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4月, 2014の投稿を表示しています

tPA静注療法と看護師

当院でtPA静注療法を救急外来で行っています。 その時点から、救命救急ナースが診察や、tPAの準備、開始を行ってくれています。 「tPAします」 と医師が言えば、それに合わせて、あうんの呼吸で、進んでいきます。 ありがたいことです。 思えば、7年前。当院における1例目は、もちろん私の患者さんでした。 その時から、看護師の思いは変わらないと感じています。 「脳卒中患者さんをちゃんとみなければ。」 一生懸命みてくれていました。 そして、その積み重ねで、今はもっとスピーディーに、もっと滞り無く、診療が進んでいくようになっています。 病院の歴史は看護師が作っていくのだなぁと思います。 医師は、入れ替わりますから。 これからも、看護師が目標や目的を持って働けるように、ちょっとだけでも力になればいいと思っています。

脳卒中学生講義

本日は医学部5年生に脳卒中総論、各論の講義でした。 私が脳卒中各論を、上司が総論を講義させていただきました。 そもそも、私達は学生に医学を教えるために医者になったわけではない人がほとんどです。 なので、私に関して言えば、教え方は超絶下手くそです。 今日も、終わって、ダメだったなぁ、といろいろ反省しています。 とは言え、こういう機会を頂いて、学生の皆さんに話をさせて頂いたからには、何かしらのメッセージをお伝えしないと失礼です。 脳卒中は急性期から、ちゃんと診療しないといけない。 急性期治療すべき患者さんに、ちゃんと治療する。 それがあってこその、リハビリテーションです。 「最初が肝心」は医療においてもそうです。 「最初は適当」でいいわけがない。 そういう思いで、気合をいれてやっています。 ということを、テスト問題をどうするとか、ちゃんと考慮しながら、お話させていただきました。 伝え方は、いまいちだったかもしれませんが、ちょっとでも心に響いてくれれば良いかなぁと思っています。

またまた教授就任祝賀会

救急医療教育センターの教授就任祝賀会でした。 私は救急処置の殆どをこの先生から学びました。 数年前、救急部に所属していたので。 当院の救急医療のパイオニアです。 この先生がさらに数年前に、当院に戻られる前、 この病院の救急医療は、なんとも言いようのない、悲しいものでした。 夜は救急外来自動ドアの鍵が閉まっている。 という・・・。 もちろん一人の先生がただ、その組織に収まるだけでは、組織は変わらない。 でも、「思い」があれば変わる。 長崎の救急医療をどうにかしたい。 私がいた時は、4人のスタッフでした。専任は2人。私ともう一人が、兼任。 今では、救命救急センターの教授がいて、専任スタッフが7人。 この先生のエピソード。 福知山線脱線事故のとき、急患対応をしていたある大学病院に、長崎から、まさしく飛んでいって、診療援助をされていた。 そうです。 居ても立ってもいられない。 その情熱。

脳神経外科医の皆さんに感謝です

脳梗塞のあと、閉塞した血管が再開通した後に、脳出血を起こす方がいらっしゃいます。 出血性梗塞。 症状に変化のない出血性梗塞は、結構多くて、比較的大きな脳梗塞の場合はほぼ必発です。 症状の悪化を伴う出血性梗塞は1%弱。 その場合、命の問題に直面することが出てきます。 なぜか。 脳梗塞に脳出血を起こすと、脳浮腫によるむくみと脳出血により、容積が増えます。 増えた容積はどうなるか。 頭蓋骨の中は脳でみっしり。 どこかに容積が逃げ出す孔は? 脳から、脊髄につながるところは、直径3cmぐらいの頭蓋骨の孔があります。 そこは脳幹があります。 脳幹は、生命維持装置です。 呼吸、心臓を動かす、意識を保つ、体温を調節する など、動物の生命の根幹です。 そこに向かって、容積が逃げていけば、 脳幹を圧迫して 命の問題に直面する。 ならば、骨をとって、容積を孔側でなく、骨をとった方に逃せば良い。 開頭減圧術。 やるのは脳神経外科医。 緊急手術。 昼も夜も関係ありません。 もちろん、土日祝祭日も。 手術室へつながる廊下。 私は内科医なので、ここまで。 ここからは脳神経外科の世界です。 私の患者さんをお願いします。 明日からは、月曜日。日常業務もあります。 どうか、問題なく、速やかに終了しますように。 脳神経外科医のみなさん。 いつもありがとうございます。 本当に感謝しております。 我々脳卒中内科医は、脳神経外科医が心置きなく、手術に没頭できる環境=内科的治療は内科医がすべて賄う状況を作るために、これから、これまで以上に頑張らなければなりません。

