先日リバーロキサバン内服中で脳出血をきたした人がいらっしゃいました.
リバーロキサバンの中和もちゃんと勉強しておかなくてはなりません.
Peacock et al. Clin Cardiol. 2012 Emergency Management of Bleeding Associated With Old and New Oral Anticoagulants
新規抗凝固薬リバーロキサバンとダビガトランの中和について.
ワルファリンについても記載されていましたが.今回は端折ります.
リバーロキサバン
観察:
PTで効果を評価する.PT-INRではない.
とのことですが,不勉強ですいません.理由はわかりません.詳しい人は知っていると思いますが.
だいたい24時間でPTは正常化する.
新鮮凍結血漿(Fresh Frozen Plasma: FFP):
データがないから推奨されない.
第7因子製剤(Recombinant Factor Ⅶa: rFⅦa):
少しいいかもしれないが,データを示す論文がabstractだけ.
プロトロンビン複合体製剤(Prothrombin Complex Concentrates: PCC):
2つの研究は人で行われている(健康な人).
PCC 50U/kgの静注後すぐに,PTは正常化し,24時間効果が持続する.
関連する論文はこちら.
Eerenberg et al. Circulation 2011 Reversal of Rivaroxaban and Dabigatran by Prothrombin Complex Concentrate
ダビガトラン
観察:
APTTがモニタリングに比較的適する.
24時間で正常化.
透析:
2,3時間で薬剤の60%が除去される.
でも,実際の臨床の場ではほぼ不可能ですよね.
新鮮凍結血漿(Fresh Frozen Plasma: FFP):
データがないから推奨されない.
第7因子製剤(Recombinant Factor Ⅶa: rFⅦa):
少しいいかもしれないが,データを示す論文がラットによるもの.
プロトロンビン複合体製剤(Prothrombin Complex Concentrates: PCC):
Eerenberg先生らの論文では,リバーロキサバンに効果があったものの,ダビガトランには効果がありませんでした.
ということで,こうなります.
何を持って,”mild”, ”moderate to severe”, ”life-threatning” とするかが問題なのはわかっていますが,そこが難しい.
エビデンスがない以上,今のところは各施設でconsensusを作っておくしかないと思います.
ただし,日本で使われるPCC(PPSB-HT)の保険適応は,血友病患者の出血を抑制する時のみですので,それ以外の病態(今回の話では,抗凝固薬内服中患者の出血性合併症)には保険適応外使用ということになります.
つまり,この治療薬の費用は病院などが負担し,患者さんに請求できません.
今回示した,データはほとんど小規模データですので,これで保険適応になるのは難しく,まだ時間がかかるでしょう.
そのため,倫理委員会を通して,病院に使用許可を得なければなりません.
ワルファリン内服中で脳出血をきたした患者さんにPCCを使えるように,脳神経外科の先生が倫理委員会を通してくださってますので,後日,リバーロキサバンでも使えるように倫理委員会に提出しようと思います.
リバーロキサバンの中和もちゃんと勉強しておかなくてはなりません.
Peacock et al. Clin Cardiol. 2012 Emergency Management of Bleeding Associated With Old and New Oral Anticoagulants
新規抗凝固薬リバーロキサバンとダビガトランの中和について.
ワルファリンについても記載されていましたが.今回は端折ります.
リバーロキサバン
観察:
PTで効果を評価する.PT-INRではない.
とのことですが,不勉強ですいません.理由はわかりません.詳しい人は知っていると思いますが.
だいたい24時間でPTは正常化する.
新鮮凍結血漿(Fresh Frozen Plasma: FFP):
データがないから推奨されない.
第7因子製剤(Recombinant Factor Ⅶa: rFⅦa):
少しいいかもしれないが,データを示す論文がabstractだけ.
プロトロンビン複合体製剤(Prothrombin Complex Concentrates: PCC):
2つの研究は人で行われている(健康な人).
PCC 50U/kgの静注後すぐに,PTは正常化し,24時間効果が持続する.
関連する論文はこちら.
Eerenberg et al. Circulation 2011 Reversal of Rivaroxaban and Dabigatran by Prothrombin Complex Concentrate
ダビガトラン
観察:
APTTがモニタリングに比較的適する.
24時間で正常化.
透析:
2,3時間で薬剤の60%が除去される.
でも,実際の臨床の場ではほぼ不可能ですよね.
新鮮凍結血漿(Fresh Frozen Plasma: FFP):
データがないから推奨されない.
第7因子製剤(Recombinant Factor Ⅶa: rFⅦa):
少しいいかもしれないが,データを示す論文がラットによるもの.
プロトロンビン複合体製剤(Prothrombin Complex Concentrates: PCC):
Eerenberg先生らの論文では,リバーロキサバンに効果があったものの,ダビガトランには効果がありませんでした.
ということで,こうなります.
何を持って,”mild”, ”moderate to severe”, ”life-threatning” とするかが問題なのはわかっていますが,そこが難しい.
エビデンスがない以上,今のところは各施設でconsensusを作っておくしかないと思います.
ただし,日本で使われるPCC(PPSB-HT)の保険適応は,血友病患者の出血を抑制する時のみですので,それ以外の病態(今回の話では,抗凝固薬内服中患者の出血性合併症)には保険適応外使用ということになります.
つまり,この治療薬の費用は病院などが負担し,患者さんに請求できません.
今回示した,データはほとんど小規模データですので,これで保険適応になるのは難しく,まだ時間がかかるでしょう.
そのため,倫理委員会を通して,病院に使用許可を得なければなりません.
ワルファリン内服中で脳出血をきたした患者さんにPCCを使えるように,脳神経外科の先生が倫理委員会を通してくださってますので,後日,リバーロキサバンでも使えるように倫理委員会に提出しようと思います.
PCC(プロトロンビン複合体製剤)としては「PPSB-HT」以外に「ファイバ」という商品も世の中には存在するようですね。そちらは活性型みたいです。
返信削除PPSB-HTは本来、血液凝固第IX因子欠乏患者(血友病B)の出血傾向を抑制するための薬になりますが、PPSB-HTという製剤自体は第Ⅸ因子のみが含まれているわけではなくて、Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹから構成されているんですね。恥ずかしながら初めて知りました。
ちなみにPPSB-HTの名前の由来について調べますと、
P(Prothrombin) 第Ⅱ因子
P(Proconvertin) 第Ⅶ因子
S(Stuart factor) 第Ⅹ因子
B(Antihemophilic factor B:血友病B) 第Ⅸ因子
HT(Heat treated) 加熱処理
の略だそうです。
ちょうどビタミンK依存性凝固因子ですね。
今回、先生に調べるきっかけを与えられて勉強になりました。ありがとうございます。
ダビガトランにも効けばいいんですが・・・
遺伝子組換え活性型第Ⅶ因子製剤(ノボセブンHI)も高価で厳しそうです。
S(Sports)
削除M(Music)
A(Assemble)
P(People)
と同じかんじですね.
ご活躍,期待しております.
コメントありがとうございます.