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5月, 2012の投稿を表示しています

あとは待つのみ.

論文をJournal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatryに提出しました. 後は,受け付けてもらえるか. 駄目もとで出したので,ちょっとでも引っ掛かればOKです. なぜなら採択率9%だから. つぎは,雑誌からの返答を待ちます.返答のタイプにはいくつかあります. 1 acceptance 2 minor revise 3 major revise 4 rejection acceptanceはもちろんOKですが,これはほぼありません.いや,ときどきあるのかな?私は知りません.素晴らしい論文は一発OKなのかもしれません. 2 minor reviseは少しの変更を査読者から求められます.大きく変更がなければ,何度かのやり取りでacceptanceにたどり着くことができます. 3 major reviseは大きな変更を求めてきます.変更できなければもちろんrejectionになりますし,また,著者の意に沿わない変更を求められた場合は,著者からお断りすることもあります. 4 rejectionはもちろんダメってことです. 返事を待つ期間も雑誌のレベルによって様々です.数日で帰ってくる(この場合,rejectがほとんどです)ところもあれば,1か月待たされるところもあります. この雑誌は13日間だそうです. 待つ期間も,ドキドキで,まぁまぁ楽しい期間です. ルパンも,富士子も,五右衛門もいないなんて・・・・.

論文投稿途中

  論文投稿します. 無謀にも,Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatryです. Impact factor 4.791です. ただし,submissionするのは無料なので,どこでもいいんです. 掲載されればもうけもの. まだ,雑誌掲載が認められたわけではありません. まだまだ序の口です. submissionするために,準備が必要です. 論文の本文はもちろん,cover letterといって,雑誌に掲載してほしいのでよろしく,という内容の手紙を準備します. 論文に付随する提出画像がありますが,これをきれいに整えるのは結構面倒です. cover letter 論文本文 提出画像 をそろえて,インターネットでsubmissionします. ですが実は,まだsubmission途中です. 雑誌によっては,「自分の論文をチェックしてほしい人を教えてくれ」と言われます. それぞれの雑誌に提出された論文をチェックする「査読者」なる方々がいらっしゃいます. 基本的に,その中から選ぶわけですが,ここで,困って,止まっちゃいました. 誰に査読してもらおう・・・. 基本,自分の論文で引用している方が,いいのでしょうが,捜したところ,査読者のなかにいませんでした. また,明日考えます.

洞調律心不全にはワーファリンかアスピリンか。

洞調律(これ大切)の心不全患者にはワーファリンを使った方がいいのか、それともアスピリンでいいのか。 ということを2002年から2010年の間に2300人ぐらいの患者さんを登録してしらべています。 New England Journal of Medicine May 17, 2012から http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1202299 研究デザイン:多施設共同二重盲検(ワーファリン群は本物ワーファリン+偽物アスピリン,アスピリン群は本物アスピリンと偽物ワーファリン) 11カ国168施設.残念ながら日本は入っていないですね. 対象:18歳以上の洞調律心不全患者(左室収縮率(EF)35 %未満) 非対象患者は,心房細動,機械弁,心内血栓あり,の患者 1次エンドポイント:虚血性脳血管障害,脳内出血,死亡 2次エンドポイント:心筋梗塞,心不全入院 ちなみに,目標PT-INRは2.75 (2.0-3.5). 重度の出血の定義は,脳内出血,硬膜外・下・くも膜下出血,脊髄硬膜内出血,網膜出血,ヘモグロビンが2g/dl下がる出血,輸血2単位以上必要な出血 結果: だいたいそれぞれの群1100人ずつぐらい. PT-INR 2.0-3.5を達成できたのは62.6%.2.0を下回っていたのは27.1%,3.5を上回っていたのは10.3%. 1次エンドポイントについては差なし ワーファリン群:7.47/100人・年 アスピリン群:7.93/100人・年(p=0.40) でも経過をみていくと4年目ぐらいから,少しワーファリン群の方が良くなってきます.(p=0.046) 虚血性脳血管障害についてみるとワーファリン群がいい ワーファリン群:0.72/100人・年 アスピリン群:1.36/100人・年(p=0.005) 重度の出血はワーファリン群に多い ワーファリン群:1.78/100人・年 アスピリン群:0.87/100人・年(p<0.001) 考察: 洞調律の心不全患者において,ワーファリンとアスピリンどちらを使うかであまり虚血性出血性脳卒中,死亡に差はないけど,やはりワーファリンは心臓の動きが悪い患者さんの虚血性脳血管障害を減らし,出血を増やすとい

いざ,論文投稿と思ったら.

