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第57回日本神経学会学術総会2016 @ 神戸

なおる神経内科をめざして
第57回日本神経学会学術大会

今年は、脳卒中学会総会(留守番のため)に参加しなかったので、こちらに参加しました。

参加して、

「やっぱり神経総会は面白い」

と再認識しました。

脳はカオスです。

疾患のカオス。

血管障害、変性疾患、脱髄疾患、感染、筋疾患、末梢神経障害、腫瘍。。。

いろいろな分野から、多くの発表があり、

へぇ~

とか

ほ~

とか言いながら、発表を聞いていました。

ただ、注意しなければいけないのは、

「神経って、おもしろい!」

って、能天気に言って、それで終わっちゃダメってこと。

ちゃんと患者さんに還元しないといけない。

希少疾病をちゃんと診ることができる人がいなければならない。

common diseaseをちゃんと診ることができる人がたくさんいなければならない。

私は、common disease である脳卒中を専門とする脳神経内科医なので、神経疾患の中で最も多い脳卒中患者さんに還元できるように、今回の学会で勉強していこうと思いました。

そうです、そうなんです。

脳疾患は脳の病気なので、血管障害だろうが、変性疾患だろうが、脳に問題が起こっているので、どこかで病態が重なっているところがあるはずです。

片頭痛性の脳梗塞って、いったいなんなんだろう。

脳梗塞って、炎症が関与しているけど、ステロイドって、やっぱりダメか?

まだまだ考えないといけないことは多いし、より深い。

一人で考えても限界がある。

common diseaseである脳卒中をみる仲間を、後輩を、たくさん巻き込んで、

「ちゃんと」なおる脳卒中をめざして

脳神経内科医として取り組んでいきます。

福井大学の林浩嗣先生
日本医科大学の青木淳哉先生
慈恵医科大学の寺澤由佳先生
目が細い私

同じ釜の飯を食った仲間です。

仲良しです

仲間でもありますが、ライバルでもあります。
切磋琢磨して、日本の脳卒中診療をよりハイレベルに、盛り上げていきましょう。



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