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大事なのはサインじゃない、ちゃんと説明すること。

佐世保で行われた研究会で、演者の一人として参加しました。

佐世保の街は大きいです。道も広い。

長崎よりも発展している感じがします。

ただ、少し駅から遠くなると斜面地になるあたりは、長崎と同じ。

演者は3人。

佐世保総合医療センター脳神経外科の林先生から、「急性期脳梗塞に対する再開通療法の過去と現在」

私から、「Door-to-Needle時間短縮の鍵はチーム医療」

そして、最後に中村・平井・田邉法律事務所 田邉先生から、
「弁護医師が語る血栓と出血の法的リスクマネジメント」

非常に興味深い研究会でした。

林先生は、脳血管内治療のスペシャリストです。

2000年より前のデータも提示して話をしていただきました。

MerciからPenumbra, Solitaire, TREVO

急性期脳梗塞の再開通療法は、10年と言わず、この5年で大きく変貌しました。

林先生はそれを、身を持って経験されてきたからこそ、話に重みがありました。

田邉先生の話は、普段聞くことのない医療訴訟の話。

 我々医師は、冷や汗をかいた経験は一度や二度ではありません。

正しいと思った処置、治療などが、必ず、良い結果に結びつくわけではありません。

合併用や副作用の確率は行為などにより様々ですが、”0”になることはありません。

「医療訴訟」は身近な問題でありながら、あまりにも知らない自分がいることに気付かされました。

医療訴訟は2004年をピークに少し減っていたが、最近増えている。2014年900件弱。

内科が1/4と多いですが、医師数に対する訴訟の数は、形成外科が最も多く、2番めは産婦人科です。

美容形成が要因。

一般的に、被告が出廷する普通の訴訟は原告が2/3勝訴します。

しかし、実は、医療訴訟は2割ぐらいしか原告が勝てません。

医療訴訟は人格訴訟といって、「訴えないと気がすまない。」という場合があることも影響しているそうです。

医療事故(刑事)。2012年93件、2015年43件。

病院からの届け出が最も多い。医師法21条。

しかし、実は、外表面に異常がなければ届け出る必要はない。

医療過誤訴訟の鑑定率。
実施率1割ぐらい。
カルテなどをチェックするだけ。

「今日の治療指針」は裁判所にとって重い。開業医はみんな見ていると思っている。

なので、「今日の治療指針」に書いてあるガイドラインの通りの対応をしていないと、専門ではない場合でも敗訴する可能性がある。

また、裁判所は「添付文書」も、非常に重要視します。

それに記載されている通りの使い方をしなかった場合、

例えその使い方が、多くの施設で、行われていて、常識的に問題がない(これを「医療慣行」といいます)、場合でも、患者さんに問題が起きて訴えられた場合は敗訴する可能性があります。

われわれが、時々経験する、入院して検査を続けているのに「もういいから、帰る」という患者さん。

急性期脳梗塞に対する治療のため、検査のために入院していただいて、

「家に帰って、やらないといけないことがある」

などと発言し、「帰る」の一点張りになる患者さんがいます。

その場合、カルテに、

なぜ入院継続が必要か、退院すると、こういう問題が起こり得る、と具体的に記載が必要。

いろいろ記載するのが面倒だからということで、

「患者が早期退院を希望し、退院を許可した」

とカルテに記載し、

もし仮に、翌日に良くないことが起きて、訴訟を起こされると

敗訴する可能性があります。

なぜなら、「患者が早期退院を希望することは当然のこと。」と裁判所が判断した前例があるから。

検査や、治療についての「同意書」にも言及されました。

同意書は、名前をもらうことが大事なことではない。
ちゃんと説明したことが大切。それをカルテに残しておくことが大切。

ということでした。

ともすると、同意書のサインを貰うことが目的になっていることが多いのではないでしょうか。

私も、”サインを貰うこと”が最も大切なことと思っていました。

しかし、これは契約書ではないので、サインを貰ったから、その検査や治療が正当化されるというわけではないということだそうです。

ちゃんと説明したかどうか

当たり前だけど、それが最も大切。

その内容は、カルテに記載されていれば、サインがなくても問題がない。

ということでした。

当たり前といえば当たり前ですけどね。

カルテ記載をしっかりすることがもっとも重要なことを再認識させていただきました。




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