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3月, 2014の投稿を表示しています

3月は別れの季節

桜がよく似合います。 いつか、私も送って頂ける日が来ると思いますが、その時は、かっこよく、さらっと退出したいです。 「あっ、もういない!」 って感じで。 車で、ブーンと海岸沿いを走って、去っていく。 ・・・・ないな。 7,8年今の職場にいることになるような気がします。 いつも新鮮な気持ちを忘れず、4月から心機一転がんばります。 4月までの残り3日間は、古い気持ちで乗り切ります。

地域の病院で語る脳卒中

昨日、地域の病院で、その地域の開業医の先生方もご参集いただき、脳卒中の話をさせていただきました。 「急性期脳卒中診療を行うということ」 と題して話をさせていただきました。 それは、 急性期を含め、慢性期までの「死亡を減らす」ためであることとともに、 さらに大切なことは、 「要介護者を減らす」ということ。 介護保険において、要介護者となる人の大多数は脳卒中を患った人たちです。 患者さん自身も大変ですが、 国民医療費においても、上位にある脳血管疾患を減らすことは大きなインパクトがあります。 脳卒中になったら、リハビリテーションは大切です。 しかし、もっと大切(と信じています)なことは、急性期治療を行うことが出来る人に適切に治療を施すことだと思います。 最初が肝心。 だから、頑張っている。 つもりです。 開業医の先生から質問を頂きました。 「大学病院に紹介して、診断が間違っていても大丈夫か?」 脳卒中の診断は、専門外の先生方にとっては難しいですし、我々でも難しいことがあります。 オーバートリアージ 疑ったら、脳卒中と考えて対応し、検査を行って、脳卒中じゃなかったらしようがない。という対応。 救急隊は血糖測定ができないので、仕方ないのですが、脳卒中ホットラインを介して運ばれてきた脳卒中疑い患者さんが、実は低血糖だった。 ということは、比較的よくあります。 でも、仕方ないのです。 これからも、長崎の脳卒中診療をもっと良くするために、救急の現場で頑張っていく所存でございます。 チーム医療で。

教授就任祝賀会。

第一内科時代にお世話になった膠原病内科の先生が教授に就任され、その祝賀会に参加させていただきました。 研修医時代、そして、国内留学から戻ってきた後も、先生から頂いた言葉で前へ進むことが出来ました。 「先生、大丈夫よ。このままがんばらんばよ。」 先輩の何気ない(何気なくないかもしれませんが)言葉が、後輩を前に進めたり、そこにとどめたりすることがあることを常に肝に銘じて、今後も後輩と一緒に頑張っていきます。 「先生、大丈夫です。このままがんばります。」

左室補助人工心臓HeartMateⅡ。1例目。

HeartMateⅡ植え込み術が、当院で初めて施行されました。 心臓血管外科の先生が病院全体に呼びかけて、術前に勉強会を行い、さらに今後も勉強会が予定されています。 心臓血管外科の先生方の思いが伝わってきました。 患者さんに最良の経過をたどってほしい。 私も勉強しようと思いました。 血栓症による、脳梗塞。 そして、おそらく抗凝固による脳出血。 脳血管障害も重要な問題の一つだそうです。 想像に難くないです。 心臓の動きがかなり悪い患者さんや、心臓移植を待つ患者さんには良い適応であります。 しかしながら、十分な注意が必要なようです。 Unexpected Abrupt Increase in Left Ventricular Assist Device Thrombosis 2011年まで3ヶ月後までの、機械に関連した血栓症が2.2%。 しかし、2013年までは、8.4%に増えいていました。 しかも、血栓ができるまでの中央値が18.6カ月から、2.7ヶ月まで短くなっていました。 血栓ができるとLDHが3倍まで上がっていました。 血栓があって、人工心臓を取り替えた患者さんや心臓移植を受けた患者さんの6カ月死亡率は、血栓がない患者さんと比べて差はありませんでした。 しかし、そのまま薬物療法で経過をみられた患者さんの6カ月死亡率は48%に登っていました。 理由はわかっていません。 と、Cleveland ClinicのStarling先生。 ちなみにCleveland Clinicは初めて心臓バイパス術をした病院。 LDHの厳重な経過観察が必要で、もし血栓ができていることが確認されればすぐに再手術を検討しなければならないようです。 患者さんの状態は悪いでしょうから、再手術も大変です。 さらに、最近、4人の患者さんが、おそらくコントローラー操作が関連した死亡であったことが、製造元のThoratec社から報告されています。 固定型のバッテリーからの、携帯用バッテリーへの交換の時の操作ミスなんだと思います。 他に5人が、失神などの灌流不全症状を起こしています。 ちゃんと講習を受けているのでしょうが、やっぱり数が多くなると、ありうることです。

