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心房細動患者。エドキサバン vs ワルファリン

この2年で、新規抗凝固薬3種類が使えるようになっていました。

ダビちゃん、ダビガトラン
リバ子、リバーロキサバン
アッピー、アピキサバン

そして、来年から使えるようになる4番目の新規抗凝固薬。

江戸っ子きさ坊、エドキサバン。1日1回の薬。

今回は、New England Journal of Medicineに掲載された

The Effective Anticoagulation with Factor Xa Next Generation in Atrial Fibrillation-Thrombolysis in Myocardial Infarction 48 (ENGAGE AF-TIMI 48) trial
Giugliano et al. 2013 NEJM Edoxaban versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation

を読んでみます。

でも気になるのは、この48という数字。

意識しているのか?世界的に人気があるというのか?AKB48

縁起がいい数字?48は。

参加国が48カ国、というところが「オチ」だろうと思って、数えてみると、

46カ国しかない・・・。

あー、気になる。誰か教えて下さい。

ちなみに、その46カ国のうちの、登録患者数 Top 10は、

1 アメリカ・・・・・・3907人
2 ポーランド・・・・・1278人
3 チェコ・・・・・・・1173人
4 ロシア・・・・・・・1151人
5 ウクライナ・・・・・1148人
6 アルゼンチン・・・・1059人
7 日本・・・・・・・・1019人
8 ドイツ・・・・・・・913人
9 カナダ・・・・・・・774人
10 ブラジル・・・・・707人

東ヨーロッパ色濃い研究ですね。
日本人もたくさん含まれています。

方法
2008年から2010年まで患者登録。
ランダム化、二重盲検、double-dummy

エドキサバン60mg群
エドキサバン30mg群
ワルファリン群

対象
21歳以上
CHADS2 score >=2

※CHADS2 score
C: congestive heart failure(心不全の既往)1点
H: Hypertension(高血圧あり) 1点
A: Age>=75(75歳以上) 1点
D: Diabetes Mellitus(糖尿病あり) 1点
S: Stroke(脳梗塞の既往あり) 2点
以上を足したスコア。
スコアが高いほど、脳梗塞発症のリスクが高い。
(ちなみに、これまでの研究でCHADS2>=2を対象としたのはリバーロキサバンのROCKET-AF trial。CHADS2>=1を対象としたのは、ダビガトランのRE-LY trialとアピキサバンのARISTOTLE trial)

除外患者
クレアチニンクリアランス<30ml/min
抗血小板薬2剤使用
中等度から重度の僧帽弁狭窄症
他の疾患で抗凝固療法の適応がある
急性冠症候群
冠動脈再開通療法
30日以内の脳卒中
薬剤をちゃんと飲めないと判断した患者

ワーファリンはPT-INR 2.0-3.0が目標

エドキサバン60mg群も30mg群も、どちらも同様に半量投与基準があります。
クレアチニンクリアランス30-50ml/min
体重60kg未満
ベラパミルまたはキニジン使用
2010年12月からプロトコール変更があり、ドロネダロン内服患者も半量投与基準に含まれた経緯があります

つまり、
エドキサバン60mg群のなかに30mgの人達がいるということ。
エドキサバン30mg群の中に15mgの人達がいるということ。

これってどうなんでしょうか?
trickyで私にはわかりにくいです。

実際は30mg内服の人たちがとても多いということでしょうね。

The Primary efficacy end point (一次有効性エンドポイント)
虚血または出血性脳卒中、または全身塞栓症

The Principal safety end point(安全性エンドポイント)
重篤な出血

Key secondary composite end points (複合エンドポイント)
1 脳卒中、全身塞栓症、出血を含む心血管死
2 心筋梗塞、脳卒中、全身塞栓症、心血管死
3 脳卒中、全身塞栓症、あらゆる原因の死亡

Net clinical end point (有効性、安全性を総合的に判断する指標)
1 脳卒中、全身塞栓症、重篤な出血、死亡
2 機能予後不良の脳卒中、生命の危機に直面する出血、死亡
3 脳卒中、全身塞栓症、生命の危機に直面する出血、死亡

結果                                                                                                                            
21,105人が登録された。
1人だけ、データを追うことができずロストしてしまった。
投与期間2.8年

