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Stroke Doctorが進路を示し、Emergency Nurseが舵を取る、脳卒中超急性期診療

と題して、本日、救命救急ナースと勉強会を行いました。

ありがとうございました。

tPA静注療法は、脳梗塞発症4.5時間以内に使用することができる、血栓溶解薬です。

点滴で行えるので、病院内であればどこでもできます。

大切なことは、この薬は、早く投与すればするほど、患者さんの治療効果があがるということです。

当たり前の話ではありますが。

tPA静注療法。当院では、救急外来で行っています。

つまり、来院から治療開始まで、すべて救急外来で診療しているということです。

救命救急ナースの役割。

とても重要。

ということで、看護研究を行うことになりました。

研究課題:Nurses of emergency department Guide stroKe team to early thrombolytic treatment within 48 minutes from hospital arrival.

NGK 48 study

来院から治療開始までの時間が48分以内の患者は現在23%。

それを40%ぐらいに増やすことで、全体の治療開始時間がもっと短くなる。

それが目標です。

tPA静注療法は来院から点滴開始まで60分以内が、最低限の目標です。

しかしながら、CT検査の4倍時間がかかるMRI(当院ではMRIができない人以外は、すべてMRIで評価しています)で脳梗塞を評価すると、60分は厳しいことがあります。

当院においては、さらに、「工事中」がネックになっています。

MRI室までが回り道になって、遠い、遠い。

しかし、それを言い訳にしていると大学病院の名が廃る。

ということで、来院から治療までの時間を、看護師がsystematicに動くことで、さらに短くしようということがNGK 48 studyのねらい。

本日の勉強会が第1歩です。

すでに始まっています。

医師、放射線技師、検査技師を巻き込んで、よい治療をよりよく提供するようにがんばりましょう。


看護師の皆さんが、どうすれば早く投与できるか、討論しております。

この絵だけで感動でおなかいっぱい。

コメント

  1. 忙しい中ありがとうございました
    やっと第一歩踏み出せました
    うまく舵をとれるか分かりませんが、どう舵を取って行けばいいのかをみんなで共有することが大事ですね
    やっぱチームワークだなぁって感じました
    声を掛け合っていきます

    NGK48

    なんばグランド花月
    って解釈したスタッフがいましたよ
    先生なら大体見当がつくと思います 笑

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。

      これからの医療、医師個人ではやっていけません。わかっているようで、わかっていない、ことかもしれません。

      看護師がいて、放射線技師がいて、検査技師がいて、みんな違うポジションだけど、同じベクトルであることが重要です。

      やなお。

      削除

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