日本において,
急性冠症候群に対する抗血小板薬として,Prasgurel (プラスグレル)は,クロピドグレル(プラビックス)に比べ,「心血管死」「非致死性心筋梗塞」「非致死性虚血性脳卒中」のリスク低減効果は23%あったと,先日の循環器学会総会で発表があったそうです.
出血リスクも変わりない.
とのことです.
冠動脈病変にはそろそろ製造販売承認申請がされそうで,虚血性脳血管障害に対する第3相試験も行われているそうです.
第一三共が抗血小板剤プラスグレルの国内第3相臨床試験結果を発表
知らんかった.
でも,強力な抗血小板作用のため,出血リスクが上がるという報告が散見されます.
大丈夫?
さて,以前も話題にしたのですが,
抗凝固療法(ワーファリン)が必要な患者さんに冠動脈ステントを留置する時,最初の6か月ぐらいはtriple therapy (抗血小板薬2剤+ワーファリン)が処方されます.
これ,出血のリスクすごいですが,利益はアップしません.
という話.
triple, mono mono, dualどれにする?
で,今回もtripleの話.
JACCから.
Sarafoff N, et al "Triple therapy with aspirin, prasugrel, and vitamin K antagonists in patients with drug eluting stent implantation and an indication for oral anticoagulation" J Am Coll Cardiol 2013; 1097(13)61859-8.
対象:薬剤溶出ステントを入れた,抗凝固療法を内服している患者.
方法:
単施設におけるデータ.
6か月triple.
アスピリン+ワーファリン+クロピドグレル vs アスピリン+ワーファリン+プラスグレル
一次エンドポイント:TIMI major or minor bleed(※定義はこのブログの最後に)
二次エンドポイント:死亡,心筋梗塞,虚血性脳卒中,ステント血栓症
結果:
プラスグレル 21人.
クロピドグレル 356人.
プラスグレルを使った人たちは,クロピドグレルの人たちと比べて
出血明らかに多かった
180日後.
プラスグレル 6人(33%)
クロピドグレル 24人(7.0%)
(ハザード比 4.6, 95% confidence interval 1.9 - 11.4, p<0.001)
多変量解析でも,プラスグレル使用が出血における独立した因子でした.
(調整ハザード比 3.2, 95% confidence interval 1.1 - 9.1, p=0.03)
二次エンドポイントは変わりなかった.
(9.5% vs 7.0%)
あくまで単施設の結果です.
クロピドグレルで出血7%は意外と低い結果でしたが,
とにかく,プラスグレルの雰囲気はいまいちな様です.
※
TIMI major bleed
1 脳内出血,
2 ヘモグロビンが5g/dlまたはヘマトクリットが15%下がる出血.
3 7日以内の出血死
TIMI major bleed
1 ヘモグロビン3-5g/dlまたはヘマトクリット10%下がる出血
2 出血源ははっきりしないけど,ヘモグロビンが4g/dl以上またはヘマトクリットが12%以上下がる
3 治療が必要な,入院が延長するような,経過観察が必要な出血
急性冠症候群に対する抗血小板薬として,Prasgurel (プラスグレル)は,クロピドグレル(プラビックス)に比べ,「心血管死」「非致死性心筋梗塞」「非致死性虚血性脳卒中」のリスク低減効果は23%あったと,先日の循環器学会総会で発表があったそうです.
出血リスクも変わりない.
とのことです.
冠動脈病変にはそろそろ製造販売承認申請がされそうで,虚血性脳血管障害に対する第3相試験も行われているそうです.
第一三共が抗血小板剤プラスグレルの国内第3相臨床試験結果を発表
知らんかった.
でも,強力な抗血小板作用のため,出血リスクが上がるという報告が散見されます.
大丈夫?
さて,以前も話題にしたのですが,
抗凝固療法(ワーファリン)が必要な患者さんに冠動脈ステントを留置する時,最初の6か月ぐらいはtriple therapy (抗血小板薬2剤+ワーファリン)が処方されます.
これ,出血のリスクすごいですが,利益はアップしません.
という話.
triple, mono mono, dualどれにする?
で,今回もtripleの話.
JACCから.
Sarafoff N, et al "Triple therapy with aspirin, prasugrel, and vitamin K antagonists in patients with drug eluting stent implantation and an indication for oral anticoagulation" J Am Coll Cardiol 2013; 1097(13)61859-8.
対象:薬剤溶出ステントを入れた,抗凝固療法を内服している患者.
方法:
単施設におけるデータ.
6か月triple.
アスピリン+ワーファリン+クロピドグレル vs アスピリン+ワーファリン+プラスグレル
一次エンドポイント:TIMI major or minor bleed(※定義はこのブログの最後に)
二次エンドポイント:死亡,心筋梗塞,虚血性脳卒中,ステント血栓症
結果:
プラスグレル 21人.
クロピドグレル 356人.
プラスグレルを使った人たちは,クロピドグレルの人たちと比べて
出血明らかに多かった
180日後.
プラスグレル 6人(33%)
クロピドグレル 24人(7.0%)
(ハザード比 4.6, 95% confidence interval 1.9 - 11.4, p<0.001)
多変量解析でも,プラスグレル使用が出血における独立した因子でした.
(調整ハザード比 3.2, 95% confidence interval 1.1 - 9.1, p=0.03)
二次エンドポイントは変わりなかった.
(9.5% vs 7.0%)
あくまで単施設の結果です.
クロピドグレルで出血7%は意外と低い結果でしたが,
とにかく,プラスグレルの雰囲気はいまいちな様です.
※
TIMI major bleed
1 脳内出血,
2 ヘモグロビンが5g/dlまたはヘマトクリットが15%下がる出血.
3 7日以内の出血死
TIMI major bleed
1 ヘモグロビン3-5g/dlまたはヘマトクリット10%下がる出血
2 出血源ははっきりしないけど,ヘモグロビンが4g/dl以上またはヘマトクリットが12%以上下がる
3 治療が必要な,入院が延長するような,経過観察が必要な出血
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