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患者さんと家族の気持ち

わかりません.


本日,検診で引っ掛かってしまったので,胸部CT検査を受けました.

検査を受けたりすると,少し患者さんの気持ちがわかります.の様な気がします.

「CTの時に寝る台は意外と気持ちよくて寝てしまいそう.」

「CTの技師さんやさしい」

あっ,患者さんにならなくても気付いてます.技師さんの優しさ.

そして,検査で何もなかった時の安堵感.

おそらく何もないとわかっていても,「もしかしたら・・・」という気持ちが心に引っかかっていました.この1週間.

はい,検査結果はほとんど何もなかったです.

意外と,「ほっ」.


患者さんの気持ちに関連して,診療しながら時々思うことがあります.

「この方は,旦那さん(または奥さん)が脳卒中になって,今何を思っているのだろう.この方が自宅に帰って,何を思いながらどういう生活を送るのだろう.」

私はよく,患者さんやその家族に言います.

「私は,病気になったことはほとんどないし,脳卒中の家族もいないので,皆さんのお気持ちは本当のところではわかりません.ちゃんとした医療を提供することで安心感を持っていただけることができればと思います」

ちょっと,かっこぶってますかね?それとも,不謹慎?不誠実?


脳卒中になった時の気持ち,突然家族が脳卒中になった時の気持ち.

どんなものなんでしょうか.

わかろうとしなければいけないのでしょうが,よく考えても,実感がないものを「わかる」というのは,やっぱり無理だと思います.

でも,それを想像しないと,いつまでたっても普通の人,医療人として進歩なし.

いつか言えるのでしょうか.

「お気持ちはわかります」

一生,無理な気がする.


脳卒中になってもぽっくり逝けません.

後遺症なく退院する人もいます.そういう人を増やす努力を急性期の現場でやっています.

多少の後遺症を残す人もいます.当院のリハビリスタッフによりリハビリが開始され,回復期リハビリへつながっていきます.

結構な後遺症を残す人がいます.働き盛りだけど完全マヒで今までの仕事ができない.言語の問題があり,自分の思いを表現できない.なんとか車いすには乗れるけど,それ以外はベッド上.

これは現実です.

家族はどういう思いでいるのでしょうか.

最近,といってももう5,6年になりますが,在宅診療のお手伝いをさせていただくようになって,少しずつ状況がわかってきました.

思うに,人って意外と図太い.

そりゃぁ,それなりにいろいろ問題もあるのでしょうが,その中で生活を送り,その状況が生活の一部になっている.

ように感じます.

どうなのでしょうか.

知ろうとすることは重要だと思います.

患者さん,家族の身になって考えると,自分の言動のいたらなさに気がついたりします.

わからなくたって,考え続けるようにします.


コメント

  1. 確かに。わかんないものは、わかんないです。
    「わかる、わかる。」と安易に言う人ほどあんまり信頼できないように思います。逆に反発したくなる。

    わからなくても、わかろうとしようとしている姿勢が大事なのかもですね。
    そっちのが相手に受け入れてもらえるような。。。。気がします。

    CT、とりあえず何もなくて良かったね。
    こっちも「ほっっ。。」

    返信削除
    返信
    1. 人と接する仕事って,難しいですね.

      考え続けましょう.

      あんまり語り過ぎても,あれなんで.

      時々は真面目なことも考えるわけです.

      コメントありがとうございます.

      削除

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