論文がこの雑誌に掲載されることが決まったら,掲載料US$1945って,そんなアホな. 今$1=\80と考えると, 155,600円!!. 私がまちがっているのかなってくらい,高い. 他の雑誌は,これの半分を少し超えるくらいです. 意外と高いですよね. 安いと思う人もいるのかな? しかし,15万円はあまりにも高いので,他の雑誌に投稿するようにします. 雑誌ごとの投稿規定がありますので,内容を少し変更する必要があります. まずは,本文のボリュームを減らします.

ドクターカーのこと

長崎大学病院は,ドクターカーの運用を開始しました. 救命救急センターのスタッフが日中に乗車しています. 私? 乗車するわけないじゃないですか.恐ろしくて. 「今日は,人がいないから乗ってくれ」なんて,もし,万が一,言われた. 「下痢で乗れません」って言います.むしろ,怖くて下痢になりそうです. 細かい,運用状況とかは専門のスタッフじゃないのでわかりませんが,いまのところ順調そうです. 患者救命のため,というところは当たり前で,少し違った側面を考えてみたいと思います. それは,宣伝効果です. 院外と院内において宣伝効果がありそうです. 院外においては,走っていくドクターカーを見て,もしくは救命処置をしている現場をみて,市民や県民の皆さんが,「長崎では,大学病院も救急活動をしているのか」と認識していただけるでしょう. でも,一般の人はあまりきづかないですよね. 私は,救命処置をしている救急隊員を,院外で見たことはありません. 自宅で,毛布にくるまれて運ばれることは経験しましたが. それよりも院内における宣伝効果が,意外と大きいのではないか?と思っています. ドクターカー出動の要請があった時,院内に一斉放送されます. それを聞く人の数,入院患者700人ぐらい,外来患者もっとたくさん,病院スタッフたくさん. こういう宣伝効果はじわじわ効いて,いろいろいいことあるのではなかろうかと思っています.上層部はそこまで考えているのでしょう.きっと. ただ,実際どんな活動をしているのか,院内ニュースなんかをテレビ放映するといいかもですね.病院のテレビで. 「龍馬」ねぇ・・・.

脳卒中回診

毎日13時30分からカルテで,データや画像,そのほかの情報をチェックし,その後回診をします. これ,結構大変ですが,とても重要であると,私たちは考えています. 難点は,毎日午後に時間が空いているわけではないこと. その時は,仕方ない.来れる人だけでやります. 良い点は 1 みんなで情報の共有ができる. 2 研修医や修練医のフォローができる. 3 患者,その家族にみんなで見ている印象を与える. みんなで一人の患者の情報を共有できるので勉強になります.主治医不在時に何かあった時に,対処しやすいです. また,検査忘れがおきにくくなります.脳梗塞急性期は,検査のオンパレードです.MRI,CT,血管造影,超音波・・・・.意外と忘れることがあります. 例えば,脳梗塞患者は癌の合併が一般人口より多いことが知られています.ですので,当科ではルーチンで便潜血検査を行っていますが,まぁ便は毎日でると決まったものではないので,忘れがちな検査の一つです.それを,「便潜血は・・・・」とカンファで確認します. 研修医のカルテをチェックする時間を持てます.研修医や修練医が,診療のどの部分に困っているのかを探ることができます. この点は,もう少し今後改善したいところです.もっと,いい指導ができるはず. そして,患者の元をみんなで訪れることにより,主治医以外が訪れても,患者さんに不信感を与えずに診療ができますし,もしその時家族がいれば,簡単な説明ができるので,家族の聞きたい希望にこたえることができます. このポイントを結構重要視しています. これは,アメリカのクリーブランドクリニックでの診療スタイルです. 朝から夕方までやっています.もちろん昼休みをはさんで. 意外と,アメリカもしっかりやっています. 今は,3人だけですが.

今日のNo2とNo3

本日の脳卒中センタースタッフは、私と、研修医(No.2)と学生(No.3)です。 やれんのかっ! もちろん脳外科医の仲間はたくさんいますので、 やれますとも。 本日、私は午前中外来で、そして、午前中急患が来院されて、ややてんやわんやでした。 実際、市中病院で一人医長をはっていらっしゃる先生方は、どうやって日々を乗り越えているんでしょうか。 外来やって、急患をみて、病棟をみて。 不思議。 想像がつきません。   学生、失語評価をするの巻。 診察にのめりこみすぎて、患者さんにぶつかってしまいそう。 いい感じです。 脳卒中は救急の現場だけでなく、その後も大切です。 急性期の現場で、脳卒中に罹患した人のその後の人生を想像して、対応できるような脳卒中内科医になりたいものです。

