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脳血栓回収療法の話。血管のくねくねは再開通しにくいよ。術後出血も多いかも。

脳血栓回収術をしていて、 血管の蛇行 (Tortuosity)ががあると、 「これは、カテーテルが上がりにくそうだ」 なんて、思うわけです。 上がりにくいだけではなくて、 1. 再開通(初回でのほぼor完全再開通)が得られにくい。 2. 術後の脳実質出血も多め。 という、国立循環器病研究センター 脳血管内科・脳神経内科 高下先生の論文。 目の付け所がすごい。 さすがです。さすがのStroke誌。 Koge et al. Stroke 2022 蛇行 (Tortuosity)の定義 イメージしやすいように補足しました。 頭蓋内、海綿静脈洞部の内頚動脈の蛇行 (Tortuosity) 頭蓋外、頸部内頚動脈の蛇行 (Tortuosity) 3パターン どっちも(頭蓋内、海綿静脈洞部 / 頭蓋外、頸部内頚動脈) 蛇行 (Tortuosity) First pass effect (FPE 最初の血栓回収でほぼor完全再開通 (TICI 2c or 3)) 少ない。 どっちも(頭蓋内、海綿静脈洞部 / 頭蓋外、頸部内頚動脈) 蛇行 (Tortuosity) 術後脳実質出血 多い 日本人の高齢の女性では、おそらくアジア以外の外国人に比べて蛇行が多いはずです。 地方で再開通療法をやっていると、都会よりも高齢者が多くて、予後が悪いなぁと思っています。 ただ、今回の検討では3ヶ月後の良好な予後、死亡には蛇行 (Tortuosity)は大きく関与していませんでした。全体的に高齢者が多かったからでしょうか(蛇行群 80歳、非蛇行群 77歳) また、蛇行 (Tortuosity)のある患者さんに対する血栓回収のやり方で (ステント回収only, 吸引only, ステントと吸引combined)で差はありませんでした。 分節型のステントがいいかも、と考察で引用されていました。 Kaneko et al. J Neurointerv Surg 2018 すばらしい論文でした。 勉強になりました

脳血栓回収療法の前のtPA静注療法。SKIPする合理的理由は今のところない。

つまり、tPA静注療法やれるならやりましょう。 ということ。 久しぶりのブログ。 脳血栓回収療法前のtPA静注療法、必要ですか問題。 時間の無駄だから、 出血のリスクが上がるから、 脳血栓回収療法だけでよくない? 日本医大の鈴木先生が中心となって行った、SKIP trialでは非劣性示されず、 SKIP trial. Suzuki et al. JAMA 2021 ヨーロッパのOpen-label, 多施設、ランダム化比較試験でも非劣性は示せず、 MR CLEAN-NO IV trial. NEJM 2021 しかし、中国からの報告では非劣性が示され、 DEVT trial. JAMA 2021   DIRECT-MT trial. NEJM 2020 もう、どっちなんだい? という状況が続いていました。 今回は、SWIFT-DIRECT trial. ヨーロッパから。 SWIFT DIRECT trial Lancet 2022 非劣性マージンは12%。 やっぱり非劣性示せず。 ※ IV alteplase=tPA静注療法 ※ Thrombectomy=脳血栓回収療法 層別解析でも非劣性示せず。(図の通り) 症候性頭蓋内出血:差なし 5/201 (脳血栓回収療法のみ) vs. 7/202 (tPA + 脳血栓回収療法) 有効な再開通:脳血栓回収療法のみ群で少ない 91% vs. 96% (リスク差 -5.1%, 95% CI -10.2 - 0.0, p=0.047) tPA静注療法は禁忌がない限り、やったほうがいいでしょう。 ただ、いつもtPAをスキップするかどうか悩むのは、 虚血の範囲が大きい時。 大手術ってどこまでが大手術? ってこと。 5日前の人工関節置換術は大手術でしょうか? だれか教えてほしい。 脳血栓回収療法前のtPA静注療法どうするか問題は、次のDIRECT-SAFEで一旦終わり、だと思います。おそらく、そう大きな変わりはないと思います。 将来的にはアルテプラーゼの次世代薬、tenecteplaseでも同様のことが行われることになるでしょう。

