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12月, 2014の投稿を表示しています

年末年始は電子カルテ停止

本日0時から1月2日お昼まで。 電子カルテシステム移行のため、電子カルテお休みです。 救急患者さんの、受け入れができるだけスムーズに行くように、紙伝票の準備を前もって行っています。 10人分、黙々と準備してくれた、脳卒中センタースタッフと、脳外科D先生、 ありがとうございました。 病棟看護師も、何年かぶりに(5年?7年?)に、看護カルテ等の記載を手書きでやっています。 こういう時は、ミスが起きやすいもの。 そのため、病院として、例年よりも入院中の患者さんは少なくなるように調整をしています。 しかし、救急患者さんは、こんな事情に関係なく、発生します。 当たり前。 粛々と、お仕事がんばりましょう。

MR CLEAN 脳血管内治療の有用性

2014 NEJM A Randomized Trial of Intraarterial Treatment for Acute Ischemic Stroke MR CLEANって、ミスター・クリーンと読んで良いようです。 New England Journal of Medicineのサイトでスライドショーを見ると、そう言っていました。 発症6時間以内で、前方循環の脳血管主管部閉塞のある患者を、 血管内治療+通常の治療 vs. 通常の治療 と、2群にわけて、脳血管内治療の有用性を検討した研究です。 ポイントはmechanical thrombectomy(ステント型デバイスによる血栓除去)がほとんどであるということ。 オランダの16施設で行われた研究。 血管内治療+通常の治療:233人 通常の治療:267人 血管内治療は233人(190人はステント型デバイス、2人はMerci (第一世代であるコークスクリュー型デバイス、1人は血栓破砕、1人は吸引、1人は施行できなかった) 患者背景。 心房細動が少ないのは、不思議です。 発作性心房細動の診断がおざなりになっているのではないかと想像します。 また、重要な事ですが、いずれのグループもtPA静注療法を受けた患者が90%程度います。 結果に直接的に関わることですが、閉塞血管は中大脳動脈水平部よりも近位部がほとんどです。 Primary outcome 90日後の予後(mRS)連続変数として利用 血管内治療+通常の治療群が良かった。 オッズ比:1.67 (95%信頼区間 1.21 - 2.30) Secondary outcome:  血管内治療+通常の治療群がよかった 90日後の予後 mRS 0-1 オッズ比 2.07 (95%信頼区間 1.07 - 4.02) mRS 0-2 オッズ比 2.16 (95%信頼区間 1.39 - 3.38) mRS 0-3 オッズ比 2.03 (95%信頼区間 1.36 - 3.03) NIHSS score 24時間後 2.3ポイント低い (95%信頼区間 1.0 - 3.5) NIHSS score 5-7日後または退院時 2.9ポイント低い (95%信頼区間 1.5

長崎大学病院脳神経内科ホームページ完成

ホームページが出来ました。 長崎大学病院脳神経内科ホームページ まだ、完全に完成はしていませんが、一応体裁は整っています。 もう少し、画像を増やして、見やすくしたいとは思っていますが、まだまだですね。 少しずつアップデートしていきます。 そして、まだ、ロゴができていない。 こちらも、じっくり考えます。 どうぞ、必要なときに、ホームページにお越しください。

薬剤溶出冠動脈ステント術後の抗血小板薬2剤。12カ月?30カ月?

薬剤溶出冠動脈ステント留置後12カ月経ったら、抗血小板薬は1剤にしましょう。 なぜなら出血のリスクが上がるから。 これまで、脳卒中診療医として、梅干しを3個いっぺんに口に入れたくらい、酸っぱくして言ってきました。 いや、3個は言い過ぎた。 いずれにせよ、そう言ってきました。 しかし、最近のNew England Journal of Medicineに、 「薬剤溶出冠動脈ステント留置後の抗血小板薬2剤は30カ月続けた方がいい。」 という論文が掲載されました。 Mauri et al NEJM 2014 Twelve or 30 Months of Dual Antiplatelet Therapy after Drug-Eluting Stents この論文を読んだ感想は、 「アスピリンがダメなだけで、アスピリンとチエノピリジン系薬剤のタッグがいいというわけではないのでは?」 ということ。 つまり、 「チエノピリジン系薬剤(クロピドグレルまたはプラスグレル)単剤を12カ月以降も続ければいいのでは?」 ということ。 読まれた皆様、いかがでしょうか? ・・・・・ 登録された患者さんは薬剤溶出冠動脈ステント留置後12カ月を大きな問題なく乗り越えた方。 つまり、薬剤溶出冠動脈ステント留置後12カ月間の間に、虚血性心疾患や中等度から重度の出血合併症がなく、また脳卒中もなかった人。 つまり、リスクが高い人はこの研究から除外されています。 これは、重要なポイントです。 5020人がアスピリン+チエノピリジン系薬剤。 4941人がアスピリン+プラセボ。 さらにもう一つのポイント。 登録された患者さんは、とにかく「でかい」 体重の平均が91.5kg。って、 こんな体重の人、日本人にはほとんどいません。 このことからも、この結果をそのまま日本人に当てはめるべきでないように思います。 結果: ステント血栓症は、アスピリン+チエノピリジン系薬剤群の方が少なかった。 19人(0.4%)  vs 65 (1.4%), ハザード比 0.29

Neurology 査読・・・。

またもや、Neurologyから査読依頼がきました。 実は、3回目。(1回目はこちら Neurologyから査読のお誘い 、 Neurologyに査読を提出したのです。 ) 2回目は、ちょっと忙しかったので、ごめんなさい、したら、 「その理由を述べなさい」 ということで、適当な理由を書かなければならず、ちょっとげんなり。 3回目は、私の論文に関連した内容だったので、引き受けました。 私の論文が引用されてなかったし・・・。 査読をたくさんしてきた先生にお聞きすると、どうも、1回引き受けると、その後、ダイレクトメールよろしく、頻繁に査読の依頼が来るらしいです。(その先生は100回以上Strokeの査読を引き受けたそうです。今は、断っているのでブラックリストに載っているだろうね。とのこと) 若いうちは、やっておくべきだろうと思い、当面は頑張っていきます。 確かに、勉強には、なります。 普通に論文を読むよりも数倍真剣に見るので、統計のやり方などを、吟味し、勉強することで、自分の次の論文に活かすことが出来ます。 頭がいい人には、いらないステップアップ法かもしれませんが、体で覚えるタイプの人には良い方法かもしれません。