安永脳神経外科院長先生の取り計らいで、西彼杵地区で脳卒中の話をさせていただきました。
脳卒中ガイドライン2015の変更点を元に、脳神経内科の視点から私が話をさせていただき、
脳神経外科の立場から、脳神経外科の出雲先生が話をされました。
新規抗凝固薬は、心房細動患者の塞栓症予防において、グレードBの推奨度になりました。
また、これまでCHADS2 スコア(C: うっ血性心不全=1, H: 高血圧=1, A: 年齢=1, D: 糖尿病, S: 脳梗塞もしくは一過性脳虚血発作=2)が、1点のときは
ワルファリン
でした。
今回は、NOACになりました。(グレードB)
当院におけるCHADS2 スコア0もしくは1点の人は、27%もいます。
多いと思います。
予後は、CHADS2スコア2-6の人よりもいいようですが、
来院時の重症度は変わりませんでした。
若い、心房細動あり、の脳梗塞患者さん
が来院したとしたら、
CHADS2スコア2-6の人と比べて、
来院時の重症度は、そんなに低くなかったりします。
死亡は、変わりなかったりします。
CHADS2スコア0の方。
抗凝固療法を考えるのは、
心筋症がある人、女性、血管疾患を有する。グレードC1 (考慮していいが、十分な科学的根拠はない)
危険因子のない65歳未満。これもグレードC1
どっちもグレードC1。
どういうこと?と思いますが、判断は難しい、ということでしょうか。
ケースバイケースで考えることになりますが、65歳未満は難しいなという印象です。
脳出血
急性期脳出血患者の血圧管理は180mmHg未満から140mmHg未満になりました。(グレードC1)
急性期のニカルジピン使用ができるようになりました。(グレードC1)
一次予防としての高血圧
後期高齢者の血圧管理目標が150/90mmHg未満になりました。
しかしながら、抗血栓薬内服中はもっと厳格に管理しなければなりませんので、注意が必要です。
Stroke Care Unit / Stroke Unitによる脳卒中患者管理。
グレードA
これは、前回のガイドラインでもAです。
脳卒中を専門的、かつ集学的に管理できる病院で脳卒中患者さんを管理すべきだということは、脳卒中急性期管理の肝であり、ガイドラインでも強く支持されています。
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脳神経外科の出雲先生からは、内頸動脈狭窄症に対する、内膜剥離術と頸動脈ステント術の話がありました。
基本的には内膜剥離術が第1選択ですが、内幕剥離術のリスクが高いと思われる症例(頸部放射線治療後、対側の閉塞、心疾患、呼吸器疾患などを有する)はステント留置術選択されます。
破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血に対しては、基本的にコイル塞栓術。
2005年LANCET、ISAT study以降、そうなったそうです。
2005年以降の当院のくも膜下出血患者さんのデータを見せていただきました。
最近の脳梗塞急性期患者に対する脳血管内カテーテル治療は今回のガイドラインには反映されていませんでしたが、重要な治療です。
当院では、tPA静注療法後、著明な症状の改善がなければ、すぐに血管造影室に移ります。
tPA静注療法開始後、ほとんど30分以内に血管造影室に移ります。
tPA開始したら、すぐに、という感覚でいます。
以前より、開頭減圧術が減っているようです。
会終了後、開業医の先生からお声をかけていただき、励ましをいただきました。
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