※付録 NIHSSスコア
NIHSSスコアを作ったLyden先生がNIHSSスコアについて書いています。
NIHSSスコアを評価すると、ときどき、
「これ、何点にすべきですか?」
なんて、看護師や、研修医から聞かれて、
「まぁ、1点と2点の間って感じかな?」
と、ぼかしたり、
「思うとおりに評価していいよ。それが、大切だ!」
と、妙に「お前を信頼しているぜ」感を醸し出したりして、
その場を切り抜けていました。
それも、間違いだとは思いませんが、「もっとスッキリしたい」とみんな思っていたのだと思います。
で、このもやもや感を少しでも解消できるかと思って、
Lyden et al. Stroke. 2017;48:513-519 Using the National Institutes of Health Stroke Scale
を読んでみましたが、
基本、NIHSSスコアが作られた歴史
的な話ばかりで、
スッキリせず。
期待がずれていたのは、こっちの問題です。
それでも、2つ再確認出来たことがありました。
NIHSSスコアを評価するときのルール
すべての項目で、Score what you see, not what you think
(診たものを評価する。検者が考えたものではない)
すべての項目で、Score the first response, not the best response, except item 9 best language
(最初の反応を評価する。ベストの反応ではない。でも、言語の評価はベストの反応で)
すべての項目で、Do not coach
(コーチしちゃだめ)
項目1aで、May be assessed casually while taking history
(会話している間に評価可能でしょう)
項目2で、Only assess horizontal gaze
(水平方向の眼球運動のみ評価)
項目5 and 6で、Count out loud and use your fingers to show the patient your count
(声を出して数字をカウントし、患者の前で指を折ってカウントすることもする)
個人的には、意識障害時に麻痺の評価をするときに、「検者が考えた」点数や、「ベストの反応」の点数をつけることがあるなぁと思っています。
改めます。
もう一つは、coma (昏睡)のときの点数。
Max 35-39
とのこと。
1a: 3
1b: 2
1c: 2
2: 0, 1, or 2
3: 0, 1, or 2
4: 3
5a: 4
5b: 4
6a: 4
6b: 4
7: 0
8: 2
9: 3
10: 2
11: 2
これまで、昏睡のとき、私は、
7 (失調)は0にしてましたが、8 (感覚)と11 (消去)もこれまで0にしてました。
これまで、わたしと一緒にNIHSSスコアの評価していた皆様、
すいません。私、違ってました。
1aが3の人って、なかなかいないですが、少数だからと言って、テキトーにしていいわけないので、以後、注意します。
次回は、
「看護師によるNIHSSスコア評価。問題ない?」
という内容の話をしようと思います。
時々、ブログを読ませていただいております。
返信削除一つ質問があります。
昏睡症例のNIHSS評価ですが、3の視野に関しては、これまで評価困難なときは3点をつけていました。よって、最高点は40点と考えていましたが、これは間違いですか?
コメントありがとうございます。
返信削除まず、最初に断っておかなければならないのですが、私は、「間違い」とか「正しい」とか言えるほど優れたドクターではなく、下層レベルのドクターなので、日々間違いながらやっているレベルです。
あっ、「間違い」って言ってしまった。
とにかく、間違いかどうかはわかりませんが、
視野において評価困難な場合3をつけると書いていますよね。
私が、これに気づいたのは、実は、最近です。
すいません。そのレベルです。
それを加味して計算するとマックス39点のようです。
今回の論文にも「35-39点」と書いていました。
いかがでしょうか?
読んでくださって、ありがとうございます。
問題があったら、また教えてください。