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International stroke conference 2019 @ Hawaii



今年のInternational stroke conference はメインの発表がなく、静かです。
その分、ちょっとした、niche な話を聞く事に気持ちが向いて、それはそれで良かったです。






これは、やるべきでは?と思ったのは、眼科領域のOptical Coherence Tomography のAngiography (OCTA)

眼科の先生に教えてもらって、検討してみたい。

血流の多寡を非侵襲的に評価できる、らしい。







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Intensive insulin therapy
SHINE trial

Intensive IV 80-130mg/dL, standard 皮下注射 <180mg/dL

Outcome
Intensive group: Severe hypoglycemia 2.6%

しかし、予後は有意差なし、というかほぼ同じ。

血糖管理はふつうに皮下注射で、いい感じでいい、というnegativeな結果も大切な結果。

まあ、そうです、よね。

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CHANCE trial (ASA+clopidorel vs. ASA alone)とPRINCE trial (ticagrerol +ASA vs. clopidogrel + ASA)のDr. Wang

Minor strokeに対する抗血小板療法は24時間以内に開始して、21日以内まで

Large artery disease も含んでいる。

PRINCE trial の結果は、ticagrerolはclopidgrelに比べて血小板表面に発現するP2Y12 reaction unitの減少が迅速かつ安定しており、90日後の血小板反応性も低下していた。

CYP2C19 のloss of functionの影響を受けないticagrerolが使いやすい可能性がある。

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ENCHANTED trialの血圧版

Alteplase 0.6 mg/kg
Early BP control under tPA. 出血リスクが減るのでは?
<180 vs <140mmHg
Inclusion
>150mmHg
降圧期間1時間以内-72hrs

2198 ITT population
Intensive 1081 vs guideline 1115

Primary outocme
shift comparison mRS at 90-day
No difference OR 1.01
No significant heterogeneity

Safety outcome
ICH as SAE OR 0.59 など出血は減る。

Guidelineグループでも50%近くが降圧している。

Limitations
アジア人が多い。
Mild-moderate strokeが多い— clinician bypass.?
ガイドラインを変えるほどではないが、意味がある結果では?

少し積極的に血圧を下げていいかもしれない。
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MISTIE Ⅲ脳出血に対する手術
Inclusion
>30ml
mRS=<1
Clot retrieve by catheter with CT-based Navigation and infusing tPA
血腫を溶かして吸い取る。

N=506

Primary outcomeの1年後mRS 0-3 に有意差はなかったが、全死亡は少なかった。
また、15ml未満まで血腫が取れた人は予後が良かった。
重篤な合併症は少なかった。

CT-based navigationとカテーテル、さらにtPAを使って血腫を除去するのは、脳出血の一つの治療法になり得る。















静かなISC2019でした。
それはそれで、次にすべきことを考える良い学会でした。

Mobile stroke Unit用のCT.
更に小さくなっている。

このTranscranial Dopplerは上下左右の体動に合わせて動き、
ずれがない。
Automatically に血管をdetectできる、らしい。


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