スキップしてメイン コンテンツに移動

福岡で脳梗塞急性期治療研究会。

脳梗塞急性期治療、とくに脳血管内治療にfocusをあてた、pinpointな研究会にお呼びいただき、参加させていただきました。

九州医療センター脳血管内治療科長・医長、脳血管センター部副部長
津本智幸先生

ありがとうございました。

15時から18時30分まで。
皆さん研究熱心で、頭が下がります。


最初からdiscussion。
ホットです。

先生方のご意見をお聞きし、私の解釈を加えて記載します。
どうかご理解の程よろしくお願い致します。


Trevo

透視で見えやすい。
屈曲部も、比較的沿いやすい。

テクニックについて、
Push and Pushing (Fluff):Trevoを押していき、展開。そうすると曲がり角が密着しやすい。M2は怖いので、やらないほうが良い様子。

Solitaire

Penumbraよりも治療時間が短くなった。
tip-less構造
使用できるMarksmanカテーテルが遠位部まで誘導しやすいカテーテル。
サイズが豊富
エビデンスが豊富

Penumbra

血管内皮の損傷が少ないはず。

テクニックいろいろ

5MAX ACEとSolitaire。一緒にOPTIMOに回収するか、5MAX ACEに回収するか。
4MAXは血栓の取りこぼしがある可能性。一緒にOPTIMOに回収すべき、かも。
3MAXは遠位病変に有効。

容易に上がるなら、MAX ACEごと(Stent Retrieverも一緒に)、OPTIMOに回収した方がいい。血栓がMAX ACEに入りきらない可能性がある。しかし、中大脳動脈の血栓を内頸動脈まで引いてきて回収するときに、前大脳動脈に取りこぼすことがあるかもしれない。Marksmanは抜いておく。

Immediate flow restrationがでるなら、ストラッドの外に血栓が付いている可能性が高い。できるだけ、OPTIMOに回収した方がいいかもしれない。

立石からは、長崎大学病院の脳梗塞急性期対応についてお話をさせていただきました。
脳神経内科医が、脳神経外科医や看護師などコメディカルスタッフとともに脳卒中診療を行っている現状について。

話したいことが多すぎて、ポイントが伝わりにくかったかもしれません。

反省。

最後に特別講演を京都第一赤十字病院 今井啓輔先生から

※聞き間違っていることがあると思いますので、鵜呑みに出来ない内容。
ご理解ください。

ADAPTはY コネクターは使わない。
OPTIMOは拡張。
インナーには3MAX
インナーカテは血栓通過せず。
ACE先端は血栓に密着。食い気味。
90秒吸引。

ACEはYコネ無しで3MAXとともにM1にあげる。

Penumbraはストレートに強い。
ADAPT無効例はwith Stent retriever。

内頸動脈閉塞は血栓の大きさを考える必要がある。
OPTIMO内径は2.3mm。

Stent Retrieverでdistal protectionをして、その手前の血栓を引きたい。
OPTIMOを少し、引いてストレートに吸引できるようにする。

IC topはPenumbra苦手。Trevoがいいかも。

OPTIMOのバルーン拡張して、MAX ACEをあげる。

M2の枝に入った時、屈曲が強かったらその他の枝にステントをおいて、outside strutsで回収を考慮。

M2はstent retrieveが良いかも。


VB系、Stent retriever。 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

福岡は脳卒中をみるスタッフが沢山いて、羨ましいです。
いつも、

「前を行っているなぁ」

と西の方から見ています。

長崎は、脳卒中を専門に診るスタッフが少なく、まだまだです。
しかし、少ないからこそ、協力しなければやっていけないという思いは強く、脳神経内科、脳神経外科一緒に、長崎の脳卒中診療を良くしようと頑張っている、

