Watchman device
ワルファリンによる脳出血が多い日本人にはよいデバイスだと私は思っています(ワルファリンを45日以降に中止するので)が、日本に来るのはまだまだ先だなぁ。
経カテーテル的に左心耳を閉鎖するデバイス。
Boston scientific 提供のYouTubeはこちら↓
FDAの委員会にて。
1回目投票:Watchman device groupの安全性については満場一致でOK。
2回目投票:Watchman deviceが血栓形成や脳卒中予防に有効か?6 対 6に別れる。
3回目投票:Watchman deviceの有効性と安全性について。賛成6人、反対5人、棄権1人。
この委員会はPROTECT-AF trialとPREVAIL trialの結果を元に行われました。
PROTECT-AF(2,3年の経過観察)ではWatchmanはワルファリンに対して非劣性を示しました。
しかし、PREVAIL(18カ月の経過観察)では非劣性を示せませんでした。
※Primary composite outcome:脳血管障害、全身性塞栓症、心臓死、原因不明の死
その理由として考えられること。
PROTECT-AFに比べてPREVAILのワルファリン群の脳梗塞発症率が低いこと。
と述べています。
また、PREVAILはPROTECT-AFより年齢が高く、CHADS2 scoreも高かったことも影響したかもしれません。
良かったのは、
脳出血(HR 0.22, p=0.004)、7日後以降の重篤な出血(HR 0.51, p=0.002)、心臓死もしくは原因不明の死 (HR 0.48, p=0.006)
脳梗塞の発症率を新規抗凝固薬の最近の研究と比べた表は興味を引かれました。
比べることには問題がありますが。
ワルファリンによる脳出血が多い日本人にはよいデバイスだと私は思っています(ワルファリンを45日以降に中止するので)が、日本に来るのはまだまだ先だなぁ。
なんて、のんきなコメントで終わろうと思っていました。
しかし、よくよく考えると、新規抗凝固薬の使用がどんどん増えている現在、もしかするとWatchmanの存在意義はあまりないのかもしれない・・・と思ってきました。
それは、新規抗凝固薬はワルファリンに非劣性で(一部優位性あり)、また、合併症である頭蓋内出血は明らかにワルファリンより少ないです。消化管出血には注意が必要ですが。
Watchmanは脳出血は少ないが、非劣性があるかどうか。
あとは、cost-benefitなどの検討が今後、検討されていくのでしょうか。
お金の問題も絡んでくる。
うーん、いろいろ、難しいですね。
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