KEIMO in USA

啓蒙 in アメリカ. この怪しげなキャラクターが教えてくれます. 脳卒中の症状と,すぐに911に電話!ということを. やっぱりアメリカすごい.このキャラクターでOK! いける!! ってなるんです. 青い脳みそむき出しです. ただし,ちゃんとした論文になっています. http://stroke.ahajournals.org/content/43/1/163.long 対象は9歳から12歳の子供を持つ親.漫画やアニメ等を使って脳卒中の症状を覚えておくことができるか,すぐに911と理解できたかを調べました. 対象:9歳から12歳の子供を持つ親. 方法:ニューヨークの2つの学校で,3日間1時間ずつ,脳卒中の話. Hip Hop 調で.有名なアーティスト(誰か知らないですが)がHip Hop songを書き上げました.だと. Hip Hop TO-GO kitsで宅勉も可能. 前後で,脳卒中の主症状 ACT-FASTのFASTを答えることができるか? 突然の F: face顔面麻痺 A: arm腕の脱力 S: speech言葉の問題 T: timeこれらが一つでもあったらcall 911) さらに,追加で 1 ろれつが回らない,言葉が出ない 2 視力低下,視力消失 3 体のバランスが取れなくなる 4 理由のない強い頭痛 5 顔面半分の麻痺 をそれぞれ答えることができるか? もうひとつ. 胸痛は脳卒中症状じゃないと言えるか. 教育前と教育1週間後に比べました. 結果:71人の親が前後どちらも回答しました. 前:5つの症状,胸痛は違う,すぐに911と答えることができたのはたったの3人(3.9%) 後:21人に増加(30%). 前:FASTを完全回答 2人(2.7%) 後:29人(41%) 子供を通して,親に教育する取り組みはおもしろいけど,たった1週間後じゃ,覚えてて当然のような気がします. むしろ,30%~40%の正答率って低いかも・・・.

第8回脳卒中市民公開講座

本日は脳卒中市民公開講座でした. 230人ぐらいの市民の方にお集まりいただきました. ありがとうございました. 共催は,脳卒中協会長崎支部,長崎脳卒中者「鶴の会」,長崎だ学病院脳神経外科,田辺三菱製薬. 後援は,長崎県,長崎市,長崎県医師会,長崎市医師会,長崎県薬剤師会,長崎市薬剤師会,長崎新聞社,長崎大学病院. 私からは,高血圧と塩分の話させていただきました.塩分制限だけでは血圧が下がりにくい人は,もう少し視野を広げて食生活を考えましょう. 当たり前ですが,野菜中心の食事へ.野菜をとることで血圧が落ち着いていくことがあります. 脳卒中の3症状を簡潔に. 突然,言葉の問題が出たり,顔半分がゆがんだり,腕が上がらなくなった時は,脳卒中の可能性が高いので,救急車を呼びましょう. 「コトバ・カオ・ウデ・脳卒中,119!」 脳外科林先生からは,脳卒中の現状と医師の偏在の話を聞きました.長崎は,脳外科医が多いけど,開業されていらっしゃる先生とか,中規模病院が多いとかの問題があります. アメリカとかドイツよりかなり少ないということを改めて数字で見せられると,げんなりします. 確かに,アメリカの医者は多かったです. 言うても,開業している家庭医の数がそこまで多くなかったですので,大病院に医師が集中していました. 後は,MERCI retrieverとかPenumbra systemとか脳梗塞急性期再開通治療(カテーテル治療)の話を聞きました. 大学病院9階東看護師高橋さんからは,家でできる嚥下リハの話を中心に話していただきました. 確かに,脳卒中後だけでなくとも,嚥下に不安をもつ方,もしくはそのような方と一緒に住んでいらっしゃる方にとって面白かったと思います. 唾液腺マッサージしよう. 長崎北病院理学療法士の武藤(ぶとう)さんからは,新しいリハビリについて. 気合入れて,この講座に参加した方がほとんどなので,なかなか難しいなぁと思いました. リラックスして,気楽に脳卒中後の生活を送ってほしいのですが. こちらと,聞きにきたかたの温度差を感じました. 来年は,脳卒中予防料理レシピとかどうかなl.