と思っています。

貴重な機会をいただきました。
当日ご参加いただいた先生方、ご一緒できて、楽しかったです。

同じ九州内です。

切磋琢磨し、協力し、ご指導をいただきながら、で、一緒に頑張らさせてください。

コメント

このブログの人気の投稿

NIHSSスコアの基本を再確認。

※付録 NIHSSスコア NIHSSスコアを作ったLyden先生がNIHSSスコアについて書いています。 NIHSSスコアを評価すると、ときどき、 「これ、何点にすべきですか?」 なんて、看護師や、研修医から聞かれて、 「まぁ、1点と2点の間って感じかな?」 と、ぼかしたり、 「思うとおりに評価していいよ。それが、大切だ!」 と、妙に「お前を信頼しているぜ」感を醸し出したりして、 その場を切り抜けていました。 それも、間違いだとは思いませんが、「もっとスッキリしたい」とみんな思っていたのだと思います。 で、このもやもや感を少しでも解消できるかと思って、 Lyden et al. Stroke. 2017;48:513-519 Using the National Institutes of Health Stroke Scale を読んでみましたが、 基本、NIHSSスコアが作られた歴史 的な話ばかりで、 スッキリせず。 期待がずれていたのは、こっちの問題です。 それでも、2つ再確認出来たことがありました。 NIHSSスコアを評価するときのルール すべての項目で、Score what you see, not what you think (診たものを評価する。検者が考えたものではない) すべての項目で、Score the first response, not the best response, except item 9 best language (最初の反応を評価する。ベストの反応ではない。でも、言語の評価はベストの反応で) すべての項目で、Do not coach (コーチしちゃだめ) 項目1aで、May be assessed casually while taking history (会話している間に評価可能でしょう) 項目2で、Only assess horizontal gaze (水平方向の眼球運動のみ評価) 項目5 and 6で、Count out loud and use your fingers to show the patient your count (声を出して数字をカウントし、患者の前で指を折ってカウントすることもす

3度めの正直。日本神経学会専門医合格。

第40回神経専門医試験に合格しました。 合格をいただきました。 3度めの正直なのです。 第38回☓、第39回☓、で今回。 試験結果が出るまで、 「3度目の正直」:「2度あることは3度ある」=1:5 ぐらいの心境でした。 2回不合格だったことは、少しだけ恥ずかしいですが、仕方ありません。 それが、現実ですし、逆に、得られたことも大きかったです。 神経診察を基本からやり直すと、より深く、それぞれの診察の意味と、的確な総合的診断に結びつくことを理解することが出来ました。 疾患についても勉強しなおしました。 あたり前ののことですが、でもそのあたり前(基本)が重要なんですね。 多くの神経内科医は知っていることなのでしょうけど。 今回も試験当日は20分ずつ2部屋で面接試験がありました。1つ目の部屋では、診察の実技です。 面接官の先生はiPadを見ながら、どれを質問しようか考えていらっしゃいました。 おそらく、神経診察の到達目標みたいなのがあって、そのうちの1つか、2つを受験者にさせているのだと思います。 「右麻痺があって、複視がある人の診察をしてください。あっ、意識障害も有るということで」 横に座っている若いお兄ちゃんを診察させていただくことになります。 いつも(3回目なので)思うのは、この普通の人を、病気の人としてイメージしながら診察することの難しさです。 診察しても、麻痺の症状をしてくれるわけではありません。「ものが二重に見える」と訴えてくれるわけではありません。もちろん、意識清明です。 脳神経の2番から順に診察をしていくと、省くことができず、そのまま脳神経診察終了。 ベッドに寝かせて、運動の診察をして、チラッと試験管をみても、何もおっしゃらないので、そのまま感覚、協調運動の診察。チラっと試験管をみても、何もおっしゃらないので、そのまま腱反射、病的反射の診察。そこで、試験管から一言。 「あのー、意識障害もありましたよね」 「あっ。」 かるく、混乱して、最後まで意識障害の診察をせずに終わってしまいました。 やってしまった~と思いつつも、意識の診察を「わかりますか〜」なんて、質問したところで、 「ま、それはいいので」「意識障害があれば、髄膜刺激徴候も必ず診ますよね」

足モミモミポンプ.あれ,意味あるの?

足の静脈にできる血栓.深部静脈血栓症. これが,流れて肺の血管に詰まると, 肺塞栓症. 命にかかわる病気です. 救急で入院すると,看護師に聞かれます. 「フットポンプつけますか?」 また,その書類ももろもろあります. これがフットポンプです. これで静脈血栓を予防します. これって,意味あるんですか? 意味あります.手術後の患者さんに. これまで20以上のランダム化比較試験があり,手術後にフットポンプをつけることは,明らかに静脈血栓の発生率を減らします. じゃぁ,他の状態では? 例えば・・・, 脳卒中. 麻痺があったら,静脈血栓は出来やすいです.静脈の流れが悪くなるから. これまで,急性期脳卒中における,この足モミモミフットポンプの有効性を調べたの研究は2つぐらいしかなくて,しかも有効性を見出すことができませんでした. でも,やっぱり,フットポンプつけています. 良さそうだから. ということで,それを調べている今回の論文. CLOTS (Clots in Legs Or sTockings after Stroke) trial Lancet 2013 CLOTS Trial Collaboratrion. Effectiveness of intermittent pneumatic compression in reduction of risk of deep vein thrombosis in patients who have had a stroke (CLOTS 3): a multicentre randomised controlled trial 多施設ランダム化比較試験です. 対象患者: 急性期脳卒中 .トイレまで自分で歩いていけない人. インターネット登録すると,足モミモミフットポンプグループと,しないグループに分けられます. この2つのグループで Primary outcome: 30日以内の深部静脈血栓(大腿,膝窩静脈) Secondary outcome: 30日以内の死亡,深部静脈血栓(大腿,膝窩,下腿の静脈),肺塞栓,足モミモミフットポンプの合併症(傷,転倒) 結果 Primary outcome 足モミモ