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ガイドラインの落とし穴

大動脈バルーンパンピングIntraaortic baloon pump (IABP)は,冠動脈治療を行う予定の心原性ショック患者において,有効性は見いだせなかった.

New England Journal of Medicineから.

Thiela et al. Intraaortic balloon support for myocardial infarction with cardiogenic shock. N Engl J Med 2012; 367:1287-1296October 4, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1208410

IABPとは足の付け根の動脈から,胸のあたりの大動脈まで,風船のついた管を持っていき,そこで持続的に膨らませたり,しぼませたりして,大動脈の血流をコントロールします.

それにより,心臓の血管や脳の血管に血流を供給しやすくして,心臓の仕事を軽減させるという原理です.

まぁ,そうなんでしょうけど.

心原性ショック患者におけるIABPの使用は,アメリカでは推奨度1B,ヨーロッパでは推奨度1Cに位置付けられています.

今回,IABPに特別な有用性がないことが,前向き,多施設研究で明らかになりました.

対象:

600人の心原性ショック患者.

IABP group 301人.IABPしないgroup 299人.

結果:

30日後までに死亡
IABP group 119人(39.7%)
IABPしないgroup 123人(41.3%)
relative risk with IABP, 0.96; 95% confidence interval, 0.79 to 1.17; P = 0.69).


IABP groupとIABPしないgroupで,ICU在室日数,カテコラミンの使用量,腎機能障害,乳酸値に差はなかった.

IABP groupとIABPしないgroupで差がなかった.
強い出血性合併症 (3.3% and 4.4%; P = 0.51)
末梢血管障害 (4.3% and 3.4%, P = 0.53),
敗血症(15.7% and 20.5%, P = 0.15), 
脳卒中 (0.7% and 1.7%, P = 0.28).


そうなんですね.

IABPって,そういう位置づけになりつつあるんですね.

「当たり前,効果があるにきまってる」

と,思っているものが,意外としっかりしたエビデンスがないまま使われていることがあるのですね.

今後,IABPは消えていくのでしょうか?



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