脳卒中学会総会2014 パート2

今年は、看護師が2つ発表してくれました。 お疲れ様でした。 今後の看護に生きるいい研究だと思いました。 「失語症患者に対する対応」 「脳卒中患者のQOL」 脳卒中後の”うつ”がとても重要であることがわかりましたね。 お陰で次の課題が見つかりました。 急性期の治療をするだけではダメなのは、わかっていましたが、さてどうしたものかわかっていませんでした。 取っ掛かりの一つのようです。 うつ、というかPTSD、というか。 脳卒中を経験した人の4人に1人はPTSDである. この中で、「脳卒中の後遺症が怖い、のかもしれない」と書きましたが、外来で話を聞いていると、「脳卒中になった時のことが怖かった」とのことでした。 自分の思うとおりに動かない手足。 それは、確かに恐ろしいことかもしれません。 今回は、薬剤師の先生も発表してくれました。 「脳出血と抗血栓薬の関係」 そういえば、医師の学会への薬剤師の参加が、あまりないということに気づきました。 というか、ほぼない。 薬剤師の参加費、看護師より安いし。 というか、薬剤師の参加を見越していないので、「その他の医療従事者」扱いだし。 脳卒中はチーム医療だし、薬剤師が病棟に配置されている昨今。 薬剤師の先生はもっと医師の学会に参加していただいたほうがいいのかもしれませんね。 発表した皆さんお疲れ様でした。 私は、すぐ帰ったので見ることができず、残念でした。 来年は、みんなで終わったあとに打ち上げしましょう。

脳卒中学会総会2014

今年の脳卒中学会総会は大阪国際会議場で開催されました。 朝一番の飛行機で到着し、発表し、アメリカ留学時のボスと話して、教育講演を少し聞いて、新幹線・特急で帰崎します。 もっと、ちゃんと参加したいですが、うちの脳卒中センターはスタッフが少ないので仕方ないです。 少しは、他の先生の発表を聞いて、 「もっとがんばらんばなぁ」 と、刺激を受けました。 外務省の先生ともお話できました。 厳しい質問をいただきましたが。 クリーブランドクリニックの内野先生と川崎医大の青木先生、慈恵医大の 若手ホープ作田先生。 作田先生がんばってください。

2014脳卒中学会総会の準備

ポスター作成所にて、ポスター作成中。 看護師が2演題発表してくれます。 ポスター作成を自分ですると、業者に頼む場合の1/5ぐらいですみます。 ので、自分で作成。 薬剤師の先生も、今回発表してくれます。 私は、口演なのでポスターいらず。 私の上司は座長で参加。 脳神経外科の先生方もたくさん発表します。 学会が楽しみです。 日帰りだけど。

