徘徊です。
私の患者さんが徘徊しています.
認知症の患者さんも脳卒中を起こします.当たり前.
この方,症状が失語症だったのでまた大変です.
来院時は全失語だったのですが,tPA静注療法が施行され,症状が改善しつつあります.
全失語とは,話せないし,理解もできない.インプットもアウトプットもできない状態です.
それが,改善していく過程で,ときどき「理解できない」に振れるときがあります.
「理解できない」
ということを理解することはとても難しいです.
自分がおかれている状況や言われていることが分かりません.
そればかりでなく,「自分が何なのか」とか,そんなのもわからないので,もうそれは大変です.
想像できませんよね.
そんな患者さんは,ベッド柵を「がたがた」揺らしたり,暴れたり,力のある方はさらに大変.
同意をいただいて,抑制することになりますが,それも影響して,さらに興奮してしまいます.
基本的には一時的(1,2日)なことですが,転んだりしないように,看護師も大変です.
看護師も,わかっているけど,叩かれたりすることもあります.相手は病人ですから,仕方ない,となります.
痛いけど.
この方も,インプットが悪く,話す言葉はぐちゃぐちゃのジャルゴン失語状態.
徘徊に近づきすぎてついていくと,怒られました.
麻痺がなくてよかったです.歩けるから.
「認知症の対応って,難しい」と脳疾患以外を専門とされる先生は思っています.
しかしながら認知症は,common diseaseです.高齢化社会,たくさんいらっしゃいます.
間違いのない対応をしたいものです.
私たちは脳卒中専門であり,脳神経をみる医師ですので,認知症の診療の仕方もある程度わかっています.
脳血管障害性認知症の方はたくさんいらっしゃいます.
先日,在宅診療をしていて,新しい医師や看護師には血圧も測らせない,という警戒心の強い認知症のご婦人がいらっしゃいました.
私は,最初にお会いしてすべての診察をさせていただきました.
・・・優越感.
ま,優越感だけでなく,このご婦人にも診療も提供できるので,いいことです.
脳血管の急性期診療をしながら,認知症もカバーすることができる.
脳卒中診療のいいところ.
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