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2月, 2013の投稿を表示しています

在宅歯科治療

本日,在宅往診の日. 患者さん宅に伺うと,今まで聞いたことない機械音. 患者さん,歯科治療中でした. いやー,時代は変わりました. 歯医者さんが自宅に来る時代. そして,実際,かなり熱い歯科治療でした. いいもの見させていただきました. なんか,私も脳卒中診療で頑張るぞー,という気持ちになりました. ありがとうございました. そして,私の患者さん. 見る人が見ればわかる,パーキンソン病の症状が結構進行している患者さん. 歯医者治療だから当たり前の,「ひーっ」って顔になっていました. やっぱり歯の治療は嫌ですもんね.普通. お疲れさまでした.

チョコレート三昧

ダークチョコレート少量6.3g(30kcal)毎日で血圧低下.収縮期血圧平均2.9mmHg, 拡張期血圧1.9mmHg.ちなみにホワイトチョコでは下がらず. JAMA 2007 チョコレート消費量が最も多い群は最も少ない群に比べて,全身血管疾患リスク37%低下,脳卒中リスク29%低下 BMJ 2011, meta-analysis チョコレートの消費量が多い(中央値62.9g/週)男性では,少ない(中央値0g/週)男性に比べて脳卒中のリスクが17%低い.スウェーデン人男性37,103人の10年追跡研究. Neurology 2012 脳卒中再発率19%低下. チョコレート摂取頻度高いほどBody mass index (BMI)低い.Arch Intern Med 2012 1週間に1回以上チョコレート摂取男性.糖尿病発症リスク35%低下.岐阜県高山市.British Journal of Nutrition 2010 チョコレートをたくさん食べる国ほどノーベル賞受賞者が多い? NEJM 2012 だからいいのです. 自慢じゃなくてよ. 医師は周囲に女性が多い職場なので,気を使っていただけるのです. ありがたや. ちなみに,好きなのはバームクーヘンです.

ルンバ、ルンバ、ルンバール

腰椎穿刺による髄液検査. ルンバール検査とも言います. Lumbar (腰の)から.かな. 研修医1年目,施行中. もちろん,見たこともないのに,研修医1年目にやらせているわけではありません. 神経内科研修でやったことがあるというので,指導医監視の元でやってもらっています. good jobでした. 仕事には誰でも初めてがある. 医師の仕事の初めては,患者さんにとっては,人によっては迷惑かも知れない. 失敗もします. もちろん,それを見越して,失敗しても大きな問題にならないことから始めます. 例えば,採血や点滴. いやー,患者さんに育ててもらいました. 今でも,覚えています. あの,何度やっても入らない,膠原病患者さんの血管. 私,主治医だし.今,一人だし. 冷汗. でも,患者さん, 「よかよ.私の血管難しかとやもんね」 増えていく,針を抜いた後の血液止めテープの数. 「すいません.ちょっと待っててくださいね」 と,先輩を探しに行く私.汗とため息と. さて,この患者さんの様に,脳卒中内科には脳卒中もどきも紹介されてきます. 脳卒中に似た脳神経疾患. だいたい,病歴(症状などの経過)を聞けば,脳卒中かそうでないかはわかります. この患者さんは脳卒中疑いで紹介されてきましたが,病歴と神経診察所見から脳卒中ではありませんでした. MRI画像は脳卒中に似ていなくもなかったですが,基本は病歴と神経診察所見です. 我々は基本的に神経内科に軸足を置いているので,基本的な診断,治療はカバーしてます. で,ルンバール. そして,治療です. 結局,ステロイドパルスですけど.

認知症と脳卒中

徘徊です。 私の患者さんが徘徊しています. 認知症の患者さんも脳卒中を起こします.当たり前. この方,症状が失語症だったのでまた大変です. 来院時は全失語だったのですが,tPA静注療法が施行され,症状が改善しつつあります. 全失語とは,話せないし,理解もできない.インプットもアウトプットもできない状態です. それが,改善していく過程で,ときどき「理解できない」に振れるときがあります. 「理解できない」 ということを理解することはとても難しいです. 自分がおかれている状況や言われていることが分かりません. そればかりでなく,「自分が何なのか」とか,そんなのもわからないので,もうそれは大変です. 想像できませんよね. そんな患者さんは,ベッド柵を「がたがた」揺らしたり,暴れたり,力のある方はさらに大変. 同意をいただいて,抑制することになりますが,それも影響して,さらに興奮してしまいます. 基本的には一時的(1,2日)なことですが,転んだりしないように,看護師も大変です. 看護師も,わかっているけど,叩かれたりすることもあります.相手は病人ですから,仕方ない,となります. 痛いけど. この方も,インプットが悪く,話す言葉はぐちゃぐちゃのジャルゴン失語状態. 徘徊に近づきすぎてついていくと,怒られました. 麻痺がなくてよかったです.歩けるから. 「認知症の対応って,難しい」と脳疾患以外を専門とされる先生は思っています. しかしながら認知症は,common diseaseです.高齢化社会,たくさんいらっしゃいます. 間違いのない対応をしたいものです. 私たちは脳卒中専門であり,脳神経をみる医師ですので,認知症の診療の仕方もある程度わかっています. 脳血管障害性認知症の方はたくさんいらっしゃいます. 先日,在宅診療をしていて,新しい医師や看護師には血圧も測らせない,という警戒心の強い認知症のご婦人がいらっしゃいました. 私は,最初にお会いしてすべての診察をさせていただきました. ・・・優越感. ま,優越感だけでなく,このご婦人にも診療も提供で

