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7月, 2013の投稿を表示しています

脳卒中モーニングラウンド

脳卒中ケアユニットに入院している患者さんを中心に、入院後間もない患者さんや状態が不安定な患者さんを脳卒中センタースタッフ3人と研修医2人でラウンドしています。 7時30分からの脳卒中モーニングカンファレンスの後。 毎朝。 そして、13時30分から、脳卒中センター入院中の患者さん全員のチャートカンファレンスとラウンド。 毎日。 みんなで毎日毎日、考え方や思いを共有することでチーム全体のレベルアップにつながると考えています。 しかも速く. 研修医の指導にも,今のわれわれのスタッフが少ない現状では,ベターなやり方だと思っています. 実は,この毎日チャートカンファランスとラウンドは,クリーブランドクリニックの真似です. 朝から夕方まで,平日は毎日やっていました. アカデミックなディスカッションは,チャートカンファランスでやっていました.そこは,さすがアメリカって感じで,若い病棟医が,論文を引き合いに出して,指導するスタッフドクターとディスカッションしていました. この雰囲気がとてもいいなぁと思いました. 一方日本では,それぞれの主治医である若い医師と,その指導医が一緒に診療するのですが,基本的には,若い医師だけが毎日患者さんのところにいく,という感じです. これだと,診療のスピードが落ちる可能性があります. 方針決定に時間がかかるから. 若い医師が,いろいろ自分で調べて,指導医に相談する. 自分で調べるのは当たり前ですが,時間制限なく調べると,時間がかかります. 当たり前ですが. 治療方針に大きな問題はないかもしれませんが(あるかもしれませんが),入院期間をどんどん短くしないといけない昨今, みんなで,さっと方針を決めて(考える時間も与えて),びしっと治療して, の方が,良質なスピード感で診療できるような気がします(擬音語でごまかした感がありますが). ということで,これからも続けます. ちなみに,クリーブランドクリニックではスタッフドクターが5,6人いたので,1人のスタッフドクターが1週間ラウンドを担当すると,1ヶ月ちょっとは,病棟に出ずに,デスクワークや,手術などに専念することができる点が,日本

第39回神経専門医二次試験、受けました。

去年,二次試験に落ちていたので,2回目です. 意外と貴重な体験. かも. 行き帰りで5万円ぐらいかかりますが. まず、当日試験官をされた、全国の著名な先生方、また患者役をされていた方々、朝から夕方まで、ぼんくらの私や、神経内科医を目指す若人たちの相手をしてくださり、誠にありがとうございました。 先生方の質問に、スパーン、スパーンと答えられず、すいませんでした。 それなのに、最近の知見を教えていただき、明日からの診療の糧になる情報も教えていただきました。 二次試験を二度受けて思ったのは、疾患の本質を捉え診療しなければならない、ということでした。 病因や病態について、いくつか質問をいただきましたが、答えに窮することがありました。 いかに、日常、気をつけてはいても、けいれん発作的な診療(「この」症状があるから「この」薬。など)しているかを自覚しました。 試験は20分ずつ、2室に別れて面接があります。 まずは,模擬患者さんがいて,診察をするというところから開始です. 両足の裏の感覚障害を訴える患者さんの問診から診察をしなさい(ちょっと聞かれ方が違いましたが正確に覚えていないので). ということから開始. 模擬患者さんに問いかけると,試験管の先生がお答えになるという,少しシュールな感じ. 限られた時間で,どこまでやるべきか,頭でぐるぐる考えながら. 模擬患者さんは,おそらく,その疾患通りの症状を呈する様には指導されていないような気がしました. 感覚の左右差などをいくら聞いても,所見なし. 所見なくてもいいのですが,あくまで模擬患者と考えとかないと, 「なんで?なんで??」 で焦っちゃいそうです. 去年は,「脳卒中診療の経歴が長いようですので,脳卒中の意識障害を鑑別してください」 という,やさしさあふれる質問をいただいたですが,これって,意外とむずかしい. 模擬患者さんは,こちらの質問にすべて,頷きで答える. 「意識,いいじゃーん・・・.どういうこと??」 で,頭が混乱した記憶があります. 所詮,模擬患者さんの皆さんは,医師ではないようですので,試験管の先生の指示に従って症状を表現すること

研修医、経食道心エコーす。

脳梗塞でご入院された患者さんの約6割で施行しております. 経食道心エコー. 胃カメラと同じ要領で行います.先端が「カメラ」なのか「超音波」なのか,の違い. 研修医には,簡単なことからやってもらっています. もちろん,いきなり,最初から最後まで完遂してもらうわけありません. 研修医の先生に知って欲しいなぁ,と思っていること. 医療は医師だけで行っているわけではないこと.一人ですべてができるわけではないこと. そういうことも,一つの検査を通じて学んでほしいと思っています. 大学病院だからこそ,そういうことができます. すくなくとも私たちが行う,経食道心エコーには看護師もいなければ,検査技師さんもいません.医師だけです. 検査の準備,ベッドへの移乗介助,声かけ,そして片づけ. すべて自分たちでやらなければなりません. ほとんどの市中病院では,上げ膳据え膳で, 「さ,先生,どうぞ!」 「おつかれさまでした.後はよろしく」 って感じで,終わります. その方がいいことも多いでしょう. でも,研修医が最初からそれを経験すると勘違いしてしまう. 「この検査が,”自分で”できる」 学んだのは検査の技術. まぁ,それでもいいのかもしれません. 少なくともアメリカでは,エコー検査なんて自分でしないし,日本だけのことかもしれません. 私の個人的な意見. 検査の準備,片づけをふくめてすべてやっていると,次の病院で,検査技師さんや看護師さんのサポートのありがたさが,とてもよくわかるし,どうセッティングすればやりやすいかもわかる. 患者さんの送り迎えをしながら,話をして,検査の大変さや,もっと患者さんにとって楽にするには,どうすればいいかの“気付き”, 等があると思います. 人として育つんじゃなかろうか. 検査自体も,よりよくなっていくと思います. 偉そう,だす.すいません. 昔話. 研修医1年目の時,緊急内視鏡で呼ばれてました. 治療後の内視鏡の洗浄ために. 「自分で洗えよ」って,心の中で叫んでいましたが,私が治療できるわけではないので,仕方ないなぁとも思ってました. 今は,内視鏡を洗ってくださる専門の方がいらっしゃいます. ありがたや~.

