Anderson et al. NEJM 2017 Cluster-Randomized, Crossover Trial of Head Positioning in Acute Stroke 脳卒中急性期に、 「何が何でも、頭をあげずに、フラットで安静」にするのは、脳灌流にはいいかもしれないけど、肺炎のリスクは増えるのでは? とは言え、 「頭を上げていい」というと、脳浮腫にはいいかもしれないけど、やっぱり灌流が落ちるのでは? ということで、これまで 考えつつも、エビデンスがなく、 脳梗塞患者入院時の指示で、 「ギャッジアップ〜〜度」を (※ちなみにギャッジアップって英語、ないですから。伝わりませんから。Gatch先生の論文らしいですので、グググってみてください。) 常識の範囲内で、適当に、記載してきました。 しかし、この論文のお陰で、それとも、おさらば! というわけにはいかないのでした。 そんな簡単には行きません。 いや、むしろ、はっきり言って、脳卒中の臨床をやっている医師の疑問には答えきれていない。 脳梗塞85%, 脳出血8%ぐらい、TIA2%ぐらい、脳卒中もどき5%ぐらい。 で、登録した患者を細かく分類していないのでしかたないか。 また、その安静度の持続時間が24時間だけなので、出づらいのでは? 私が、知りたいのは、 脳主幹動脈が閉塞している患者は0°がいい? 重症なら30°がいい? など。 でも、数が多いので、すごくなくはない。 オーストラリア ブラジル 中国 チリ コロンビア インド スリランカ 台湾 イギリス 全体で1000例ぐらい。 クラスターランダム化:「個人」単位でランダム化するのではなく、今回は、「国」単位でランダム化。 さらに、それぞれの国で、前期と後期で、フラット群、30°アップ群をクロスオーバーする方法を取っています。 ---------------------------- ---------------------------- 結果 両群で差なし primary outcome -- 3カ月後の状態(予後, mRSを順序変数として扱う) 0° vs. 30° オッズ比:1.01 (0.92-1