開業医の先生は大変だ

昨日は,県医師会救急医療研修会で,開業医の先生方や地域の中核病院の先生方に,恐れ多くも講演させていただきました. 14時から17時までぶっつづけ. 私の持ち時間は16時から17時までの1時間. もう,大変. 講習を受けないと,何かポイント的なものが足りなくなってしまうのでしょうか? 3時間もだまって人の話きくなんて,しかも自分の専門外の話で, もう,大変大変. 本当におつかれさまでした. 何か一つでも開業医の先生方の明日からの診療にプラスとなるような話を,と準備してきたつもりでしたが,どうだったかはわかりません. 脳卒中を認識する 脳卒中を予防する の二本立てで話をさせていただきました. 脳梗塞の急性期治療がどんどん進んでいる現在. 発症から治療までに行きつけるか,さらにどれだけ早くいきつけるか. それが重要です. 脳卒中をいかにちゃんと認識できるかが重要になります. 脳卒中が発症してから治療に至るまでの律側段階は,「発症して,家族が認識して,救急車を呼ぶ」という部分です.これを短くするには,脳卒中の症状を認識しなければなりません. 普通の人が. そこで,世界や日本では ACT FAST なんて言うのを使って啓蒙していますが,すぐにイメージできますか? F: Face 顔面半分が突然ゆがむ A: Arm 片腕が突然上がらなくなる S: Speech 言葉が突然話せなくなる,理解できなくなる T: Time 即救急車 高齢者の方が覚えられるとは到底思えない. 私が,推奨しているのは 「ことば,かお,うで」 長崎弁ならば続けて言うと言いやすい. 「琴ば,買おうで」 この3つの症状のうち1つでもあれば脳卒中の可能性が高いのですぐに救急車を呼んでください. という話をしています,という話をしました. 他にも,いろいろ. 「ことば,かお,うで」 ちゃんと広まるかなぁ.

病院工事中

郵便局が壊されました. お金が落ちていないか見に行きましたが, 工事中で入れませんでした. 追加. 記録に残しておくと,未来で意外と懐かしい.

血管内治療は増えています

先日の血管内治療。当脳卒中センターの研修医も参加して、脳外科と一緒に行いました。 って書きだそうと思ったら,今日もまたありました. うまくいきませんでしたが... 無念. 脳外科の呼び出されたH先生,ありがとうございました. 頭が下がります. 看護師と技師さんも素早い対応をしてくれて,今日は,脳血管撮影/治療の方針が決まってから,開始するまでの時間が結構早かった感じです. 救急外来がばたばたしていたので,久々,尿バルーン留置を自分でやりました. ふと,思いましたが,こんなこと,今の若い先生方はやったことあるのかなぁ. 他の職種の仕事も,少しやっておかないと,その大変さとかわからないですよね. 昔は,採血も,点滴も,外来検尿(めちゃくちゃ多い)もぜんぶ自分でやってました. よくないシステムなので,しなくてよくなった現在はとてもいいと思いますが,その分,若い人がそういうことをやらなくなって,いいのかどうか・・・. 「昔はよかった」論はよくないのですが,どうなんでしょ. 日本もアメリカと同じようになるのかな? 脱線しました. 脳血管内治療の話. ステントを使った血栓引き抜きが日本でもできるようになるのは,今年でしょうか?来年でしょうか? 今日は,まとまりがない話でした.

See ya! at ISC2014 in San Diego!!