8月9日は長崎原爆の日。その記憶について

 今年の原爆の日はコロナウイルスの影響で、平和祈念式典は一般参加者なしで行われました。 原爆投下、つまり終戦から75年経過し、その日を経験した方が徐々に少なくなっていきます。 私達のもとへ入院される方はご高齢の方が多いので、時々気がけて、 原爆の日のこと 戦争当時のこと を聞くようにしています。 その際に、いつも、少し驚くのは、 多くの方が、自分の当時のことを、子供や孫に話してはいない、ということです。 今回、話を聞いた女性も、これまで話したことは、ほとんどないとのことでした。 「自分の記憶が、いろいろな情報で、変わっている可能性があるから」 とおっしゃっていました。 確かに、人の記憶ほど、信用ならないものはありません。 正しいことは多いですが、細部は違うことは日常茶飯事だし、 この方がおっしゃるとおり、その後の経験や情報で、記憶が書き換わることはよく知られている事実です。 ただ、本当にそれが理由なのかどうかはわかりません。 当時15歳で、女子挺身隊として働いていたそうです。 職場は爆心地から3kmぐらい。 おそらく原爆による熱線で、近くに積まれていた材木が燃えいて、その脇を、火を避けながら歩いて、5kmぐらいの同じ職場の人の家に一晩泊まったそうです。 翌日、爆心地から1km程度離れた山の斜面にある家に、浦上川を越えて帰宅されました。 浦上川には、焼けただれた人や真っ黒になった人、生きている人、生きていないと思われる人、がたくさんいたそうです。 小学校から原爆のことを聞いてきた長崎市民は、すぐに想像できる光景です。 絵や文章、作成された映像、 で、これまで何度となく目にしてきました。 その光景は、 「こわい」「原爆はひどい」「かわいそう」 などネガティブな感情とセットで心に浮かんできます。 しかし、今回話を聞いた女性は 「何も感じなかった」 とおっしゃっていました。 「自分が生きるのに一生懸命だったから、それどころじゃなかった」 自宅に戻ると家族がいて、当日帰ってこなかったので、「死んでいると思っていた」、と言われたそうです。 一方で、当時の怖かった記憶は、 「空襲警報の音」と「爆弾が落下して爆発する音」 だったそうです。 当時、空襲警報がなり、爆弾が落ちる、ということは 切迫した命に関わる危機 として、ありありと実感していた、ということだと思います。 今で...

コロナ禍で、脳卒中患者さん、減ってるような気がしていましたが、これ、私だけが思っていたわけじゃないようです。

5月から6月、脳卒中患者さんが少なくて、もうどうしようかと思っていました。 患者さんが少ないことはいいことです。 しかし、発症した患者さんがちゃんと搬送されていないのではないか? このままだと、患者さんもそうですが、研修医や臨床実習の学生にも良くないなぁ などと思っていました。 他の脳卒中を診療する病院ではどうなんだろう。。。 これ、世界目線でも見てみると、 やっぱり、減っている! らしいんです。 アメリカオハイオ州北西部の患者データで、 緊急事態宣言が出てから、 脳卒中患者さんも、脳卒中telemedicineも、tPAも 有意に減少していました(脳血栓回収術は有意差なし。) Uchino et al. Stroke 2020 Decline in Stroke Presentations During COVID-19 Surge 内野先生は、私のクリーブランドクリニック留学時の上司です。 長くアメリカにいるので、アメリカ人気質と日本人気質を両方持つ、尊敬する人です。 Uchino et al. Stroke 2020改変 これは、オハイオ州だけではなく、ブラジルでもドイツでも同様の報告がなされています。 Diegoli et al. Stroke 2020 Decrease in Hospital Admissions for Transient Ischemic Attack, Mild, and Moderate Stroke During the COVID-19 Era Hoyer et al. Stroke 2020 Acute Stroke in Times of the COVID-19 Pandemic A Multicenter Study 感染を恐れ、軽症脳梗塞が受診していない可能性が考えられています。 Social distancingやStay-at-home、Telework が脳卒中の発症率を減らしていたりして、、、。 そんなことは、ない、とは思いますが、、、。 SARSやMERSのときも同じように脳卒中の減少傾向があったそうです。 しばらく、COVID-19問題は続きます。 患者さんの来院は増えるのだろうか。 今は、デスクワークや、未来に備える地道な仕事をしっかりこなしておこう。

