最近,「”内頸動脈閉塞”による脳梗塞に対しては,tPA静注療法よりも血管内治療かなぁ」なんていう雰囲気があります. 少なくとも私は,「tPA静注療法をやっている時間がもったいないから,”内頸動脈閉塞”による脳梗塞には,すぐに血管内治療をやった方がいいのでは?」とうっすら思っていました. でも,よく考えないといけません. 内頸動脈閉塞には,”頭蓋内”内頸動脈閉塞と”頭蓋外(頸部)”内頸動脈閉塞があります. それを一緒くたで考えるのは違うのかもしれません. 今回は,Archives of Neurologyから. Stroke From Acute Cervical Internal Carotid Artery Occlusion: Treatment Results and Predictors of Outcome Seet R, et al "Stroke from acute cervical internal carotid artery occlusion: Treatment results and predictors of outcome" Arch Neurol 2012; DOI: 10.1001/archneurol.2012.2569. 頭蓋外(頸部)内頸動脈閉塞による脳梗塞患者を後ろ向きに観察して,tPA静注療法を最初にした患者と血管内カテーテル治療だけをした患者を比較しています. ●tPA静注療法:点滴治療 ●血管内カテーテル治療:カテーテルを動脈内に進めていき,直接血栓を回収する. 結果: 単施設での検討で,数は少ないです. total 21人 tPA静注療法:7/13人が3カ月後症状なし~軽度症状あっても日常生活自立(modified Rankin Sclae: mRS, 0-2). 血管内治療first:1/8人が3カ月後症状なし~軽度症状あっても日常生活自立(modified Rankin Sclae 0-2). tPAのほうがいいじゃないですか. tPA静注療法を施行した患者で,3カ月後mRS 0-2を予見する因子は, --良好な側副血行路(オッズ比 20; 95%CI, 2-242; P=0.02) --24時間以内の症状改善(オ