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脳血管内カテーテル治療。やればいいってもんじゃない。Internationalstroke conference 2015

脳血管内カテーテル治療を成功に導く上で、大事なことは2つ。

脳血管内カテーテル治療の前を徹底的にスピードアップすること。
--医師、看護師、救急隊、放射線技師によるチーム医療で治療開始までをスピードアップ。

脳血管内カテーテル治療後の脳卒中ユニット管理。
--医師、看護師、リハビリテーションスタッフによる急性期治療後の管理。

ただ、脳血管内カテーテル治療をやればいいってもんじゃない。

「うちの病院、それできます。」

とただ言っているだけの病院はあるけれど。それだけじゃぁダメなんです。
ちゃんと、スタッフが常に揃った上で、体制を整えておかなければなりません。


J. Mocco, MD, Director of Cerebrovascular Surgery, Mount Sinai Hospital, NY

は、おっしゃっていました。

器具に注目すべきでない。治療(再開通)までをスピードアップすることに注目すべきだ。

繰り返し、話題になっています。

その手段の一つとしてのmobile stroke unitが話題になっています。

ドイツでスタートした現場へ急行する、CT付きの救急車。医師も同乗。

ヒューストンでは48人/5カ月。

クリーブランドでは、1日1人ペース。
tPA静注療法16人、脳出血5人でした。

いずれの施設でも、治療開始までの時間が通常の診療体制よりも明らかに早くなっていました。

素晴らしい!!

でも、長崎ではそぐわないかもしれませんね。

軽乗用車しか通れない道がたくさんありますからねぇ。


Mobile stroke unitの前で、脳外科医3人と一緒に。

スタンフォードに留学中の脳外科医ISZ先生に会いました。

久々で、楽しかったです。


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