COVID-19パンデミック状態での脳卒中急性期ケア

当院は西の果てにあり、2020年4月5日現在、コロナウイルス感染が問題となっていることはあまりありません。 しかしながら、小さな問題はちょこちょこあったりして、 嵐の前の静けさ 感が強いです。 関東、関西、では脳卒中ケアをどうしていくか、目前に迫った問題として、たくさんの脳卒中専門医がメーリングリスト内で情報共有を行っています。 そのおかげで、この西の果てでも前もって準備しなくては。 という気持ちになっています。 そんな中、Stroke誌から、COVID-10パンデミック状態における急性期脳卒中ケアにおける指針が発表されました。 Protected Code Stroke. Khosravani et al. Stroke 2019;51:00-00. Protected CODE STROKE (PCS) とネーミング 大切なことをまとめると、以下のようになると思います。 (1) 来院前に救急隊や転送してくる病院から、発熱などの情報を得ておく。 ここが一番大切!!と繰り返し強調しています。 (2) PCS対応患者とわかれば、個人防護服 (PPE)。エアロゾル発生の可能性があれば、さらにN95マスク。PPE後に患者にsurgical maskをつける。 (3) FiO2<0.5状態はできるだけ早めに気管挿管。移動前に集中治療医や救急救命医に呼吸管理を相談。 (4)  慌てない 。ウイルスを撒き散らさないために。 -- 必要ならば救命室への搬入はゆっくり。 -- PPEの脱いだり着たりは他の人にチェックしてもらう(チェックリスト利用) -- PPEの脱いだり着たりは練習しておく。 -- 他病院のものを持ち込まない。 PCS適応になる患者は?--------------------------------------------------- 大きく3つのパターン。 1. 現場から救急搬送される患者で、Infection control screen陽性または、感染流行地域への移動歴あり。 Infection control screen: 発熱, 咳, 胸痛, 呼吸困難, 頭痛, 筋痛, 嘔吐や下痢 2. 他院からの搬送患者で、infection contr...

ヘディングってたしかにガツーンて来る。そして、神経変性疾患になる、かも。

中学、高校とサッカーしてました。 ヘディングが一応武器でした。 背高い方だったし。 ヘディングでボールを跳ね返すとき、 結構「ガツーン」と来ます。 しばらくサッカーしてなくて、久しぶりにサッカーして、そのときになんとはなしにヘディングしたときの衝撃は びびります。 こんなことしてたんだ、俺。 って思うほどです。 私、今、幸せにも健康です。 将来的にも体的には元気だと思います。 でも、頭的には認知症になるかもしれない。 という論文。 The New England Journal of Medicine 元プロサッカー選手の神経変性疾患による死亡率が高い。 スコットランドの元プロサッカー選手7,676人と一般住民23,028人比較 後ろ向きコホート研究 一次エンドポイント:神経変性疾患死亡率 ※神経変性疾患:  原因が明らかでない認知症  アルツハイマー型認知症  アルツハイマー型以外の認知症  運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症など)  パーキンソン病 結論: 中央値18年の追跡で、いわゆる死亡診断書を見直してチェックしています。 すべての死亡は、 元プロサッカー選手 15.4%<一般住民 16.5% プロサッカー選手で、体は健康。 だから、一般人と比べて、70歳までの死亡は少ない。 でも、70歳を超えると、元プロサッカー選手の死亡率が高くなる。 なんでだろう。 死亡診断書に記載された直接死因は、 血管障害による死亡や肺癌死が少ない。 でも、神経変性疾患による死亡は高い。 ここらへんが関係ありそう。 (※ちなみに脳卒中死は差がありませんでした) 死亡診断書に記載された直接死因と、死亡に関連した原因をあわせてみると以下の表のとおりでした。 なんでこんな結果になったのか。 論文内では直接的には表現されていないけど、 次のサブ解析で、その意図は明らか。 ゴールキーパー vs フィールドプレイヤー ヘディングの頻度が大きく違う。 死亡は差はなかったが、 認知症薬処方率が、フィールドプレイヤーで多かった( OR:0.41、9...

脳卒中センター開設8周年。

2011年10月1日に脳卒中センターが開設されてから8年経ちました。 おめでとうございます。 ありがとうございます。 個人的な話。 2011年3月19日クリーブランドでの留学のため、日本を発ちました。 ちょうど震災の年でした。 成田空港は省電力のため、薄暗く、 アメリカのトランジットの空港で、数人のアメリカ人から、 「まあ、日本から?地震は大変だったわね。あなたは大丈夫だったの?」 的な言葉を多くもらったのをよく覚えています。 本当は1年以上の期間留学する予定でしたが、脳卒中センター開設にあわせて早期帰国をする事になりました。 もっとアメリカで勉強したかったんですけど、そういう運命だったのだろうと思っています。 それから、脳卒中をする内科医は、2人から6人になりました。 思ったより増えてはいませんけど、 まあ、それも運命というか、そんなもんなんでしょう。 脳卒中を見る内科医を取り巻く問題はありますが、 現場での努力が足りなかったということでしょう。 魅力を伝える そのためには自分が魅力を感じていなければなりません。 ついつい、日常の診療に、忙しさにかまけて、新しい展開への挑戦が足りていない。 「いつもの」仕事に追われて、多忙にしていると、なんだか 「仕事したな!」 っていう感じになりますけど、 なんだか違う。 「多忙は怠惰の隠れみの」 だそうです。 あー、納得。 そうだったのか。なんか、生産性がないなあと思っていました。 新しい展開にチャレンジしよう。 脳卒中を見る内科医の魅力をひろげよう。 科研費締切まであと2週間をきりました。