ISC2013 in Hawaii が終わりました。 日本、韓国からいつもの2倍ぐらい発表があったという話でした。 アメリカ本土に比べれば、近いし、だってハワイだし。 でも、帰りは西海岸と時間的にあまり変わりないのがつらい。 さて、ISC2014はサンディエゴです。これまた、よかところらしかです。 日本の脳卒中野郎の皆さん、サンディエゴで会いましょう。 IMS 3 studyの結果がやっと出ました。 発症3時間以内 tPA静注単独(60分、つまりfull dose) vs 血管内治療+tPA静注(40分、つまり2/3の量) 両群の予後に有意差無し。 ただし、もともとstudy violation とみなしていた、「いろいろな器具を使って血管内治療しました」患者を入れると有意差が出ましたということでした。 私は残念ながら隣の会場にいたのですが、その話題のところでは「爆笑(失笑?)」だったそうです。すでにNew Engl J Medに掲載されています. Broderick et al NEJM 2013 Endovascular Therapy after Intravenous t-PA versus t-PA Alone for Stroke 亜鉛のキレート剤であるDP-b99は脳保護に有用と思われていましたが,phase 3 trialで人への有効性を示せませんでした. 平均投与時間が7時間ぐらいですので,もっと早ければいいのかもしれません. tPA投与前または同時 vs 1時間後 に日本の脳保護薬であるエダラボンを投与する研究である,日本のYAMATO studyの結果が楽しみです. たくさん登録できるように頑張ります. さて,来年はサンディエゴです.これまた,いい土地です. 今年も日本人の先生方が発表されていて刺激を受けました. 長崎の脳外科の先生も,ポスター発表のmoderatorになったり,oral presentationをしたり,とかっこよかったです. 日本人も世界の脳卒中guysと本当の意味で語り合えるように,協力して日本発のエビデンスを出していきたいなぁを思いました. そのためには若い世代が引っ張っていかないといけないなぁと強く思った次第でありました.

International Stroke Conference 2013 in Hawaii 1st day

脳梗塞急性期血管内治療は現在ステントによる血栓回収システムが花盛りです。 数回前にも話題にあげましたが、一時代を築いたMerci retrieverは、あっという間に後進に道を譲りました。欧米では。 中田英寿みたいです。 日本では、まだ入っていませんが、しばらくすると使えるようになるでしょう。 さて、今回朝からのセッションで血管内治療の話がありました。 復習みたいな感じでした。 SolitaireはMerciより再開通に要する時間が速い。 TREVOはMerciと変わらない。 ということでしたが、市場流通後の調査では、SolitaireもTREVOもかわりないようでした(ポスター発表にて)。 SolitaireもTREVOもあまり変わりないようです。 現在、新しいデバイスを使った研究がなされているようです。 近位側の間口が広くて、血栓をキャッチしやすく、遠位側のセル(ステントの網目)は小さめで、血栓を逃さない。 ReVive SE device Solitaireとの比較だったと思います。 今年目立ったのが、急性期治療中後の管理に注目した発表というかコメントが少しずつ出てきたこと。 治療後の管理の重要性や、挿管することがいいかどうかということ、デクスメデトミジンはいいかもということ、など。 急性機の治療、アグレッシブな治療の話題は現状で頭打ちかもしれません。 今日良かったことは、九州や関東の脳卒中をやっている先生方と話ができたこと。 日本初の熱いエビデンスを日本で束になって出したいものです。

International Stroke Conference 2013 in Hawaii

2013年の国際脳卒中学会はハワイです。 いつもはアメリカ本土の幾つかの都市で、持ち回りでやっていますが、今年は何故かハワイです。 雨季で、夜は多少肌寒いですが、常夏です。 もう、この学会がハワイであることはしばらくないでしょう。 ということで、 前日はワイキキビーチでゆっくりしました。

Time is brain

血流がない脳組織は・・・, 毎分1900万の神経細胞が死んじゃう ➡そこには1億4千万の神経がくっついていて ➡7.5マイル(12kmぐらい)の神経線維が影響を受ける とRussman先生が言っています. なんとなく,やばい感じは伝わりますが,イメージできるようなできないような. このRussman先生はCleveland Clinic,Cerebrovascular Centerって所属がなっていらっしゃいますが,お会いしたことないので,新しい先生ですかね.偉い先生みたいですが. 大事なのは,「血流障害による脳障害を防ぐには・・・急げ!」ってことです. ということで,American Stroke Associationから最新の急性期脳梗塞治療ガイドラインが出されました. Guidelines for the Early Management of Patients with Acute Ischemic Stroke そのトピックは, 1 tPA静注療法は来院して60分以内にできるようにしなければならない. 2 以前は施行できなかった,軽症脳梗塞(NIHSS score 2とか),急激な改善,最近の大手術,最近の虚血性心疾患のある患者にもtPA静注療法を行ってよい. 3 地域で治療すること --comprehensive stroke center: 24時間365日対応.何でもできる --primary stroke center:24時間365日対応.脳梗塞に対する対応はできる. --acute stroke-ready hospital:ある程度のことはできる. 3はアメリカ的な話だと私は思います.日本には直接当てはまらない. アメリカは土地が広いので,脳卒中を完全にすべて治療できる病院までたどり着くのに,相当な時間がかかります. したがって,地域の病院にかかって,tPAを投与して,転送して,血管内治療.という形が理にかなっています. 実際,Cleveland Clinicではそんな患者さんがたくさんいらっしゃいました. telestroke(地域の病院に来院した患者を,専門の病院の先生がon-lineで診察して,画像も確認して,治療(主にtPA投与)を決める)はそれを補