スキップしてメイン コンテンツに移動

心房細動を、焼き止める。

心房細動へのカテーテルアブレーション治療。

カテーテルアブレーション治療とは:
足の付根などの太い血管からカテーテルを挿入し、心臓まで到達させます。
そのカテーテルの先端を不整脈を起こしている標的部位に当てて、高周波電流を流し、その部位の細胞を焼いて、死滅させます。

現在のガイドラインでは、薬剤で心房細動が落ち着かない患者にカテーテルアブレーションを考慮するようになっています。

しかし、

ドアは開かれるかもしれません。

first-line(第一選択)の治療として。

Radiofrequency Ablation vs Antiarrhythmic Drugs as First-Line Treatment of Paroxysmal Atrial Fibrillation (RAAFT-2) A Randomized Trial

心房細動患者において
カテーテルアブレーション vs. 薬物治療
ガチンコ勝負。

ヨーロッパとアメリカの16施設。ランダム化比較試験。

カテーテルアブレーション66人 vs. 薬物治療61人
2年間経過観察。

主要エンドポイント:30秒以上の心房頻拍(症候性または無症候性心房細動、心房頻拍、心房粗動)が最初に検出されるまでの期間。

二次エンドポイント:症状を伴う心房頻拍またはEQ-5D toolを使った生活の質評価

結果:                                     

2年間のうち、心房頻拍があった患者
カテーテルアブレーション:36人(54.4%)
薬物治療:44人(72.1%)
ハザード比 0.56, 95%CI 0.35-0.90, p=0.02

2年間のうち、症状を伴う心房頻拍
カテーテルアブレーション:47%
薬物治療:59%
ハザード比 0.56, 95%CI 0.33-0.95, p=0.03


どちらの群でも「死亡」、「脳卒中」なし。

カテーテルアブレーションで心タンポナーデ:4人

薬物治療群:26人(43%)が1年後にカテーテルアブレーションを受けた。

どちらの群も、「生活の質」は1年後に改善したが、その改善度に差はなかった。

まとめ:                                    

最初からカテーテルアブレーション治療を受けた患者と現行治療である薬剤療法を受けた患者を比べると、発作性心房細動の再発は明らかにカテーテルアブレーションを受けた患者で少ない。

しかし、合併症が9%におこり、そのうち4人が心タンポナーデを起こしたことは、無視できないことである。

そして、再発率はどちらの群でも、決して低いとはいえない。



心房細動患者さんは脳梗塞を起こしやすいです。

50歳とか60歳で脳梗塞を起こした心房細動の患者さん退院される時、少し説明に困ります。

心房細動に対するカテーテルアブレーション治療は基本的には心房細動が発症5年以内、そして薬剤不応性であること。

では、

「そういえば、4,5年前から動悸が時々あります。今回、初めて心房細動って言われましたよ。」

という人とか、

「心房細動と言われて、4年です。薬は飲んでないです。最近、動悸がひどいですね。」

という人。

「なんか、えっと、カテーテルとかいうので焼いて治す治療があるって聞いたことがあるんですけど・・・」

「えっ、っとぉ・・・・」

今から薬を始めたら、あっという間に、5年になる。

もう、アブレーションの機会がなくなる。のかな?

「かかりつけの先生と相談してください。」

と逃げてました。

カテーテルアブレーションが良いことは聞いていました。

それで、今回ちゃんとしたデータが出て、今後ますますこの治療がひろまっていくのでしょうか?

最近、循環器内科の先生のご講演を賜ることがよくあります。

その中で、よく話題になっているのが、

「カテーテルアブレーション治療周術期の抗凝固療法」

トピック感を感じる今日このごろです。


コメント

このブログの人気の投稿

NIHSSスコアの基本を再確認。

※付録 NIHSSスコア NIHSSスコアを作ったLyden先生がNIHSSスコアについて書いています。 NIHSSスコアを評価すると、ときどき、 「これ、何点にすべきですか?」 なんて、看護師や、研修医から聞かれて、 「まぁ、1点と2点の間って感じかな?」 と、ぼかしたり、 「思うとおりに評価していいよ。それが、大切だ!」 と、妙に「お前を信頼しているぜ」感を醸し出したりして、 その場を切り抜けていました。 それも、間違いだとは思いませんが、「もっとスッキリしたい」とみんな思っていたのだと思います。 で、このもやもや感を少しでも解消できるかと思って、 Lyden et al. Stroke. 2017;48:513-519 Using the National Institutes of Health Stroke Scale を読んでみましたが、 基本、NIHSSスコアが作られた歴史 的な話ばかりで、 スッキリせず。 期待がずれていたのは、こっちの問題です。 それでも、2つ再確認出来たことがありました。 NIHSSスコアを評価するときのルール すべての項目で、Score what you see, not what you think (診たものを評価する。検者が考えたものではない) すべての項目で、Score the first response, not the best response, except item 9 best language (最初の反応を評価する。ベストの反応ではない。でも、言語の評価はベストの反応で) すべての項目で、Do not coach (コーチしちゃだめ) 項目1aで、May be assessed casually while taking history (会話している間に評価可能でしょう) 項目2で、Only assess horizontal gaze (水平方向の眼球運動のみ評価) 項目5 and 6で、Count out loud and use your fingers to show the patient your count (声を出して数字をカウントし、患者の前で指を折ってカウントすることもす