閉所恐怖症とMRI

今日は閉所恐怖症の方のMRI検査. どんな気持ちになるか知らないですけど,恐怖症というくらいなので,恐怖なんでしょう. 確かに,MRIの機械は狭いし,音もうるさいので,嫌な気分になりそうなのは,わかるかな. そんな閉所恐怖症の人でもMRIと撮影しなければならないことはあります. 正直,この方.撮らなくていいかなぁ,と思っていたのですが,「他の病院で,眠らせてもらって撮れたから,大学でもお願いします」なんて言われて. これもまた,結構大変です. つきっきりになるから. 実際,今日は45分つきっきりでした. かなり大きな船をこぎながら,酸素飽和度と本人の胸の動きを診ながら,45分間つきっきりでした. さて,この閉所恐怖症の方や,急患で若干暴れ気味(めちゃくちゃ暴れている人は無理ですが)の人できれいなMRI画像を得るために,有効なことはなんだと思いますか? ・・・ それは,手を握ってあげることです.手を握って,体を触って「大丈夫ですよー」って声をかけてあげることです. だと思っています.主観です. 実際,この患者さんは,途中から鎮静が切れて眠れていませんでしたが,私の手を握って,そのまま検査終了. 45分間. 外にそのまま出かければ,ちょっとしたデートです. 救急患者さんで検査中動く方にも,手を握ったり,足をさすったりしてあげると,少なくとも何もしないよりいい画像が撮れます. 研究するか? 「救急患者のMRI検査できれいな画像を得る方法」 手握り群と放置群 8割冗談. この方,面白アイデアを普通にやっていました. 「マスクください」っていうので,マスクを渡したら,おもむろに「アイマスク」にしていました.ありって言えば,あり,なアイデア.

英文校正が帰ってきた

約1週間で,依頼した英文校正が帰ってきました. 当初の予定通りです. 実際にチェックしてくれた内容が,私の意図にあっているかどうかを確認する箇所もいくつかあります. つまり,私の英文がへんてこなところがあるということです. もちろん,aとかtheとかはたくさんチェックが入っています. これをチェックして,いざ投稿だ. でも,その前に,投稿規定をしっかり守らないといけません.それぞれの雑誌に,それぞれの投稿規定があります.それに乗っていなければ,即reject,却下されます. とりあえず,今日は見直し. そしてcover letterといって,「論文投稿するのでよろしく」お手紙を今から準備します. この会社のシンプルなマークが意外と好きです.

電カルPCが来た

しばらく前に. これを医局に設置するのに.お金がかかります. そして,依頼してから届くの1カ月ぐらいかかりました. さすが,国立大学の事務だなぁ.と思いながら待ちました. 民間病院だったらありえない. 何がいいかって,データ管理がしやすくなること. 研究のために画像を検索するのにさらっとできること. でも,データ管理は病棟で,やりたいなぁと思っていて,やっぱり病棟で継続します. このPCは秘書さんに利用してもらいます. うちの秘書さん優秀なので,データ管理を手伝ってもらおうと思っていますが,いかんせん入力の仕方を教える時間がない. いつか,やります. この電気ケトルも優秀ですよね.速攻でお湯がわきます.

がんばるぞー

現在,脳卒中センター,スタッフ2人(准教授,助教)+1年目ほやほや研修医の総勢3人で頑張ってます. 患者さんたくさんいらっしゃってます. 患者さんたくさんウェルカムです. 私,神経専門医受験予定です.来月. もうですね,仕方ないです. 受かるつもりで臨みますが,いかんせん勉強する時間がない. ミラクルは起きるのか!? まっさらの過去問たち.おまえたちと会えるのはいつの日だろう.

Stroke Unit カンファランス

入院脳卒中患者に関する多職種による話し合いです. 脳卒中内科と脳神経外科医師,看護師,リハビリスタッフ,ソーシャルワーカー,薬剤師,回復期リハビリテーション病院スタッフが参加してくれています. 外科と内科がスタッフと一緒に一人の患者さんことを議論するのであります. まあまあ珍しいことではないでしょうか. ほかの領域でこういうのをやっているのはあるのかな? 癌患者さんのことではあるような気がします. この1週間であったことや今の問題点,今後の方針を話し合います. リハビリスタッフからの提案で,その患者さんにやってあげるべきことが明確になって,看護師しやしくなっていると思います. ソーシャルワーカーと回復期リハビリテーション病のスタッフのおかげで,転院の相談もスムーズになっています. ありがたいことです. 患者さんにとってもありがたいことであってほしいです. しかし,まだまだ改善の余地ありです. もっと患者さんのそれぞれの今後の生活を見つめた,急性期のカンファランスにしたいです.ぼんやりしてますが. もちろん急性期に問題なく経過してもらうことが,その後の良い経過につながりますから,急性期をびしっと見つめることは大事です. しかし,脳卒中って,後遺症もありますから. 患者さんに大切な脳卒中後の生活. それを急性期から考える. そのためには脳卒中後の生活をしている患者さんの現状を知らなくてはならない. どうすればいいでしょうかねぇ. これを書いている途中(22時30分)で,発症1時間半の麻痺患者さんが来ると携帯電話に連絡があり,あせりました.また,最近続いているtPA静注療法?と思いましたが,脳出血でした.

