と言われていたし)。 実は、「短い」のではなく、「薄い」のでした。 足趾基部の一番周径が大きいところが、左に比べて、少し小さかった。 確かに、これまで、足の先の自由感が、左 < 右、で困っていたのでした。 今後は厚みのある靴下で対応するなど。 もう一つ問題。 外反母趾傾向、かつ内反小趾傾向。 そのため、足先が先端に向かって細くなっていて、しっかり地面を捉えることができない。 なの

術前ヘパリンブリッジ、実は、橋がなくても渡れてた!?

常識だと思って行っていたことに、実はしっかりした根拠がない、 ということは、一般社会の中で意外とよくあることです。 例えば・・・、 って、すぐに思い浮かばなかったので、 多分、私は、「根拠の無い常識」にとらわれて生きているんだと思います。 医療の世界では、できるだけ、ちゃんとした根拠(エビデンス)に則った医療を行いましょう。 エビデンス・ベースド・メディスン。 と言われて、久しい訳です。 おそらく1990年台から特に強調されてきたのではないでしょうか。 「ワーファリン内服中の患者さんは、手術前1週間ぐらいから入院して、ワーファリンを中止し、ヘパリンブリッジ(術前数時間までヘパリン持続投与)しましょう。」 って言ってましたし、そうしてきました。 ガイドラインにもあります。 『循環器疾患に おける抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン2009 しかし、それは、強い根拠に則ったものではありませんでした。 今回読んだ論文は、今話題の論文。 Douketis et al. 2015 NEJM Perioperative Bridging Anticoagulation in Patients with Atrial Fibrillation ヘパリンブリッジの有用性は無いかもしれないこと、 むしろ出血が増えるかもしれないこと を明らかにしました。 ランダム化比較試験。二重盲検、ヘパリン vs プラセボ 1次エンドポイント : 有効性:塞栓症(脳梗塞、一過性脳虚血発作、全身塞栓症) 安全性:大出血 2次エンドポイント 死亡、心筋梗塞、深部静脈血栓、肺塞栓、小出血 適格患者 :18歳以上、発作性または持続性心房細動、心房粗動、3カ月以上PT-INR2-3でワルファリン調節されている、 さらに、CHADS2 score >=1 (C, うっ血性心不全、左室収縮不全; H, 高血圧; A, 75歳以上; D, 糖尿病; S, 脳梗塞または一過性脳虚血発作) 除外患者 :機械弁、12週以内に塞栓症を起こした、6週以内に出血があった、Ccr < 30ml/min, 血小板10万以下、予定された手術が、心臓、脳、脊髄、の患者。 ここは注意すべきポイントです。出血リスク、塞栓

第210回日本神経学会九州地方会 at 熊本

学会に先立って、日本神経内科学会が作成した、 神経内科を目指す医師を増やすプロモーション映像が流されました。 治せるようになった病気 今、治せない病気 医療の発展とともに、これまで治せなかった病気が治せるようになりました。 その病気の最たるものが脳卒中、とくに虚血性脳血管障害 他にも、今後の再生治療により治る病気が出てくるかもしれません。 「覚悟はあるか」 と。 進歩する医療を使って、目の前の患者さんに対応することができるか。 印象的な映像で、 10年目ぐらいの私が、 「明日から、またがんばろう」 と思ってしまいました。 がんばろう。 近日中に学会から発売予定だそうです。 買わないといけない。 タダじゃない。 です。 脳神経内科脳卒中グループから3年目の医師が発表をさせていただきました。 腕頭動脈の可動性石灰化プラークが脳血管を閉塞させると、機械的血栓回収術単独では奏功しない可能性がある かもしれないという、症例報告です。 しっかり勉強して、よくまとまった内容でした。 手前味噌ですが。 有名な先生の質問にも答えることができていました。 緊張の後ろ姿 その他にも興味深い発表がたくさんありました。 脳血管障害は午前中のセッション。3つありました。 地方会は症例報告といって、まれな病態の患者さんの発表、がほとんどです。 自分たちが経験しない症例を発表を介して、擬似経験できる 地方会は、多数例を集めたデータの発表が多い総会とは、また違ったおもしろみがあります。 日本人で英語が話せるバイリンガル。 その人が脳梗塞で失語になったら、英語から戻ってきた。 ていう症例。 リバーロキサバンの脳梗塞、脳出血、tPA静注療法についての発表が幾つかありました。 血管内治療の話。 椎骨脳底動脈に病変がある症例報告が多い気がしました。 脳幹部の症状が多彩なので、症例報告になりやすいことが理由かもしれません。 椎骨脳底動脈の病変はとても重要ですが、 とくに、血管内治療の研究の時に、椎骨脳底動脈病変は、病態が多彩故に、除外されがちです。 でも、大切だと思います。 椎骨脳底動脈の脳梗塞患者を前向きに検討していく研

