臨床的に脳を知りたければ、脳卒中診療に触れること。 脳卒中は脳のあらゆるところに起き得るので、いろいろな脳の症状が出現し得ます。 当たり前。 患者さんはその症状で大変なのは百も承知ですが、 この仕事を生業としている以上、「おもしろい」と思いながら、やっているわけで、 毎度毎度、その症状に「不思議だ。なんでだ?面白いなぁ」 というかんじになることしばしばです。 患者さんの昼食現場を撮影したこの写真。 左半側空間無視の患者さんの食事です。 おかゆさんは、おそらく看護師の促しで食べてしまっています。 左側を無視してしまい、おかず左半分と、ゼリーを残してしまっています。 お盆の上の左側すべてを無視しますが、何かの拍子に少し見えると、食べ始めて、 その結果、お皿の上で左半分を無視して、左側を残してしまうという感じになります。 見えているのに、認識できない。 一体どんな感じなんでしょう。 なったことがないのでわかりませんが、 患者さんは気づいていないので、苦に思っていないことがほとんどです。 右大脳半球の病変で起きます。 脳卒中患者さんでよくある症状で、飽きるほど診させていただいていますが、 相変わらず、 「面白いなぁ」と思いながら、診療させていただいています。