日曜日のお仕事

月曜日のStroke Unitカンファランス用の資料を作成しています. この1週間の脳卒中入院患者の状況をカルテでさーっと把握して,File Makerのシートに入力します.一言を. そして,Excelに出力して,プリントアウトし,月曜日の午後17時に備えます. また,この1週間の退院患者のデータ入力を終わらせます. 脳卒中の入院患者,脳外科,脳卒中内科を含んでます. 数年前の脳外科の先生の一言・・・・(回顧) 「このコメント1週間前のことやけん,あまりつかえないねぇ」(的なことを言われた.やや被害妄想的な受け取り) 当時は内科入院の患者はすべて把握してましたが,脳外科の脳卒中患者までは,少しも把握していなかったので1週間前のカンファで話し合った状況を記入するにとどまっていました. 脳外科の患者まで把握できん!! と心の中で思ったけど,確かに意味ないので,カルテを1週間分見直すようにしました. で,今のスタイルです. 大したこと書いていないですが,少しはましになったかなぁなんて自己満足しています. 平日にやればいいのにって感じですが,まぁそれはそれ,なかなか時間取れないし,入力後に退院することもあるので. パソコンズ再び.

問題提起というか

70歳台の男性. 発症3時間40分で来院したため,tPA静注療法の適応はありませんでした. むかって左が来院時.右が1週間後. tPA静注療法というのは,発症3時間以内の脳梗塞に投与できる点滴治療薬です. 患者さんの持っている病気とか状態によって,使っていい,使ったらだめ,の基準がいろいろありますが,その話はここでは割愛いたします. 一番大きな問題は,発症から3時間オーバーの患者さんには投与できないといういことです.今のところ. 近いうちに,4.5時間まで延びそうですが,日本でも(欧米では4.5時間になっています).その話もここでは割愛. この患者さんの話. 3時間以内に当院に来院していたら間違いなく投与していたでしょう.脳卒中の医者がいうので間違いないです. なぜ来院まで3時間40分かかったか. それが問題です. 実は,当院に来院する前に,かかりつけの病院に搬送されています. そこには脳卒中の専門医はいません.ましてや,時間は夜の当直時間帯. その病院には,おそらく当直の先生が一人しかいません.検査の技師さんは,もしかしたら,自宅にいるのを呼び出しする形態かもしれません. 実際,当院に来たのは2時過ぎでした. その病院で,丁寧に採血と,MRI検査がされていました.MRI検査は,20分から30分かかる検査です.その病院はtPA静注療法ができる病院ではありません. とういことで,タイムオーバーです. このケースの問題点は,2つ. 1. 救急隊が麻痺があるのがわかっていて,tPA静注療法をできないかかりつけの病院へ搬送した. 2. tPA静注療法ができない病院で無駄な時間を過ごした. でも,しかし,もっとも大きな問題はその背後に隠れています. 脳卒中を診る専門医が少ない. ということです. 脳卒中専門医が,救急隊への的確な指導を行っていれば,tPA静注療法ができる病院へ搬送できていたでしょう. 救急隊の皆さんの時間をお借りして,時々やってはいます.脳卒中の講義.でも,まだ足りないということです. また脳卒中専門医がはばを聞かせていれば,その当直の先生も,「あっ,これは脳卒中専門医がいる病

救急車トリビア2

救急車のうち,何台かは4WSです. 4 wheel steeringです. つまり,後輪も曲がります. このおかげで,大きな車体をうまくとりまわせるようになっています. 全車両にすればいいのに,とおもって,google先生に聞いてみると,どうもバックの時とか取り回しが難しいようです. なんとなく,わかります. 私の車も縦に長いので,4WSにして欲しいと思ったけど,難しそう. 月1,2回ぐらいしか運転しないから,どんどん運転が下手になっているし.

英文校正

論文を書くことも臨床医の仕事です. とか,偉そうに言って,かれこれ3年ぐらい私の論文は世に出ていません. よくないです. ということで,最近書いています. 症例報告. 興味深かった症例で,あまり世間で知られていない病態や,症状,検査所見などがあった場合に雑誌に投稿します. 英語圏の雑誌に投稿する時は,まず,投稿する前に,ほとんどの日本人は英文のチェック,native checkを専門の会社にしてもらいます. native checkをする方は,医学専門の先生であることが多いと思います. お値段がまぁまぁします.1ページ当たり3000円程度が相場ではないでしょうか. ほかの会社に依頼したことがないのでわかりませんが. 今回は10ページぐらいあって,このぐらいの値段です. ぼやけて見えないけど,なんとなく見えます. 前は自分で払っていたような気がしますが,今は医局でまかなってもらうことになりました. ありがたや.でも普通なのかな. 1週間ぐらいでチェックが済んで,その後,実際に投稿するということになります. 実際の投稿も,またひと手間ありますが,インターネット時代は郵送時代と比べるとはるかに楽になったんでしょうね. 今回は,いろいろあって,初めて指導医のチェックなしで,投稿します. これ,少し,経過観察してみましょうか. 意外と知らないことでしょうから.

