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7月, 2014の投稿を表示しています

祝論文掲載。そして脳卒中センターは新章へ。

最近、脳卒中センターから論文が一本出ました。 著者は私なので、宣伝するのもどうかと思いましたが、脳卒中センターの仕事ではあるので。 Tateishi et al. J Neurological Sci 2014 Cardiac diastolic dysfunction predicts in-hospital mortality in acute ischemic stroke with atrial fibrillation. 入院時に施行した心エコーで得られた拡張障害の評価。 E/e' が高いと、退院時に死亡しやすい。 という話。 脳卒中センターでたくさん患者を診てくれた、上司、同僚のおかげ。 一緒に頑張ってくれる脳神経外科スタッフのおかげ。 心エコーをしてくださった循環器内科スタッフと、超音波センター検査技師さんのおかげ。 救急の受け入れをしてくれる救命救急センタースタッフ、看護師のおかげ。 患者さんを看護してくれる、看護師みんなのおかげ。 患者さんの体のリハビリ、飲み込みのリハビリ、しゃべりのリハビリをしてくれるリハビリテーションスタッフのおかげ。 転院調整を含めた環境整備をしてくれる地域連携センターのおかげ。 そして、当センターを研修してくれた研修医達のおかげ。 研修医のみんさんが診療してくれた患者さんの情報も入っています。 決して妖怪のせいではありません。 (妖怪ウォッチのはやりにつられて) おかげ、おかげ、おかげ様の気持ちで、 2011年から始まった脳卒中センターは 2014年8月1日、次のスッテプに駆け上がります!! 皆様、これからも、これまでどおり、着々と頑張る脳卒中センターにご指導のほどよろしくお願いいたします。

3度めの正直。日本神経学会専門医合格。

第40回神経専門医試験に合格しました。 合格をいただきました。 3度めの正直なのです。 第38回☓、第39回☓、で今回。 試験結果が出るまで、 「3度目の正直」:「2度あることは3度ある」=1:5 ぐらいの心境でした。 2回不合格だったことは、少しだけ恥ずかしいですが、仕方ありません。 それが、現実ですし、逆に、得られたことも大きかったです。 神経診察を基本からやり直すと、より深く、それぞれの診察の意味と、的確な総合的診断に結びつくことを理解することが出来ました。 疾患についても勉強しなおしました。 あたり前ののことですが、でもそのあたり前(基本)が重要なんですね。 多くの神経内科医は知っていることなのでしょうけど。 今回も試験当日は20分ずつ2部屋で面接試験がありました。1つ目の部屋では、診察の実技です。 面接官の先生はiPadを見ながら、どれを質問しようか考えていらっしゃいました。 おそらく、神経診察の到達目標みたいなのがあって、そのうちの1つか、2つを受験者にさせているのだと思います。 「右麻痺があって、複視がある人の診察をしてください。あっ、意識障害も有るということで」 横に座っている若いお兄ちゃんを診察させていただくことになります。 いつも(3回目なので)思うのは、この普通の人を、病気の人としてイメージしながら診察することの難しさです。 診察しても、麻痺の症状をしてくれるわけではありません。「ものが二重に見える」と訴えてくれるわけではありません。もちろん、意識清明です。 脳神経の2番から順に診察をしていくと、省くことができず、そのまま脳神経診察終了。 ベッドに寝かせて、運動の診察をして、チラッと試験管をみても、何もおっしゃらないので、そのまま感覚、協調運動の診察。チラっと試験管をみても、何もおっしゃらないので、そのまま腱反射、病的反射の診察。そこで、試験管から一言。 「あのー、意識障害もありましたよね」 「あっ。」 かるく、混乱して、最後まで意識障害の診察をせずに終わってしまいました。 やってしまった~と思いつつも、意識の診察を「わかりますか〜」なんて、質問したところで、 「ま、それはいいので」「意識障害があれば、髄膜刺激徴候も必ず診ますよね」

脳神経内科説明会

昨日、脳神経内科の説明会を行いました。 現在、医学部6年生は臨床実習であるクリニカルクラークシップが終了したところです。 来年以降、自分が何処の病院で研修するのかを真剣に考えている6年生が大多数です。 私の頃とは違って。 もう、私は、おバカさんだったので、まったくそんなこと考えていなかったような気がします。 いや、ちょっとは考えていたのか。 よく覚えていません。 私の時まで、卒業後、即入局(=自分の所属する医局(会社)を決めること)だったことも有るでしょう。 今は、最低2年間は、入局先を決めずに、研修します。 これがお国の方針。 その研修システムが、良いか悪いかを論じるのは難しいです、私には。 ただ、それによる影響は、現場にいるとなんとなく感じます。 医局の辺縁というか、境界というか、が何となく曖昧になっているような感じがします。 正しいかどうか、はっきりと言えないですし、よいかどうかもわかりませんが。 今の医局システムも変わっていくかもしれません。 研修医も二人来てくれました。 6年生のHくん、Yさん、Tさん、Nっしーくん、Dーまつくん、卒業試験、国家試験、がんばってね。 脳神経内科初代教授です。 サプライズで研修医が花束を準備してくれました。 さすが。 脳卒中グループは男ばっかりなので、そんなきめ細やかさに乏しいので、良かったです。 ありがとうございました。

