先日,脳外科の先輩ドクターと一緒に,私の患者の気管切開術を行いました. いつも,外科的治療について,ご指導いただき,ありがとうございます. 気管切開は,広範な脳幹梗塞で,せざるをえず. という感じです. 気管切開をすると,そこから挿入したチューブにより食道が圧迫されて,食道の蠕動運動が悪くなり,飲み込みはさらに悪くなります. ですので,気管切開は熟慮して,施行を決定します. 気管切開術は,甲状軟骨(のど仏)の下の,輪状軟骨から一横指(1cmぐらい)下に切開を入れて開始します. 首が短い人は難しいです. さらに皮下脂肪などの軟部組織が多いと,気管が後ろの方にななめ深くなるので, 難しいです. 今回は,両方あり,さらに肩の下にまくらを入れても,首をそらす姿勢にならず,施行前から,緊張感がありました. 案の定,いつも以上に出血があり,甲状腺をうまくよけることができず,30分以上はかかっていたと思います. 今のところ問題はありません. 脳卒中急性期診療. 生死の問題に直面しうる疾患. いろいろな状態の患者さんがいらっしゃるのが現状です.