わさわさ

患者さんの周りにわさわさ,人が集まっています. 今日は,朝のいい時間に脳梗塞発症1時間がいらっしゃいました. 内頸動脈閉塞で,年齢や画像上も適応的にいまいちでありましたが,tPA静注療法を行いました. tPA静注療法とは,発症3時間以内の脳梗塞に対して適応がある点滴薬です. 血管につまった血の塊を溶かすことによって,再灌流が得られます. 点滴薬なので,治療自体は簡単なのですが,適応とか,時間制限とかあり,どこでもやっていい治療ではないと思っています. さて,本日思ったことは,その治療のことではなくて,看護師のことです. 学ぼうとして,たくさんの看護師が集まってくれました. 夜勤と日勤の入れ替わりで,人が多かったことは,あえて言うまい. 言ったけど. いずれにしろ,看護師の知りたい,学びたい,に責任をもって答えていくことも我々の義務だと思いますし,さらに,お尻をさわって,じゃなくて,押して,「どんどんやろー」って言ってあげることも大切だと思います. それで,脳卒中を好きな看護師が増えてくれたら,私も楽です. 違うか. 患者さんにとって,いいことです. この写真の青いおじさんが,今朝は脳卒中の診察方法NIHSS scoreの取り方について,他の看護師に教えていました. 私に,質問することなく. 「俺も仲間に入れて―」 と思いましたが,まぁそれは口に出さず. とにかく,うれしいことです.看護師の中から,脳卒中をしっかりやろうというスタッフがどんどん出てくることは. 脳卒中診療は看護師がやるべきことがたくさんあって面白いと思います. リハビリ,嚥下,栄養はもちろん,患者背景を知って,今後の再発予防をうまくやっていけるかどうかを考えなくてはいけない部分も,看護師の方が医師よりも入り込めます. 脳卒中後のうつとか,生活の質(QOL)も大切です. 看護師のみなさん,これからもっとやっていきましょう.

悲しいとき

自分の患者が再発した時. テンション下がります. 上げなきゃいけないのですが. tPA治療して,元通りにもどっていたのに. 反対の内頸動脈が閉塞してしまいました. 看護師の目の前で発症して,すぐに評価し,血管内治療に移行しました. 急性期脳梗塞に対するカテーテルを使った血管内治療は最近新しい機械がどんどん認可されています. 要は,血栓がつまっている血管までカテーテルを入れていって,その血栓を直接引き抜いたり,壊して,吸ったりするのであります. ヨーロッパでつかわれていたSolitaireはつい最近アメリカでも使えるようになったそうです. ちょっと,専門的すぎてわかりづらいので,一般の方は,5月19日14時からの脳卒中市民公開講座(NCC & スタジオ)にいらっしゃってください.脳外科の林先生から話があると思います. で,私の患者さん. 問題があって足の血管が触れなくて,足からカテーテルを入れることができず,やむなく,腕からカテーテル挿入です. 残念ながら,新しい機械は使えず,血栓溶解剤を血栓の中で注入しました. 部分的に再開通して終わりました. 患者さんは・・・,変わらずです. 本当は,私も治療に参加したかったのですが,外来と急患と患者さんがいらっしゃっていたので,対応できませんでした. いつも脳外科の先生方にはサポートいただいています. ありがとうございます. この緑のシーツの中はかなり暑いみたい.患者さん汗びっしょりです.たいがい. こいつがソリティア.すごくいいみたいです.これも日本で使えるようになるでしょうが,まだ時間はかかりそうです.

けいもー

啓蒙です.啓発です. 市民のみなさんに脳卒中を知ってもらいましょう. ということで,脳卒中市民公開講座が今年もあります. 日時:5月19日土曜日14時から16時. 場所:NCC & スタジオ 無料です. 脳卒中内科医,脳神経外科医,脳卒中専門看護師,理学療法士から各20分くらいずつ話をさせていただきます. 5月25日から31日は脳卒中週間です.その時期に合わせて,全国でこの市民公開講座が行われます. 来ていただいた方に何か一つでも覚えて帰ってもらおうということで,話を考えています. ただ,市民公開講座の様な形式で啓蒙活動を行うことが,本当にインパクトがあることかと言うと,疑問です. やらなければいけませんし,一人でも「知りたい」と言う人がいれば,それはそれで意味があることではあります.でも統計学的には意味がないでしょう. で,こんな論文があります. Effects of Public Education by Television on Knowledge of Early Stroke Symptoms Among a Japanese Population Aged 40 to 74 Years A Controlled Study http://stroke.ahajournals.org/content/43/2/545.full.pdf+html . 日本の論文です. 私が以前いた,倉敷の川崎医大脳卒中医学教室が主導した研究です. テレビを使った1年間の啓蒙が,脳卒中の5つの症状を10個の症状から正確に答えることが可能かどうかを,テレビ放映がある都市とその放映がない都市で比較しました. テレビ放映がある都市は,岡山市でNHK岡山で1年間,脳卒中啓発のスポット映像をながしました.森末慎二さんが出てました. 脳卒中のスポット映像などがない都市は呉市です. 結果は..... それぞれ1000人ぐらいずつ登録されています. 岡山市の女性は,呉市の女性に比べて,脳卒中の5つの症状を正確に答えることができました.有意差ありです. 男性ではその差はみられませんでした. メディアを使った啓蒙活動が有効だと私