いつか掲載されたいStroke誌に

Strokeという雑誌は、脳卒中臨床医が日々の論文作成で、もっとも重要視している雑誌の一つです。 先ほど、今回のInternational Stroke Conference 2014( International Stroke Conference 2014 in サンディエゴ )で無料配布されていた、Stroke誌を眺めていると、クリーブランドクリニックのDoloraが、書いた論文が掲載されていました。 私の名前も共著者で入っていました。 初Stroke誌。 でも、主著者として掲載されたいわけで。 これまで何度か投稿するも、門前払いの繰り返し。 私の、周囲の先輩、同僚、後輩が、掲載にこぎつけたことを聞くたびに、 羨ましか〜。 と思っています。 今は、なかなか届かないけど、いつか。 そういう気持ちを味わう今も大切。 と自分に言い聞かせる。 論文内容は、 Addition of Hyperacute MRI Aids in Patient Selection, Decreasing the Use of Endovascular Stroke Therapy MRIを駆使して、血管内治療にたどり着けば、overtriageもないし、安全に治療できますよ。予後も良くなってます。 ってこと。 クリーブランドクリニックにおいて、CT (CT angiography, perfusion含む)をしていた時代と、それにMRIを加えて、診断を行った時代とを比べています。

患者さんの転院搬送

脳梗塞急性期治療がだいたい1,2週間。 その後、リハビリテーション継続が必要な患者さんは、回復期リハビリテーション病院へ転院されます。 だいたい6,7割。 2,3割は自宅に退院。 1割ぐらいは、脳梗塞合併症の診療継続などのために急性期病院へ転院されていきます。 その際、状態が悪いと、院内救急車を利用することになります。 時々、普通の救急車にお願いすることもあります。 院内救急車。 救急車って言っても、基本装備は、時計とライトとティッシュぐらい。 それと、ドクター。 必ず医師が同乗しなければなりません。 基本的には、大きな問題がない状態で転院される方が多いので、ただ乗っているだけということになります。 帰りは、睡眠。 先日、車が止まった感じがあったので、目を覚ますと、 ガソリンスタンドに到着。 していました。 「契約したガソリンスタンドがここなんで」 いや、問題は、そこじゃない。 私、ドライブに来たわけではないので。 こういうことも医師の仕事の一つです。

心房細動患者に冠動脈ステント留置術が必要になったら。

ワーファリン、抗血小板薬2剤。 血液サラサラてんこ盛り。 出血のリスクばかりが上がり、 有効性は疑問視されていました。 triple, mono mono, dualどれにする? 2013Lancet WOEST study それでも、てんこ盛り状態は続く。 なぜなら、ガイドラインが 「てんこ盛りがおすすめです」 って言っているもんだから。 それに終止符が打たれそうです。 American Heart Association, American Collage of Cardiology, Heart rhythm society 3学会合同の心房細動管理のガイドラインが発表されました。 2014 AHA/ACC/HRS Guideline for the Management of Patients With Atrial Fibrillation: Executive Summary Following coronary revascularization in patients with CHA2DS2-VASc score is >=2, it may be reasonable to use clopidogrel concurrently with oral anticoagulants, but without aspirin. (Class Ⅱb and Level B) --冠動脈再開通治療後、CHA2D2-VASc score2以上の患者さんは、クロピドグレルと内服抗凝固薬を使うのがよいでしょう。 アスピリンは使わなくてね。 日本ももちろん変わっていくでしょう。 日本人(アジア人)は特に出血しやすい人種ですので、非常に良いことだと思います。 つい先日も、抗血小板薬2剤(アスピリン、クロピドグレル)と抗凝固薬を使っていた患者さんが、院内で脳出血を発症され、非常に厳しい状態になってしまったことがありました。 他に目についたことを、いくつか。 For PCI (冠動脈ステント術), BMS (bare metal stent) may be considered to minimize duration of DAPT. (Class Ⅱb and Level C)