3度めの正直。日本神経学会専門医合格。

第40回神経専門医試験に合格しました。 合格をいただきました。 3度めの正直なのです。 第38回☓、第39回☓、で今回。 試験結果が出るまで、 「3度目の正直」:「2度あることは3度ある」=1:5 ぐらいの心境でした。 2回不合格だったことは、少しだけ恥ずかしいですが、仕方ありません。 それが、現実ですし、逆に、得られたことも大きかったです。 神経診察を基本からやり直すと、より深く、それぞれの診察の意味と、的確な総合的診断に結びつくことを理解することが出来ました。 疾患についても勉強しなおしました。 あたり前ののことですが、でもそのあたり前(基本)が重要なんですね。 多くの神経内科医は知っていることなのでしょうけど。 今回も試験当日は20分ずつ2部屋で面接試験がありました。1つ目の部屋では、診察の実技です。 面接官の先生はiPadを見ながら、どれを質問しようか考えていらっしゃいました。 おそらく、神経診察の到達目標みたいなのがあって、そのうちの1つか、2つを受験者にさせているのだと思います。 「右麻痺があって、複視がある人の診察をしてください。あっ、意識障害も有るということで」 横に座っている若いお兄ちゃんを診察させていただくことになります。 いつも(3回目なので)思うのは、この普通の人を、病気の人としてイメージしながら診察することの難しさです。 診察しても、麻痺の症状をしてくれるわけではありません。「ものが二重に見える」と訴えてくれるわけではありません。もちろん、意識清明です。 脳神経の2番から順に診察をしていくと、省くことができず、そのまま脳神経診察終了。 ベッドに寝かせて、運動の診察をして、チラッと試験管をみても、何もおっしゃらないので、そのまま感覚、協調運動の診察。チラっと試験管をみても、何もおっしゃらないので、そのまま腱反射、病的反射の診察。そこで、試験管から一言。 「あのー、意識障害もありましたよね」 「あっ。」 かるく、混乱して、最後まで意識障害の診察をせずに終わってしまいました。 やってしまった~と思いつつも、意識の診察を「わかりますか〜」なんて、質問したところで、 「ま、それはいいので」「意識障害があれば、髄膜刺激徴候も必ず診ますよね」

足モミモミポンプ.あれ,意味あるの?

足の静脈にできる血栓.深部静脈血栓症. これが,流れて肺の血管に詰まると, 肺塞栓症. 命にかかわる病気です. 救急で入院すると,看護師に聞かれます. 「フットポンプつけますか?」 また,その書類ももろもろあります. これがフットポンプです. これで静脈血栓を予防します. これって,意味あるんですか? 意味あります.手術後の患者さんに. これまで20以上のランダム化比較試験があり,手術後にフットポンプをつけることは,明らかに静脈血栓の発生率を減らします. じゃぁ,他の状態では? 例えば・・・, 脳卒中. 麻痺があったら,静脈血栓は出来やすいです.静脈の流れが悪くなるから. これまで,急性期脳卒中における,この足モミモミフットポンプの有効性を調べたの研究は2つぐらいしかなくて,しかも有効性を見出すことができませんでした. でも,やっぱり,フットポンプつけています. 良さそうだから. ということで,それを調べている今回の論文. CLOTS (Clots in Legs Or sTockings after Stroke) trial Lancet 2013 CLOTS Trial Collaboratrion. Effectiveness of intermittent pneumatic compression in reduction of risk of deep vein thrombosis in patients who have had a stroke (CLOTS 3): a multicentre randomised controlled trial 多施設ランダム化比較試験です. 対象患者: 急性期脳卒中 .トイレまで自分で歩いていけない人. インターネット登録すると,足モミモミフットポンプグループと,しないグループに分けられます. この2つのグループで Primary outcome: 30日以内の深部静脈血栓(大腿,膝窩静脈) Secondary outcome: 30日以内の死亡,深部静脈血栓(大腿,膝窩,下腿の静脈),肺塞栓,足モミモミフットポンプの合併症(傷,転倒) 結果 Primary outcome 足モミモ