病院の七夕、願い事

当院では、毎年七夕飾りをして、皆さんに願い事を書いてもらっています。 病院ならではの願い事があります。 深く、心に突き刺さるものは多いです。 また、一部には「?」なものもあります。 いろいろな病気があります。 これからも私たちは、克服できない病気と対峙します。 しかし、克服できるものは克服したい。 一応、私も父親なので、心にくるものが強くあります。 脳神経病棟なので、運動機能の問題を有する患者さんはいます。 父親として、子供と走り回って遊ぶことができることが、当たり前のようで、その実、ありがたいことなのだと思い至ります。  お菓子を買ってくれるお父さんが好きな訳ではありません。決して。 えっ? ・・・・・ 最後です。 母親の、子供への思いは、永遠。 ありがとう。お母さん。

サッカーで健康促進!

もうですね、私、60歳超えてもサッカーしようと思いました。 65 - 75歳の、運動していない男性にサッカーを1年間してもらったら、 心臓の機能がよくなった。 っていう、話。 デンマーク人すごい。 Schmidt et al. 2014 Cardiovascular adaptations to 4 and 12 months of football or strength training in 65- to 75-year-old untrained men 実は、若い人から中年の高血圧、肥満者にサッカーをしてもらうと、心機能が良くなったていうことは、すでにこのグループの人達が報告しています。 じゃぁ、高齢者にもいいでしょ。 という、当たり前ですが、なかなか躊躇する研究デザインをプランして、実際行ったらやっぱり良かった。 この研究のポイントは、サッカーをしたから、ストレス発散して、精神的に健康になりました・・・、 ということではなく、 身体の健康、それも心臓のパラメーターを評価したことがポイント。 サッカーで「しなやかな心臓」を取り戻した。 方法: 65歳から75歳の男性(病気なし。内服なし)を サッカー9人、筋トレ9人、何もしない9人 に分けた。 サッカー: 芝生のグランド。11月から3月は寒いし雪の影響もあるので体育館で。 最初の4ヶ月は週2回、1回1時間。 次の8ヶ月は週3回、1回1時間。 3対3、4対4、5対5(フットサル)とかをやる。 サッカーは、そんなに怪我が多いスポーツではありません。 上手なサッカー選手は、1.2年に1人のけが、13年に1人の重傷けが。 年齢を重ねるとけがのリスクは減る。 やんわりするから。 と、著者は述べております。 筋トレ: ジムでばりばり、 評価項目 ● 最大酸素摂取量:自転車こぎで調べる ● 心エコー検査 -- 左心室の容量とか、拡張能とか。ちょっと見づらいでが、以下に示します。 要は、いろいろ調べてます。ってこと。 なかなか、オタクな感じです。 サッカーは必ず健康に良い!! と信じる「サッカー愛」を感じます。 結果: FTG(サッカーグループ)は左心室がしなやかになっている。 左心室の容量が21%ア

脳卒中センター研修

私達、脳卒中センターの研修医教育モットーは "be a 主治医" この患者さんを、あなたが責任持って診療すること。 責任がないと成長しないのは、どんな仕事でも同じです。 あたりまえ。 しかし、今の日本の研修システムでは、研修医は、 「主治医になってはダメ(上級医が主治医)で、担当医でなければならない」 ??? おそらく、患者さんからみて、「研修医だけがわたしを診ているのではない」 と思ってもらうため? だと、認識しています。 でも、これ、まったく、わたしたちは反対です。 主治医として、責任をもって診療してほしい。と思ってます。 ケツは持つから、まず自分で考えてほしい。と思ってます。 患者さんに与える可能性があるリスクはこちらで管理するので。 今の研修システムでは、 「この患者さんの責任は、上級医がとるのであって、わたしは指導してもらっている」 って、思っちゃっうかもしれない、 「巣で母ツバメの帰りを待つ子ツバメ」 状態。 全員がそうではないでしょうが、そういう気持ちになっている人が多い。 かもしれません。 カルテの画面上に、主治医として研修医の名前は上がってきません。 なので、患者さんに、なにか変化があっても、研修医には連絡が行きません。 例えば、患者さんが急激に悪化した時に、看護師が連絡するのは上級医。 上級医が駆けつけて、非常に危ない状態なら、担当医の研修医に連絡する暇なんてありません。 色々対応して、落ち着いて、やおら研修医に連絡。 研修医が来た頃には、することない。 看護師から「患者さんが、すごくお腹を痛がっています」と連絡があって、行ってみます。 すると、単なる便秘の腹痛(とはいえ、便秘の腹痛がすごく大変であることは、便秘の私は知っています)。 「この時間、研修医はご飯中だろうし、単なる便秘だし、ま、連絡せんでいいか」 と、わたしは思います。 でも、「単なる便秘の腹痛」も、経験しないとわからないことです。 経験する機会が、昔に比べると明らかに減っています。 これって、いいことでしょうか? 私達より前の、研修を受けた医師は、主治医として、患者さんを診療させて頂いていました。 教授回診中、受け持ち