在宅診療で長崎原爆を少し考える

2015年 終戦70年であるとともに、原爆投下から70年でもあります。 私達、長崎生まれの人間は、小学生の時から原爆教育を受けてきました。 特に小学生の時に、学ぶ機会が多かったです。 私の、潜在意識には、他の県の人よりも、原爆のこと、 残っていると思います。 しかし、 直接経験した、被爆者の話、 頭に残っていないです。 たぶん、あんまり頭が良くない、私の子供の頃のpoorな想像力では、被爆者の皆様が話してくれた、その情景がありありと脳裏に浮かび上がってこなかったからなのだろうと思います。 大人になって、 被爆者の皆様の話が頭に残っていない事に気付き、 「これでいいのだろうか」 と思うことが多くなりました。 仕事柄、ご高齢の方と接することがほとんどなので、できるだけ、許可をいただければ、話を聞かせていただくようにしています。 でも、意外と生々しい記憶として話される方は少ないです。 それは、多くの方が犠牲になった出来事で、 それを生き延びた人から、お話を聞くわけですから、 必然的に、原爆の影響を大きく受けなかった場所にいたことが理由かもしれません。 しかし、その強烈な情景を経験し、話してくれる方もいらっしゃいます。 ただ、その話し方は、感情的ではなく、 あったことを、見たことを、淡々と話されました。 「いとこが黒焦げだった」 「体しかなかったけど、〇〇ちゃんだった」 爆心地から近い工場で被爆し、その後、歩いた道程を教えてもらいました。 爆心地近くは、何もなかった、と記憶されているそうです。 爆風で、全てがなくなっていたとともに、 周囲を見た記憶があまり残っていないこともあるそうで、 その証拠に 「助けて」という言葉や、 うめき声、 それは耳に残っているそうです。 梅雨があければ、夾竹桃の咲く、夏を迎えます。

第34回日本脳神経超音波学会総会

評議員をさせていただいているともあり、発表させていただくべく、 京都へ行ってまいりました。 私は、心臓エコーで捉えられる、拡張障害と脳梗塞の関係について発表させていただきました。 それはいいとして、 興味深かった発表は、大動脈プラークをMRIで評価するものでした。 別に、どうでもいいのですが、 8年前ぐらいに、私もチャレンジした臨床研究ですが、当時のMRIの能力では限界がありました。 今後の展開がとても楽しみです。 他には、大動脈プラークのソナゾイドによる造影効果の検討が発表されましたが、とてもいいディスカッションがあって、勉強になりました。 が、しかし、 日本で、ソナゾイドを使った頸部血管エコーをされて、論文報告をたくさんされている先生に後でお聞きしましたが、大動脈プラークのソナゾイド評価は現段階では不可能である可能性が高い。 とのことでした。 私達もチャレンジしようとして、できなかったので、やはりそうなのか、という感じ。 あとは、熊本のレジェンド脳卒中ドクターと、お話をさせていただき、 神社仏閣、お城めぐり の面白さ、を拝聴し、 触発され、 東寺へ。 歩いて、15分ぐらいの距離でした。 立体曼荼羅、 拝観してきました。 東寺 立体曼荼羅 何が立体なんだろう。 今日は、青と、赤のフィルムで作った、昔ドラえもんか何かの映画でもらった、紙でできたのサングラスは持参してないし、どうしよう。 ・・・・ 如来様とか菩薩様とかのいわゆる仏像が、 ばば〜んと並んでいたのでした。 リアル、立体、ね。 なんだか、圧倒的 な感じなのですが、 よくよく見ると、なんだか、こう、 それぞれの表情とか仕草が、いろいろで、おもしろかったです。 詳しいことは、詳しい人に聞いてください。 その中で、私としては、 梵天様が、スカした感じでカッコ良かったです。 梵天様、画像 やや小指を立てた感じで左手(でいいのかわかりませんが、腕が4本あるので)になんか花らしきもの(と思ったら香炉だそうです)を持ち、もう一方の左手に筆らしきもの(ともったら払子というらしいです)をもってます。 何より、がちょうみたいな鳥の上に乗る、

