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病理解剖の話

続き.

病理解剖を病理学教室の先生にお願いします.

準備するもの
病理解剖専用のサマリー(経過のまとめ)
必要な書類(同意書とか役所に提出するもの)

書類は主治医でないと書けないので,重要です.

しかし,病理解剖専用のサマリーは大変です.

最近やっと,本当に最近,電子カルテからコピーペーストできるようになりましたが,少し前までは必ず手書きでした.

しかし,どうやっても手書きでしか書けないところもあります.

熱の経過とか.

採血結果の経過も,入力するにしろ,手書きするにしろ大変です.

病理の先生に患者さんの経過を報告する大切なデータ.

なんですが,電子カルテの画面をプリントアウトすれば事足ります.

無駄に仕事を増やしているだけです.

なかなか病理の先生は,病院のことが分からないので,一度お知らせする場が必要だと思います.

小さなことですが,病理解剖をお願いする段階で頭に浮かぶ「やだなぁ」的なことの一つ.


もう一つ「やだなぁ」なことがあります.

臨床医(要は主治医とかのこと)が病理解剖に立ち会って,病理の先生がコメントした内容を聞いて,紙に書くこと.

「書記係」

そんなこと,国会の書記官にならなければ小学校で終わりと思ってました.

誰かがしなければなりません.

でも,臨床医がするのは大変だと思っているのは私だけなのかなぁ.

病理解剖が平日になったら大変です.

日中は外来もあるし,検査もあるし,急患だって来るかも.


私の患者が手術をしていただくとき.

可能な限り,手術室に伺って,少し見させていただきます.

行けないこともよくあります.

でも,手術は進み,終わります.

病理解剖は・・・.


大切なので,臨床医はいなければならないと思います.

けど,アクリル板のこっち側にいてもいいのかなぁ,と.

書記は,しなくてもいいのかなぁ,と.

病理解剖は病理の先生だけができるプロフェッショナルなことですので,病理の先生でプライド持って完遂していただけるとありがたいなぁ.

と思ってますが,反感買いそうでこわいので,大きな声でなく,小さな声で言いました.

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