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11月, 2013の投稿を表示しています

心房細動患者。エドキサバン vs ワルファリン

この2年で、新規抗凝固薬3種類が使えるようになっていました。 ダビちゃん、ダビガトラン リバ子、リバーロキサバン アッピー、アピキサバン そして、来年から使えるようになる4番目の新規抗凝固薬。 江戸っ子きさ坊、エドキサバン。1日1回の薬。 今回は、New England Journal of Medicineに掲載された The Effective Anticoagulation with Factor Xa Next Generation in Atrial Fibrillation-Thrombolysis in Myocardial Infarction 48 (ENGAGE AF-TIMI 48) trial Giugliano et al. 2013 NEJM Edoxaban versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation を読んでみます。 でも気になるのは、この48という数字。 意識しているのか?世界的に人気があるというのか?AKB48 縁起がいい数字?48は。 参加国が48カ国、というところが「オチ」だろうと思って、数えてみると、 46カ国しかない・・・。 あー、気になる。誰か教えて下さい。 ちなみに、その46カ国のうちの、登録患者数 Top 10は、 1 アメリカ・・・・・・3907人 2 ポーランド・・・・・1278人 3 チェコ・・・・・・・1173人 4 ロシア・・・・・・・1151人 5 ウクライナ・・・・・1148人 6 アルゼンチン・・・・1059人 7 日本・・・・・・・・1019人 8 ドイツ・・・・・・・913人 9 カナダ・・・・・・・774人 10 ブラジル・・・・・707人 東ヨーロッパ色濃い研究ですね。 日本人もたくさん含まれています。 方法 2008年から2010年まで患者登録。 ランダム化、二重盲検、double-dummy エドキサバン60mg群 エドキサバン30mg群 ワルファリン群 対象 21歳以上 CHADS2 score >=2 ※CHADS2 score C: congestive heart failure(心不全の既往)1点

連携で紡ぐ医療

大学病院地域連携室主催で、地域の先生方、コメディカルスタッフ、ケアマネージャーの皆様方と、年末の懇親会がありました。 スタッフの皆様、お疲れ様でした。 ここ10年で医療は大きく変わりました。 在宅診療はそれに大きく貢献しています。 そこまで重症ではなくても、今までは入院が必要そうであった人を、在宅診療で見ることができるようになりました。 必要があれば、家で点滴治療、中心静脈カテーテル挿入、人工呼吸器管理、癌の疼痛管理などを行う緩和治療。 病院でしかできないと思っていたこと、実は家でもできる。 いろいろな側面があり、いい部分、悪い部分があると重います。 脳卒中後遺症がある患者さんも、自宅に帰ってきます。 歩くのに苦労する人は、性格によっては、他人からの働きかけがないと、外出などが億劫なので、閉じこもりがちです。 快活に過ごすためには、家族だけでなく、医師、看護師、ケアマネージャーなどが、チームを組んで、患者さんが社会に触れる機会を作らなければなりません。 脳卒中や癌には地域連携が必要不可欠です。 家で死を迎えることが十分に可能になったことも大きな変化だと思います。 (昔は自宅で死を迎えてる人が多かったので、昔に戻ったということかも知れません) 一度だけ、在宅で看取りをさせていただく機会がありました。 今まで、病院で患者さんをお見送りする機会はたくさんありました。 その時、医者は主役である感じがあります。 患者と家族が、医師の「ご臨終です」という言葉を聞いて、死の受け入れが始まる。 そればかりではないでしょうが。 在宅で看取りをさせていただくとき、主役は本人と家族で、医者は死亡確認する脇役、という感じでした。後は、ケアマネージャーや看護師がマネージメントや処置を施してくれます。もちろん家族とともに。 その時に至るまでに、家族はその人の死を受け止め、受け入れ、その起こりうる未来をイメージ出来ているように感じました。それを医師とも共有できている。 医師は、その時が来たことを告げるだけで、すべては流れの中にあるような印象をもったことを覚えています。 いいことばかりではないことは十分わかっています。 しか