新規抗凝固薬の臨床研究として、最大かつ最長。

簡潔に言うと、
エドキサバンのワルファリンに対する非劣性は示すことが出来ましたが、優越性は示すことができませんでした。

The Primary efficacy end point (一次有効性エンドポイント)
虚血または出血性脳卒中、または全身塞栓症
エドキサバン60mg群 vs ワルファリン 
年間発現率 1.18% vs 1.50% (Hazard ratio[HR] 0.79, 95% confidence interval[CI] 0.63- 0.99, p<0.001 非劣性

エドキサバン30mg群 vs ワルファリン
年間発現率 1.61% vs 1.50%, HR 1.07, 95%CI 0.87-1.31, p=0.005 非劣性

The Principal safety end point(安全性エンドポイント)
重篤な出血
エドキサバン60mg群 vs ワルファリン
年間発現率 2.75% vs3.43% HR 0.80, 95%CI 0.71-0.91, p<0.001 優越性

エドキサバン30mg群 vs ワルファリン
年間発現率 1.61% vs 3.43%, HR 0.47, 95%CI 0.41-0.55, p<0.001 優越性


次は用量半減の人たちを調べてみました。

The Primary efficacy end point (一次有効性エンドポイント)
虚血または出血性脳卒中、または全身塞栓症
エドキサバン60mg群(実際は30mg) vs ワルファリン 
年間発現率 2.32% vs 2.68%

エドキサバン30mg群(実際は15mg) vs ワルファリン
年間発現率 3.14% vs 2.68%

The Principal safety end point(安全性エンドポイント)
重篤な出血
エドキサバン60mg群(実際は30mg) vs ワルファリン 
年間発現率 3.05% vs 4.85%, 有意に低下

エドキサバン30mg群(実際は15mg) vs ワルファリン
年間発現率 2.68% vs 4.85%, 有意に低下

虚血性脳卒中
エドキサバン60mg群 vs ワルファリン
年間発現率 1.25% vs 1.25% HR 1.00, 95%CI 0.83-1.19, p=0.97

エドキサバン30mg群 vs ワルファリン
年間発現率 1.77% vs 1.25%, HR 1.41, 95%CI 1.19-1.67, p<0.001 (エドキサバン負け)

出血性脳卒中
エドキサバン60mg群 vs ワルファリン
年間発現率 0.26% vs 0.47% HR 0.54, 95%CI 0.38-0.77, p<0.001

エドキサバン30mg群 vs ワルファリン
年間発現率 0.16% vs 0.47%, HR 0.33, 95%CI 0.22-0.50, p<0.001

Key secondary composite end points (複合エンドポイント)
脳卒中、全身塞栓症、出血を含む心血管死
ワルファリン 4.43%
vs
エドキサバン60mg 3.85% (P=0.005)
エドキサバン30mg 4.23% (P=0.32)

心血管死
ワルファリン 3.17%
vs
エドキサバン60mg 2.74% (P=0.013)
エドキサバン30mg 2.71% (P=0.008)

腸管出血
ワルファリン 1.23%
vs
エドキサバン60mg 1.51% (P=0.03)
エドキサバン30mg 0.82% (P<0.001)

Net clinical end point (有効性、安全性を総合的に判断する指標)
脳卒中、全身塞栓症、重篤な出血、死亡
ワルファリン 8.11%
vs
エドキサバン60mg 7.26% (P=0.003)
エドキサバン30mg 6.79% (P<0.001)

ワルファリンのコントロールが適正であった期間は68.4%でした。
ちなみに
RE-LY (64%)
ARISTOTLE (66%)
ROCKET-AF (58%)
RE-LYとARISTOTLEはワーファリン開始最初の1週間をTTR評価から除外している。
ROCKET-AFは最初の1週間も評価に入れいているので、低いのは仕方がない。

TTRが高い(ワルファリンが至適な値にコントロールされている期間が長い)ので、あまり虚血性脳卒中に対して優越性を示せなかったのかもしれません。

腸管出血が60mgで多く、30mg群で少ないのが気になりました。

非常に大切な結果ではあります。現実は、まぁこんなものでしょうか。

今後は、お偉い先生の話を聞きながら、自分の理解を深めていこうと思います。

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