第11回長崎市脳卒中市民公開講座

少し前になりましたが、 2015年5月30日に脳卒中市民公開講座を長崎市にありますメルカつきまちで開催させていただきました。 今年で第11回を迎えました。 あいにくの雨の中、多くの市民の皆様にお集まりいただきました。 ありがとうございました。 今年も、例年通り4人の演者が、それぞれの立場から、脳卒中に関するお話をさせていただきました。 司会は、脳神経内科教授。 最初は、当院の脳卒中ケアユニット看護師から、脳卒中と生活習慣病について。 減塩のコツとして、 1 麺類のスープは残す 2 漬物は少量 3 カリウムが豊富な食品を多く食べる。 4 加工食品は避ける 5 食卓に調味料を置かない 6 醤油はかけるよりも、つける 7 「蒸し料理」は理想的 初めての経験で、とても緊張していたそうですが、なかなかよかったです。 2番めは救命救急士から。 長崎市の脳卒中救急の現状について市民の方に情報提供をしていただきました。 脳卒中の症状にきづきましょう。 ことば、かお、うで 適切な病院へ搬送できるかどうかも鍵。 内科的、外科的に、一人の患者さんを共同で見ることが出来る環境が、脳卒中患者さんには適している。 3番目は私から。 脳卒中=認知症予防 -脳卒中・認知症を予防する賢者の献立- 最近、脳卒中など、動脈硬化疾患を予防する行為が認知症予防につながることがわかってきました。 イギリスでは、この10年で認知症患者が80歳以上の年齢で10〜30%減ったことが判明しました。 なぜ認知症が減ったのか。 その答えとして、イギリスにおける国をあげての動脈硬化疾患予防キャンペーンの好影響が考えられています。 イギリスの標語 「心臓にいいことは、脳にもいい」 動脈硬化の予防が、認知症患者現症につながった。 といわれています。 生活習慣病である高血圧をしっかり管理すれば、それがポイントとなりその開業医の報酬につながります。 また禁煙キャンペーンもしっかりしたものでした。 お店の陳列棚からタバコを隠し、自動販売機も撤去されました。値段は1000円以上します。 そして

復職&リフレッシュトレーニング。脳卒中編

当院の メディカル・ワークライフバランスセンター 主催の復職&リフレッシュトレーニングで脳卒中の話をさせていただきました。 題して 「コメディカル以上、専門医以下」で見逃さない、脳卒中。 脳卒中は、common disease(一般によく遭遇する病気)でありますので、一般外来に歩いて受診することもあれば、当直先の病院に運ばれてくることも。 その際、その患者さんをちゃんと脳卒中とわかって、専門医にポイントをとらえた言葉(神経症状)とともに紹介できるようになっていただければ、という趣旨で話を進めました。 今回のポイントは、 非専門医方に、失語や失認という高次脳機能の評価の仕方を知っていただいたことにあります。 失語や失認は脳卒中に頻出の症状でありながら、あまり、非専門医や非専門看護師には馴染みがありません。 ポイントを絞って診察、評価すればそう難しいものではありません。 また、自覚症状である感覚障害や、ハンマーを使わなければいけない腱反射などは評価しなくていいことにしました。 話し方は上手ではなく、こういう機会を頂いた後は、いつも反省します。 ただ、少しでも、一つだけでも、伝わっていれば、と思います。 研修医2人と私の3人で、脳卒中模擬患者になり、受講していただいた先生方に診察していただきました。 なかなか、シュールな写真・・・。 受講していただいた先生方、メディカル・ワークライフバランスセンターのスタッフ、並びに先生、 貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

食事で認知症予防。脳卒中予防にもつながる?