症候性脳動脈狭窄にステント、No

症候性脳動脈狭窄に対するステント留置術の効果を検討したSAMMPRIS studyの最終結果が出ました。 やっぱり「No」でした。 この研究、実は、ステント留置+内科的リスク管理グループが、内科的リスク管理のみのグループよりも、あきらかに劣る「可能性が高い」ということで、早期終了という形で終わっていました。 「可能性が高い」 というのは、長期経過観察をされていな時点での結果だったから。 今回は、終了以降、長期に患者さんを経過観察した結果です。 長期的に観察しても、やはり、ステント留置+内科的リスク管理グループが内科的リスク管理グループよりも、結果が悪かったので、 やっぱり「No」 と言わざるを得ない。 多くの脳卒中診療医が残念に思っていると思います。 と、同時にしっかりリスク管理を行っていくことが、とても大切なことを再認識させられます。 The Stenting and Aggressive Medical Management for Preventing Recurrent stroke in Intracranial Stenosis (SAMMPRIS) Derdeyn et al. Lancet 2013 Aggressive medical treatment with or without stenting in high-risk patients with intracranial artery stenosis (SAMMPRIS): the final results of a randomised trial 対象は脳動脈70-99%狭窄がある、虚血性脳血管障害発症30日以内の患者。 狭窄部への ステント留置と強力な内科的リスク管理をするグループ (PTAS group) 強力な内科的リスク管理をするグループ (medical group) の2つにわけ、ステンと留置の有効性を探る研究です。 Primary Endpoint 研究登録後30日以内の脳血管障害、または死亡。 研究登録後30日以降の狭窄血管領域の脳梗塞。 再灌流療法(※)後30日以内の脳血管障害、または死亡。 ※内科的リスク管理グループへのステント留置、またはステント留置グループの再狭窄への血管内治療

さんかいめ♡

tPA静注療法1日3件。 正確には、日をまたいで24時間以内で。 発症から4.5時間以内しか、tPA静注療法できません。 さらに、早く投与すればするほど、治療効果は高い。 1分でも、1秒でも、速く。 ある先生がおっしゃっていましたが、 「ここの救急外来での脳卒中対応は、F1のピットインの様ですね」 脳卒中を専門にやっている病院は、ほかも同様だと思います。 今回は、今のところ皆さん良好な経過です。 tPA投与中に、完全右麻痺が消失(元通り)! 向かって左が投与前の脳血管。右が投与後の脳血管。 血管が完全に再開通しています。 tPA投与中に、左麻痺が改善。他の症状も改善。 血管の描出が改善しているのはわかりますでしょうか。 もうお一方も、症状が消失しました。 2012年9月から投与可能時間が3時間から4.5時間に延長されてから、tPA施行件数が増えています。 今年は11月9日現在で、42件 2012年は24件。 適応時間拡大だけではないかもしれません。他の、地域の要因があるかもしれません。 ダブルスコア、いくでしょうか? あと1ヶ月半。 救急外来ナース、救命病棟ナース、脳卒中病棟ナース、当直検査技師、脳外科の先生方 ありがとうございました。 開けない夜はない、でがんばりましたね。

図書館で脳卒中を学ぼう

と題して、本日、長崎市のサポートのもと、市民との勉強会を開かさせていただきました。 お話させていただくのは、我々、脳卒中診療医でなく、脳卒中専門看護師のお三方です。 脳卒中はチーム医療なので、診療において看護師の果たす役割はとても大きいです。 「今回は、私達がします」 と看護師が言ってくれたので、 よし、任せた。 我々は、最後に市民の皆様の質問に答えさせていただく、ということになりました。 場所は長崎市立図書館。 きれいなんです。 入ったことないですが。 どんな症状があったら病院に行くべきか、 などを話させていただいた、 ものと思います。 私は救急患者さんの来院で行けませんでした。 うーん、残念。 ということで、あまり的を得ないブログになってしまいました。 せっかくなので、脳卒中の三大症状について説明させていただこうと思います。 脳卒中の三大症状「ことば、かお、うで」 長崎弁は、 「〜ば」(〜を)、 とか 「〜(しよう)で」(〜しましょう) というので、覚えやすいと思います。 突然「ことば」が話しにくくなったり、理解できなくなったり 突然「かお」半分がゆがんだり、 突然「うで」の片方が上がりにくくなったり このようなときは脳卒中の可能性が高いので、すぐに救急車を呼びましょう。 「ことば、かお、うで」 よろしくお願いします。 これ、英語圏では、もちろん英語です。 「ACT FAST」 F: Face (顔) A: Arm (うで) S: Speech (ことば) T: Time (急ぎましょう) 日本では? 実は、一緒です。 ACT FASTなんです。 ご高齢の方にはちょっと厳しい。 長崎弁で良かった。 「ことば、かお、うで」 ちょっと、頭の片隅に。 本日の健康講座にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