てんやわんや

脳梗塞の急性期の患者さんの一部はいろいろな重症度の心不全を合併していることがあります.ほとんどは軽症で,めちゃくちゃ重症はほとんどいません. それでも,心臓の動きがかなり悪くて,ぜーぜーきつそうな方は時々いらっしゃいます. もうそんな時は,いろいろな薬が必要なになってくるので,頭はパンパンです.他の患者のことも考えながらなので. こんなとき看護師のサポートがありがたい.フォローしてくれます. 循環器内科の先生とか集中治療医のとかすげぇーなぁ,って思います.いろんな薬を使いこなせていて. ただ,脳卒中内科医は,心不全も診ないといけないし,肺炎も,腎不全も,糖尿病もみないといけません. 常に,「ある程度」専門的なことが分かっていないといけませんし,こなさないといけません. この「ある程度」っていうのが,ポイントで,バランス感覚が必要なところであります. すべてをやり過ぎると,時間が足りません.でも専門医任せ過ぎると患者の治療タイミングを逸してしまいます. 脳卒中はチーム医療です. 私は,ユーティリティープレイヤーです.ACミランのルート・フリットです. 高校生のころから,得意科目はありませんでした.日本史が特異な理系男子でした. もはや理系男子ではないか. ということで,これから脳卒中内科医を目指す選手には,脳卒中以外に一つ少し得意なポジション(分野)を作ってほしいです. で,私を助けて. 違うか. チーム医療で患者さんを助けましょう. 今日は,救急日直と思って,テンション上げてきたのに,ダブルブッキングで即退場でした.

スポットライトはno thanks

本日はLancet Neurology April 2012から. 脳出血急性期に造影CTをおこなって,スポットサインがあったら血腫が大きくなる.という話. Prediction of haematoma growth and outcome in patients with intracerebral haemorrhage using the CT-angiography spot sign (PREDICT): a prospective observational study http://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422(12)70038-8/fulltext PREDICT (predicting haematoma growth and outcome in intracerebral haemorrhage using contrast bolus CT)研究は,多施設共同,前向き観察研究です. 対象は18歳以上で,発症6時間以内で,100ml以内の脳出血患者. 出血の容積は,縦×横×高さ÷2でやります. 除外患者は,以下の通り. 1. 腎機能障害患者 2. もともとの生活レベルがやや人に頼らざるを得ない状況またはそれより悪い人(mRS4以上) 3. 二次性脳脳出血(腫瘍,脳動静脈奇形など) 4. 深昏睡 5. 癌などで生命予後が悪い人 手術するかどうかもしくは第7因子を静注するかどうかは,もちろん主治医裁量ですが,経過観察CTまでに手術をした患者は除外されています. 出血の増大の定義は,経過観察のCTで6mlもしくは33%以上の以上の血腫増大,です. 結果・・・・・・ 解析されたのはスポットサイン陽性61人とスポットサイン陰性167人. 発症からCT検査までの時間は両群で差はありませんが(p = 0.189),やや陽性群で早い傾向です. 基本項目で差があったのは,入院時の神経症状でした.陽性群で悪かったです(NIHSS score 17 vs 11, p < 0.001).また,ベースラインの血腫量も陽性群で多かったです(19.9ml vs 10.0ml,

タイトル

どうでもいいような,どうでもよくない話. 「診療科」の欄が,4月1日から脳卒中センタになりました.横棒がないのは,ご愛敬. それに伴って,すべての項目が「脳卒中センター」で表示されるようになりました. 確かに,我々脳卒中グループは救命救急センターの傘下にあります. しかし,「診療科」のところが救命救急センターだと,病棟運営がうまくいかなかったです.実際. あなたたちは,救命救急センターだから,そのベッド運営に従ってください.と. 以前は,そんなこといわれなかったのに・・・. い・け・ず♡ 実は,その病床管理運営会議で,脳卒中患者は救命センター管理と別扱いでやる.というように決まっていたんですが, 院長のいる席で. 運営会議の意味って何?? って思ってましたが,大きな病院なので,しかたないなぁと思ってました. 患者さんが入院するベッドを確保することは重要なことです. それで,このカルテの画面で 「救命救急センター」から「脳卒中センター」に変わったのは,小さなことの様で,大きなことなのでした. 一目で,「この患者さんは,脳卒中の患者さん.」ってわかるので,皆さんにとってわかりやすくなりました. よかったよかった.

