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第4回九州脳卒中カンファランス

九州の脳卒中診療を行う脳神経内科医が、
毎年、年末の神経地方会の前日に集まって、症例報告や特別講演を拝聴する機会があります。

昨日、博多駅にほど近い、とあるビルで行われました。

佐賀大学医学部 神経内科 吉川先生から、ダニ咬傷からDIC、さらに脳梗塞をおこした内頸動脈閉塞の症例

は劇的に症状悪化をきたし、治療が困難でありました。

私達も経験しうる症例であり、注意が必要と思いました。

熊本市民病院の橋本先生からは、とても興味深い、片頭痛、脳梗塞、卵円孔開存、reversible vasoconstriction syndrome (RCVS)の関係について、話題提供を頂きました。

片頭痛は神経領域のcommon diseaseで、診療させていただく機会は多いです。

特に、前兆のある片頭痛は脳梗塞と関連することが示唆されています。

その片頭痛は卵円孔開存と関連することも言われています。

また、最近では、RCVSと卵円孔開存との関係も示唆されているそうです。

わからないことが多い、この領域。

解明すべきこと、興味深いこと、まだまだたくさん埋まっていることを教えていただきました。

一方、九州医療センター 脳血管・神経内科 徳永先生からは、

ありふれた脳梗塞でも、

その機序はありふれていない

でも、見逃していることが多くあるかもしれない

頸部回旋による内頸動脈の移動に舌骨が関与し、

さらに血栓形成に寄与する

という症例について、報告を頂きました。

頸部回旋と嚥下運動により内頸動脈が舌骨にあたる。

それにより内皮の障害が起こり

血栓形成が起こる。

ものすごくインパクトのある症例でした。

それに気づいた経緯が、すばらしかったです。

いつも深く考えながら臨床をしているからこそ、という感じでした。

すでに論文になっています。

しかも、症例報告でCirculation !!

Tokunaga et al. Circulation 2015 Repetitive Artery-to-Artery Embolism Caused by Dynamic Movement of the Internal Carotid Artery and Mechanical Stimulation by the Hyoid Bone

私達も、いつか。

私からは、機械弁患者の脳梗塞について、当院の情報をお伝えしました。

そして、特別講演は福岡市立こども病院 てんかんセンター長 脳神経外科科長 (九州大学大学院医学研究院 脳神経外科 臨床教授)森岡先生から

脳梗塞と間違えやすい、Non-convulsive status epileptics: NCSEについて

てんかん診療に有効なASL.

ASLは発作終了後にも信号上昇している

そのため、peri-ictal MRIと考えられ、発作期ではなくとも、MRIは積極的にとるべきであることを教えていただきました。

また、これまで、脳波では、epileptic dischargeばかりに注目してきましたが、post ictats stateでも、局所的な徐波は、てんかんを示唆する所見かもしれない。

脳卒中急性期診療をしていると、

まぁ、てんかん疑いの患者さんを診療させていただく機会は多いです。

私は、個人的に、脳神経内科医として、もっと、てんかんについて知らなければいけないし、脳波判読に習熟しなければいけない、と再確認させていただきました。

それは、橋本先生がお話された、頭痛もそうです。

脳卒中、てんかん、頭痛、認知症。

脳神経疾患のcommon diseaseを間違いなく診療できるように、もっともっとスキルアップせんばいけん。

そう思って、とんこつラーメンを食らった夜でした。


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