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11月, 2016の投稿を表示しています

ハイムリック法、実際やった人の話。

ハイムリック法とは、 気管に食べ物などをつまらせて、呼吸ができなくなった人に対して行う異物(食べ物など)除去の方法です。 気管に異物を詰まらせた人の後ろにまわり、両手を前に回して、みぞ落ちあたりで組み、「ぐっ」と、みぞおちを圧迫します。それにより、異物が口から「ぽん」と 出てくるのか? といつも疑問でした。 ICLS, JMECCのインストラクターで指導しながらも、 半信半疑でした。 でも、 出てきました。 院内のコーヒーショップで、コーヒーを買い、店を出ようとしたとき、右側の視界で、前傾姿勢になって、苦しそうにしているご高齢の男性がいらっしゃいました。 そのとき、チョークサイン(両手を首に当てて、苦しそうにしているサイン)、なんてしていません。 前傾姿勢で、小さく前にならえ、をしている感じ。 咳をしようとしているのですが、できず、声も漏れてきません。 ICLSとかJMECCで繰り返し、インストラクターをしてきたおかげで、特にひどくテンパることもなく、でも多少は焦りましたけど、 「後ろに回りますね」 とひと声かけて いちハイムリック、にハイムリック、(やっぱ効かないな、どうしようかな) さんハイムリック、「せー、せー(呼吸の音)」(少し息、漏れてきた?) よんハイムリック、ごハイムリックッ 「けぽ」 っとサンドイッチを噛んで塊になったものが飛び出てきました。 喋れるようになりました。そして、いつも指導している通り、 「救急外来にいきましょうか」 と、車椅子でお連れし、救急ナースと、ドクターに引き継ぎました。 ちゃんと学んでてよかった。 私の中では、小さな子供が飴玉をつまらせて、それを解除するイメージを持っていたのですが、 よく考えると、当たり前ですね。ご高齢の方など嚥下機能が低下している人に多いに決まっています。 その方も、当院の脳神経内科外来にかかっていらっしゃる、球脊髄性筋萎縮症の方でした。 嚥下機能低下がある患者さんを多く診療する、私達脳神経内科医は、必ず、やり方を知っておくべき手技ですね。 そう確信しました。

ロートル診療とデジタル診療

7:20 朝カンファランス前の病棟。 デジタル研修医:カタカタカタ(タイピング音)、、、カチッカチッ(クリックの音) ロートル医師「状態イマイチのあの患者さん、どう?昨日と比べて」 デジタル研修医:「えーっ、おしっこは出ていて、血圧も変わりないみたいです。脈は・・・」 ロートル医師:「ちょっとちょっと、患者さん診たの?」 デジタル研修医:「いや、まだです(何か問題?)」 ------------------------- 電子カルテになってから、幾度となく繰り返されるダイアログ。 「患者さんのことを五感で感じて(ときに第六感も使って)、評価しないと、医師としての臨床能力は養えないのになぁ。」 と、研修医と接しながら思いつつ、 「これも時代の流れだし、電子カルテを先に見て、情報を得た上で、診察することも、全く悪いわけではないし・・・」 とも思いながら、 かれこれ10年近く。 診療現場は、変化し続けています。 実は、これって、世界的なことなんです。 私のクリーブランドクリニックのボスも言っていました。 「今のレジデントは守られているから、時間外労働の問題があって、早く帰ったり、呼び出しが全くできなかったりして、大変。昔は、しばらく泊まり込んでたのにね」 変化しているのはアメリカも一緒。 この変化は 良いこと? 悪いこと? 仕方ないこと? 皆さんはどう思われますか? NEJM 2016; 375: 1813-1815 に興味深い寄稿がありました。私の適当な訳なので、著者の意図からずれているところはあると思いますので、その程度の気楽感じで、読んでください。 Meaning and the Nature of Physicians’ Work 一日の仕事時間のうち、40-50%はコンピューターの前にいて、カルテを見たり、オーダーを立てたりしている。 他の時間は、看護師、栄養士、患者家族、他院の先生(※)との電話対応に時間をとられ、face-to-faceの話し合いはほとんどない ※原文:specialists, pharmacists, nutritionists, primary care offices, family members, social worker

International Stroke Conference 2017 oral presentationって・・・、マジですか。

もーね、大変です。 どきがムネムネします。 苦節、なんとか年。 初めて、oral presentationに選ばれました。 演題に立って、話すパターンです。 (oral presentationになったのは、moderatorが日本の先生ということもありそうですが・・・) 一応、ISCで口演をすることと、Stroke誌に自分の論文が載ることが目標だったので、 その一つが達成されて、すごくいいことでは有るのですが、 やっぱり、やばいです。 キンチョーします。 以前、アメリカに行っていたときに発表の機会があって、 全く質問がわからず 半泣きで、半失禁で、演台を降りた記憶が脳裏をよぎります。 いや脳の中か、脳表ではない。 どっちでもいい。 でも、別に失敗しても死ぬわけではないので(精神的には死ぬかもしれませんが)、楽しめるように頑張ろうと思います。 誰か、質問をハンドリングするコツを教えてください。 ISC2017に参加される皆さん。 ヒューストンで会いましょう。 誰か、観光する場所についても教えてください