リスクを有する心房細動患者へのカテーテルアブレーション。そんなバカな、な結果なのかどうか、CABANA trial

心不全合併心房細動患者へのカテーテルアブレーションは、薬物療法に比べて、死亡または心不全を減らすという結果が、CASTLE-AF試験で得られました。 心不全合併心房細動患者に対するカテーテルアブレーションは有効。しかし脳梗塞の予防効果はまだわかっていない。 リスク低減効果は約40%。 個人的に興味があるのは、脳卒中をやっている身とすれば、アブレーションをすることによって脳塞栓症の発症を抑制できるかどうか、ということになるわけですが、 CASTLE-AF試験では、差は出ませんでした。 アブレーション: 5/179 (3%) vs. 薬物: 11/184 (6%) HR 0.46; 95%CI 0.16-1.33; p=0.15 そもそも脳塞栓症発生数が少なかったことも影響したかもしれません。 今回のCABANA試験 Packer et al. JAMA 2019 Effect of Catheter Ablation vs Antiarrhythmic Drug Therapy on Mortality, Stroke, Bleeding, and Cardiac Arrest Among Patients With Atrial Fibrillation The CABANA Randomized Clinical Trial 登録症例数がアブレーション群、薬物治療群それぞれで1000例を超えており、期待が持てます。 更に期待が持てるのは、脳卒中リスクを1つ以上有する65歳以上の患者を登録していることです。 脳卒中リスク: 高血圧、心不全、脳卒中の既往、糖尿病、他の心疾患 んが、結果は微妙な感じになりました。 世界10カ国126病院 非盲検ランダム化試験 2204人の有症候性心房細動患者が登録されました。 ITT解析では、アブレーション1108人 vs 薬物治療1096人 Per-protocol解析では、アブレーション群987人 vs 薬物治療1096人 Primary end point 複合エンドポイント(死亡、重篤な脳卒中、重篤な出血、心停止) Secondary end pointは13項目 1. 全死亡 2. 全死亡 or 心血管病による入院 3. 全死亡, 脳卒中, or 心...

発症時間が不明でもMRI画像次第でtPA静注療法が可能に。

tPA静注療法は脳梗塞発症から4.5時間以内の患者に施行できる点滴治療です。 脳梗塞急性期治療だけでなく、脳梗塞患者の治療・ケア全体においても、大きな転換点となった治療です。 その適応が拡大というニュース。 脳卒中学会から、 静注血栓溶解(rt-PA)療法適正使用指針 第三版が発表されました。 日本脳卒中学会HPより その中で、 発症時間不明でも、画像次第では、tPA静注療法を行うことが検討可能になりました。 具体的に、どういうことかと言うと、 ------------------------------------ 例: 前日の21時に普段どおり就寝。 翌朝6時起床時から、すでに右麻痺あり。 (21時から6時の間に発症しているが、発症時間を断定することは不可能。つまり、「発症時間不明」) 8時に救急外来に来院。 8時15分、頭部MRI撮影。拡散強調画像(DWI)で高信号が出現しているが、FLAIRではまだ高信号になっていない。 (DWI +/FLAIR -) tPA静注療法施行を検討可能! という流れ。 ------------------------------------- 今までは、発症時間不明のときは、tPA静注療法が施行できませんでした。 しかし2018年に、WAKE-UP trial WAKE-UP trialのメインの結果。発症時間不明、発見から4.5時間以内の 患者を二重盲検でtPA群とplacebo群に分け、3ヶ月後予後を評価 tPA群がPlacebo群より3ヶ月後予後が良好、という結果に。 MRI-Guided Thrombolysis for Stroke with Unknown Time of Onset Thomalla et al. NEJM 2018. からポジティブな結果が出て、世界各地で進んでいた同様の研究も、その結果をもとに、研究を中止したほどでした。 日本では、対照群はPlaceboではなかったものの、同様のTHAWS trialが国立循環器病研究センター中心に行われており、2018年7月に早期終了の運びとなりました。 そして、2019年3月21日から23日に開催された脳卒中学会を機に、tPA静注療法の拡大が発表されたというわ...