首刺し

中心静脈カテーテル留置術です. 中心静脈とは首(内頸静脈)とか鎖骨の裏(鎖骨下静脈)とか,大腿の付け根の静脈のことです.ここにカテーテルという管を入れて,点滴を行います. これらの血管にカテーテルを留置する利点は,心臓や血管に働きかける薬(循環作動薬)を投与しやすいこと,高カロリーの点滴を投与できることなどがあります. 脳卒中の患者さんは,基本的にこのカテーテルを必要としません. 心臓が悪い人もいますが,とっても悪い人は少ないですし. 食事はできるだけ,口から食べたほうがいいです.当たり前ですが. しかし,脳卒中の患者さんは,発症してすぐには口から食べられないことがあります. 口周りやのどの麻痺が影響して. そんな時は,チューブを一日3回口から入れて,栄養剤を投与する方法や鼻から胃までチューブを通しておいて,そこから栄養剤を投与する方法があります. 「できるだけ生理的に近いこと」を考えると,口がだめでも,胃や腸をしっかり働かせることが大切です. このようなことで,中心静脈カテーテルを必要としないことが多いですが,たまに心臓が悪い人や,胃からの逆流により嘔吐を繰り返す患者さんには,一時的に必要なことがあります. 「たまにそんな人がいる」ということは,「たまにしか行わない」ということになります. 私も,数年前までは数回しか行ったことがありませんでした. 監視してくださる人がいて,やっていました. 今は,まぁ,ほぼ問題ありません. 5年前,長崎に戻ってから,救命救急センター(当時は救急部)に所属し,勉強させていただきましたから. 感謝,感謝. いつか,救命救急センターを紹介しましょう. カテーテルセット. 今日もいろいろありました. 今晩当直,ぼちぼちいきます.

脳卒中外来

毎週月,水,金曜日の朝から14時まで脳卒中外来ワイドオープンです. 月曜日は辻野,水・金曜日は立石が担当しています. 紹介患者を広く受けられるように,かなりワイドオープンでウェルカム状態にしています. といっても,脳卒中は急患がほとんどなので,外来がめちゃくちゃ多いわけではありません. 他の科の先生からしたら,大したことはないです. 今外来で診ている患者さんは,救急入院して,かかりつけに戻る前にワーファリンを少し調節する方と,まれに紹介患者さん. そして今,重要視しているのは3カ月後の予後チェック外来です. 脳卒中の予後は3カ月後に評価することが多いです.3カ月がいいか悪いかということを論じだすと,長くなるので. まぁ,3カ月なんです. 今までは,当院を退院したら,それっきり,さようなら. で,退院時(平均在院日数は14日間ぐらい)の評価しかできていなので,予後を評価する研究ができず. そして,何より自分たちが治療した患者さんが3カ月後にどうなっているのかさえ,実感としてわかっていなかったのです. 3カ月後の予後チェック外来をしていて,あらためて,ありありと,その事実を実感したのでした. 血圧管理の状態,内服状況,そして生活状況まで見えてきて,今後の自分の診療の役に立ちますし,そして何よりかかりつけ医とその時点での情報交換ができます.脳卒中を診る医師としての考えを提案することができます.偉そうに・・・,かもしれませんが. それって,その患者さんにとって,意外といいことかもしれないなぁ,なんて,思ったりしています. 全員が3カ月後に来れるわけではありません.動けなくて,これない人もいます. そういう時は,telephoneです. 海外の予後評価で数が多い場合は,電話を使うことが多くあります. 実際,アメリカ,オハイオ州のクリーブランドクリニックの脳卒中センターでは予後チェックの一部は看護師が電話でしていました. 怪しげなデータもちらほらではありますが. 基本はface to faceですね. 患者さんの3カ月後の笑顔をみて安心します. 歯の浮くような言葉だけど,まぁ,本当の様な気がします. iPa

破壊中

脳卒中ケアユニットから見える建物が,破壊され中です. ここには以前・・・・, 何がありましたっけ?医局?実験室? 確か医局だったような. この建物の裏の駐車場に研修医のころ車を止めていました.入るところが狭くて,擦りがちでした. 病院はどんどん新しくなっていきます. たまには病院の今,昔を切り取って行こうかなと思っています. 何十年後かには,貴重なものになるかも. ジェンガ的には,渋いバランス.