脳神経外科教授退官祝賀会

先日、脳神経外科教授退官記念祝賀会にお招きいただき、出席させていただきました。 「お世話になった長崎の先生方を招いて、謝恩会のような形に」 という、教授のご意向に沿われた、とてもアットホームな祝賀会でございました。 そのなかで、サプライズゲストとして、京都大学名誉教授の菊池晴彦先生がご出席されてました。 菊池先生がある病院の脳神経外科部長をされている時に、一緒に働いたことがあるそうです。 また、もう一つのサプライズとして、お二人のお子様からのビデオレターがあり、さらに会が暖かな雰囲気になりました。 昔から、今も変わらず、車が好きで、運転がすごい、というエピソードでした。 我々の脳卒中内科医へのコメントも、教授から、また、ご来賓の先生のスピーチからも多数いただきました。 脳神経外科の手術件数は右肩上がりです。 そこに、脳卒中センター開設と、その後の発展が関与している。 という、コメントでした。 非常にありがたいお言葉でした。 脳神経外科教授退官祝賀会に、脳卒中内科の話をしていただけるとは・・・・。 今後も、脳神経外科医が手術に専念できるように、もひとつのモットーに、緊褌一番がんばります。

CT、MRI増えます

4月から、CT、MRIが1台ずつ増える。みたいです。 いつの間にか、工事が始まり、なんだかあっという間に、 CT3台 MRI4台 体制。 患者数が増えているから、 だと思います。 MRIは6時過ぎまで、平日勤務帯の検査を行っています。 検査技師さんも大変です。 病院としても、時間外勤務のコストがかかるので、大変です。 で、機械を増やす。 という単純なわけではないでしょう。 難しいことは置いといて、 我々、脳卒中診療医は、MRIが増えることは大歓迎です。 これまで、救急患者さんのMRI検査は、うら寒い通路を通過し、遠くの、地下にあるMRI検査室までお連れしていました。 今度からは、救急外来の目と鼻の先にあるところで検査できるようになりそうです。 去年のこと。 MRI検査室まで連れて行く途中で、呼吸が止まった患者さんがいて、ものすごく困ったことがありました。 ちょうど中間地点。 行くべきか、戻るべきか。 あの時は、久しぶりに焦りました。 幸い、緊急のカテーテル治療までうまくいき、歩いて自宅退院されました。 救急診療は、診療している医師にとって、いろいろな決断をしなくてはならないので、そういう余計な精神的ストレスが減ることは、良い決断に結びつきやすいと思います。 ところで、MRIが4台になるのは、我々、脳卒中診療医のせい? おかげ?  もあるんでしょう。 患者さんは年々増えています。

脳卒中外来で考える生

75歳男性。 脳血管に狭いところがあり、経過をみさせて頂いています。 癌も患っていらっしゃいます。今は落ち着いていますが。 「もうね、あと2年生きられれば十分よ。先生。あんまり、欲かいたらいかん。孫が生まれてある程度成長して。それが見られたけん、よか。本当は、孫が成人するまでと思っとったけど、こがん病気(癌)もあるし。」 「こん病気になって、診てもらった先生には、ものすごく感謝しとるとよ。治療のたびに、毎回毎回、丁寧に説明してもらって。安心して、治療ば受けることのできた。だけん、その先生とか、家族のために、やれるだけのことはやる。けど、もうそれ以上は仕方なか。」 アメリカとか、ヨーロッパの主要な国とか、個人主義が強い人たちと、日本人は違います。 日本人は他者を気にします。 良きにつけ悪しきにつけ。 でも、それが日本人の宗教みたいなものかもしれないなぁ、と最近思います。 人のために頑張った自分にすがるというか、頼るというか。納得するというか。 ちょっと大げさですが。 「自分のためにする」、よりも、「人のためにする」、ほうが、自分の限界を広げることが出来る様な気がします。 自分が死ぬ時も、「人のために頑張ったなぁ」、と自己満足したほうが、すっきりあの世に行けそう。 ・・・・・。 もう一点。 私は、自分の目標「世界基準の脳卒中診療を、長崎のどこででも受けることが出来る」を達成するためには、急性期診療を行う総合病院で働くしかありません。 若い人を育てるために。 そうしていると、この患者さんのような人を看取ることができません。 急性期診療を行う総合病院では、落ち着いたら、ほかの病院へ転院するか、自宅に帰ります。 医師の仕事。「生命の誕生をサポートする」、「生を維持する」、そして「死を見届ける」 自分が診させていただいた患者さんの看取りまでさせてもらいたい。 と思っていますが、それは当面できそうにありません。 欲かいたらいかん、ですね。