昨日火曜日,FDAから注意喚起がなされました. アジスロマイシン(ジスロマック)は,心停止を引き起こす可能性がある. とくに,もともとQT延長がある,徐脈である,マグネシウムが低い,カリウムが低い,人は注意. QT延長からTorsades de pointsに移行してしまうかもしれない. ちなみに,そのメカニズムはわかっていません. どなたかご存知の方に,私でもわかるように教えてほしい. 抗生物質でQT延長って.こわすぎます. さて,もと論文はこちらです. Ray W, et al Azithromycin and the risk of cardiovascular death N Engl J Med 2012; 366: 1881-1890. アジスロマイシン:347,795人 アモキシシリン:1,348,672人 シプロフロキサシン:264,626人 レボフロキサシン:193,906人 抗生物質なし:1,391,1801人 たくさん. アジスロマイシン:心血管死29人,そのうち心臓突然死22人 抗生物質なし と比べて・・・, すべての死亡:ハザード比 1.85; 95%confidence interval 1.25-2.75, p=0.002) アモキシシリン と比べて・・・,(5日間内服) 心血管死:ハザード比 2.49, 95% confidence interval 1.38-4.50, p=0.002 すべての死亡:ハザード比 2.02, 95% confidence interval 1.24-3.30, p=0.005 シプロフロキサシンと比べて,5日間コースではやはりアジスロマイシンで心血管死が多い(10日間コースでは差がなかったが) レボフロキサシンと比べると有意差はなかったが,アジスロマイシンで心血管死が多い傾向はあった. アジスロマイシンを内服していて,リスクを有する4100人に1人は死亡する. アジスロマイシンの内服期間が長くなるほどリスクが上がる. 心臓のリスクを考えて処方しましょう. というけれど,実際臨床の場で処方する時は,心電図をすることなんてないので,なんだか処方しづらいですね.