嚥下障害患者さんに適した食事

脳血管障害を始めとした脳疾患や、咽頭後頭部の疾患で飲み込みが悪くなった人(嚥下障害)は、食事で失敗すると、気管内に食事や唾液などを誤嚥してしまい、誤嚥性肺炎を起こすリスクが有ります。最悪、気管に食塊がつまって、窒息死することも。 したがって、本人の飲み込みの状態に合わせて、食形態を調整します。 ここで問題。 次のうち、もっとも誤嚥しやすいのはどれでしょう。 1 おかゆ 2 味噌汁 3 カレー もちろん、場合によっては、どれでも誤嚥する可能性はあるのですが、われわれが、一番誤嚥しやすいと認識しているのは、 「味噌汁」 です。 汁と具の喉に来るタイミングが違うので、嚥下反射が落ちているとうまく対処できないわけです。 では、どんなものが一番飲み込みやすいかというと、 ゼリー状のもの です。 口の中でばらばらにならずに、喉の奥まで届きます。 水分がないので、飲み込み易い。 飲み込みの状態で、いいとこゼリー状のもの、となった場合、普通のゼリーを食べるわけでなく、食事をミキサーにかけて(多分)、ゼリー状に固めたものを食べてもらうことになります。 病院のゼリー食は頑張って、見た目を良くしようとしていますが、なかなか本物と比べると・・・。 ザク豆腐 みたいな感じです。 繊細な方は、味に難があることをおっしゃいます。 食べていただきたいけど、こまったなぁ。 ということが時々あります。 最近、在宅診療をしていて教えてもらったものがこれです。 普通の食事の形をしていますが、少し噛むとくずれて、飲み込みやすくなります。 かなり飲み込み能力が落ちている人が食べていて、驚きました。 ただ、単価が高い。 病院に入るといいのに。

新規抗凝固薬の研究会。諫早で。アブレーションの話も。

アピキサバンの研究会が諫早であり、前座で話をさせていただきました。 メインは京都大学医学部附属病院 循環器内科 静田聡先生。 心房細動に対するアブレーション治療を年間300件以上されていらっしゃるというエキスパート。 翌日も朝からアブレーションがあるということで、会終了後に福岡まで戻られました。 お忙しい中、ありがとうございました。 アブレーションの適応は、動悸という自覚症状があって、たくさん薬を使っても、それが改善されない心房細動。 発症1年以内。 「発症」の定義が曖昧ですが、おそらく動悸を自覚してからということだと思います。 そこを静田先生は5年はいける、と考えているそうです。 また、適応となる左房径は50-60mm以下だということは初めて知りました。 あまり左房が大きくなっていると再起不能。 心房細動の起源は肺静脈内心筋。 そこを隔離するために(電気刺激が伝播しないために)、肺静脈の出口を焼く(アブレーションする)。 肺静脈隔離アブレーション。 焼き過ぎたら、穴があく。 心タンポナーデ(心臓の表面に出血) 裏にある食道を損傷することもある。 7割5分はうまくいく。それ以外は不十分で再施行することがある。 アブレーション後の抗凝固は? コンセンサスは無さそう。 本人と相談だそうです。 アブレーションで焼いたところは傷になっているので、 やはり抗凝固薬は必要ではないでしょうか? 私の話は、「脳卒中診療医が直面する抗血栓薬の光と影」と題して話をさせていただきました。 「光」は、新規抗凝固薬への期待。特に安全面について。 それはワルファリンよりも出血が少ないということ。 「影」は心房細動患者が冠動脈ステント治療をした場合、抗血栓療法をどうするか?ということ。 抗血栓薬たくさんは出血のリスクが上がります。 例えば、ワーファリンと抗血小板薬1剤内服している人が脳出血を起こすと6割が死亡。8割が寝たきりになります。 これは当院のデータです。 脳卒中診療医は脳出血と脳梗塞のどちらもみるので、抗血栓薬の怖さを他の診療科の先生方よりは知っています。 我々脳卒中診療医が、この怖さを他の診療科の先生方にお伝えすべきだと思います。