七夕

今日は七夕。 空は曇り。 皆さんは願い事してますか? 病院の短冊には、 「妻の病気が良くなりますように」 「歩けるようになりたい」 。 先日、川崎医科大学付属病院の木村教授が、1800年代に松山藩の藩政改革を行った山田方谷の話をされました。 改革は大きく成功したのですが、その改革の根底の思想はいたってシンプルでありながら強いものだったと教えていただきました。 「松山藩領民のために」 私たち医師も、「患者のために」という当たり前のことを、ちゃんとやっていく。 短冊に書かれた願い事。 どれだけ叶えることができるのでしょうか。 ちなみに、私の今年の願い事は 「パン屋さんになりたい」 作ったことないけど。

倉敷で講演。と、川崎医科大学脳卒中医学教室同門会。

本日は急性期抗凝固療法の全国研究の講演会の後に、川崎医科大学脳卒中医学教室同門会が執り行われました。 登録患者数が、全国2位(1位は主催病院の川崎医科大学付属病院)ということで、講演をさせていただきました。 ありがとうございました。 レオナルドダビンチの絵画にこじつけて脳卒中診療の話を展開したのは、我ながら、 面白かったのかどうかわかりません。 小手先の技であった感は否めず、反省というか、今のレベルでは仕方ない。と開き直り。 ただ、木村教授、井口教授の前で話をさせていただいたことは、私の脳卒中医人生で大きな意味のあるイベントであったことは間違いありません。 全国研究の講演会の後は、同門会がありました。脳卒中医学教室として、まだ6年目でありますが、論文をはじめとした、多くの成果を出し、更に、一人の教授を排出した、その勢いには畏怖を抱くほど。私がその一員だったのが、本当だったかどうか、自分でも記憶があやしい。 特別講演は岡山東部脳神経外科の滝澤先生のお話を賜りました。 CT誘導定位脳手術を日本で初めて導入した方で、滝沢式定位脳手術、さらに進化版のニューロサットを作った先生でありました。 講演の最後でおっしゃった言葉の一部。 時間的、肉体的、精神的に苦労しただけ自分の糧になる。 環境や立場を逆境と考えずチャンスと思いましょう。 常に日々満足しないで、新しいアイデアを出しましょう。 私の心にremindをかけていただきました。 ありがとうございました。 懇親会。 当時の同期であった先生(四十うん歳)、とうとう結婚したということを聞いて、ものすごく、幸せな気分になれた一日でありました。 とても。 岡山日帰り。帰路の途中。かもめの中で。

リバーロキサバンは急性冠症候群に・・・

ヨーロッパでは○. アメリカでは×. 日本では・・・・,どうなるんでしょう. 急性冠症候群(ST上昇型心筋梗塞,非ST上昇型心筋梗塞,不安定狭心症)の患者さんに対して,ステント治療を行い,抗血小板薬2剤(アスピリン,チエノピリジン系)の投与を行うことは一般的な方針です. そこに,新規抗凝固薬であるリバーロキサバンを追加処方することは,是か非かということが最近話題になっています. (※リバーロキサバンは非弁膜症性心房細動の塞栓症発症予防に対して使用される薬です.) この検討を行った,ATLAS ACS TIMI 51 trialの結果をもとに,ヨーロッパでは2013年3月に,リバーロキサバン2.5mg1日2回処方ができるようになりました. しかし,アメリカでは同じtrialをもとに,US Food and Drug Administration: FDAはリバーロキサバンの急性冠症候群への適応拡大を認めませんでした. 同じ研究なのに解釈の問題で180度違う方針になっています. 興味深いです. Mega et al. NEJM 2013 Rivaroxaban in patients with a recent acute coronary syndrome. 方法: 二重盲検,プラセボコントロール試験 リバーロキサバン2.5mg1日2回 vs リバーロキサバン5mg1日2回 vs プラセボ(偽薬) 一次エンドポイント:心血管死,心筋梗塞,脳卒中 二次エンドポイント:あらゆる原因の死亡,心筋梗塞,脳卒中,ステント血栓症 安全性エンドポイント:TIMI major bleeding (CABGに関連しない),TIMI minor bleeding,治療が必要なTIMI bleeding,頭蓋内出血,致命的出血 ※TIMI major bleeding: 頭蓋内出血または重大な出血の徴候があり,Hbが5g/dl以下低下する,またはHctが15%以上下がる出血. 結果: リバーロキサバン(2.5mgと5mgと合わせて)は一次エンドポイントで,有意に効果あり. 8.9% vs 10.7% (hazard ratio 0.84; 95%信頼区間 0.74 - 0.96; p=0.008) ステント血