以前、地中海料理は心筋梗塞、脳卒中、心血管死を減らす 地中海で暮らすか. という話題がありました。 エクストラバージンオイルとナッツ。 地中海料理は血管にいい。 かもしれません。 具体的にどういう食事かというと、 取るべきもの nonrefined grains: 全粒穀物? (料理しないので詳しくはわかりません) 野菜 ポテト類 フルーツ 魚 豆果(料理しないので詳しくはわかりません・・・ 豆果 ウィキペディア ) オリーブオイル 避けるべきもの 赤身肉 バターとか 鶏肉 酒は控えめ じゃぁ認知症にはどんな食事がいいか? というのが今回の話題です。 地中海料理、血圧を下げるDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食、 そして、この2つをアレンジして、より達成しやすくしたMIND(Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay)食 この3つで検討した研究があります。 MIND食はアルツハイマー病になるリスクを下げる MIND diet associated with reduced incidence of Alzheimer's disease MIND食 取るべきもの 全粒穀物 葉っぱものの野菜 ほかの野菜 ベリー類(いちごとかブルーベリーとか) 魚 鶏肉 豆 ナッツ類 オリーブオイル 避けるべきもの ファーストフード バター、マーガリン チーズ 甘いもの 赤身肉 酒は1日1杯で。 ポイントは葉っぱものの野菜とベリー類。 これらが認知症予防にいいことは過去に報告があります。とのこと。 もう一つポイントは そこまで厳しくない 例えば、赤身肉は1周間に4回未満ならOK。 など。 923人の患者さんが登録され、平均4.8年間経過観察されています。 シカゴで。 このMIND食をちゃんと守って食事しているかの程度をスコア化して、 低MIND食グループ、中ぐらいMIND食グループ、good MIND食グループの3群に分け、 低MINS食グループとの比較で、アルツハイマー予防効果を検討しま

虚血性脳血管障害を医学部4年生に講義する

そもそも、学生の時に講義を真面目に受けていなかった私が講義をすること自体、学生に失礼な話です。 それでも、話をさせていただく以上は、熱意を持って話さなくては、更に失礼なので、私なりに頑張って準備してきました。 幸い、病棟実習に回る前の学生なので、普段やっている臨床の話をお伝えすることで終始できました。 高次脳機能障害の動画をお見せしたり、tPA施行患者さんの動画をお見せしたりしました。 相変わらず、講義の難しさを実感しました。 どうすれば魅力ある講義にできるのか。 基本的には、 「講義に参加している」 という感じが重要なんでしょうが、 どうしても 「講義を受けている」 になってしまいます。 ・・・。 とにかく、今回は、 脳卒中診療の奥深さ、守備範囲の広さを感じてくれればそれでOKです。 次は臨床実習でお会いしましょう。

脳卒中学会総会でスタッフが少ない中、

全失語(言葉が離せない、理解できない)、右完全麻痺、の患者さんが来院されました。 発症時間が不明で、tPA静注療法の適応はありません。 脳血管内治療医が少ない中、脳神経外科のF先生と脳内科の私で治療を施行しました。 Solitaire (ソリティア) を使って、血栓は回収できて、閉塞部の完全再開通が得られたのですが、 血栓を回収する途中で、一部が血栓回収器具からはがれて、ほかの血管を閉塞させてしまいました。 その部分の再開通も狙いましたが、血管の曲りが急で、カテーテルが入らず、断念しました。 いつも、うまくいくばかりではないわけです。 あとは、患者さんの経過をみていくしかありませんが、 側副血行路の雰囲気から、そう悪いことは起きないと信じています。

研修医、脳卒中学会総会2015のポスターをプリントアウトす。

2015年3月26日から29日まで、広島で脳卒中学会総会2015が開催されます。 その準備に追われる日々です。 今日3月25日、研修医のポスター印刷をすることが出来ました。 自分で、プリントアウトする。 初体験。 後は、発表を頑張ってね。 今年は、脳神経内科から3演題 脳卒中センタースタッフが2人だけですから、その2人と、後は研修医。 リハビリテーションスタッフから1演題 看護師から1演題 発表があります。 後は脳神経外科の先生も、私達、脳内科と一緒に頑張ってデータの発表をしてくださいます。 金曜日の発表は以下の4つです。 これうちのスタッフ これ看護師 これリハスタッフ これ研修医 土曜日は私の発表があります。 金曜日発表のそれぞれはとても興味深い内容です。 私は、金曜日行けないので、ちょっと申し訳ないのですが、 何とかなりますので、頑張ってください。 興味深い内容ですから自信を持ってくださいね。 興味があられて、学会に参加される方で、多少時間があって、他に見るとこないなぁと思った時は、ちょっと見に行って、優しい質問をしていただけると、ありがたいです。