九州で脳卒中を診る内科医は悩みながら日々診療してる

毎年、神経学会九州地方会が福岡で行われる3月に、 脳卒中診療を行う内科医があつまって、研究会を行っています。 今年は、九州の脳卒中診療の現状と課題を各県の先生方に話していただき、情報共有を行う形をとりました。 1. 各県とも、脳卒中診療が充実していない地域がある。 -- 県庁所在地から離れている、山間部(必然的に県境が多い)などでその傾向あり。 そこで発生した急性期脳卒中をどう診療するか。 ヘリコプター? 確かに、一つの方法だが、夜間や天候不良は運用できない。 そんなときは仕方ない、陸路で運ぶしかない。 2. 現状では、九州すべての地域で、均てん化された(どこの地域でも、同質の)脳卒中診療を提供できているとは到底言えない。 -- それならば集約化。 しかし、搬送手段の問題が生じる。 地域での足並みの揃い具合の問題もあり、各県ともに最も悩んでいる問題の一つ。 熊本や鹿児島は、組織的に、そして、現場の先生の継続的な努力で、現状の把握に取り組んでいました。 詰まった脳血管を再開通させるカテーテル治療。 集約化だけでは、カバーできない現実に、均てん化の要素も取り入れようとしている現状が見えてきました。 日本全国のデータ( RESCUE-Japan project )では、各県の脳血管内カテーテル治療の充実度の差を明らかにしたデータが提示されています。 しかし、各県の"中"での地域格差は示されていません。 九州から、各県内の脳卒中診療充実度の地域格差を出して、さらに地域に即した提言を行っていき、改善していくことは、住民の安心につながるはずです。 3. 脳卒中診療を行う内科医が、順調に増えているか、というとそうではない。これは各県で格差あり。 一部の県では危機的な状況にあります。 脳外科の先生方が頑張っているわけですが、脳外科の先生には手術を頑張ってほしい、と多くの人が思っていると思います。 脳梗塞の多くは手術が不要です。脳出血も手術になることは10−20%程度でしょう。 脳卒中診療は歴史的に脳神経外科の先生方が頑張ってきた歴史の上に成り立っています。 そろそろ内科、がんばらんばでしょう。 3. 基礎研究を脳卒中の領域で行っている内科医が限られている。 -- これは、脳卒中診療の忙しさが...

ある患者さんの話。シベリアと、長崎と。

「良子さん、昨晩は眠れましたか?」 山下良子さん(仮名)83歳女性。 脳梗塞で、1週間前に入院したが、幸い症状は消失し、そろそろ退院間近。 笑顔がチャーミングな女性。 私は、せっかく長崎で医師をしているので、戦争当時の話を、とりわけ原爆投下当時の話を、時間と、本人の症状、が許せる範囲で聞くようにしている。 終戦から74年。 もうじき、この世代の方々もいなくなる。 もちろん、本人に断りを入れてから当時の話を聞くようにしているが、案外、拒否されることはない。 多くの方が、 「話そうとは思っていたんだけど、自分から話すようなことでもないし」 と言った返答がほとんどである。 今回の話も、良子さんは、やはり自分の子供にはほとんどしていなかった。 また、 「誰にも話していないんだけど」 という内容まで聞かせていただいた。 私は、単なる一医師なので、作家や記者ではない。 突っ込んで聞けないことが多々あった。 それでも、平和な時代だからこそ、そして、世界の情勢が目まぐるしく変わる、こんな時代だからこそ、 私たちは、戦中戦後の、あの時の話を知っておくべきなのかもしれない、と思います。 少なくとも、私は自分の子供には伝えたい。 話の最後に、良子さんが漏らした一言は、当時を経験した彼女だからこその言葉だと思いました。 「もし、総理大臣が「戦争をする」と言ったら、真っ先に(首相のもとに)駆けつけて、乗り込んで、やめさせます」 -------------------------------------------------------------------- 良子さんの話 1945年、おそらく満州の北の方に住んでいました。 満州に移住したのは、他の家族と同様、父の仕事の為でした。 父は当時45歳で、銀行の支店長をしてました。 母は移住して一年目に病気をして、病弱な人でした。 私は、1945年の終戦前に先に帰国して、長崎に戻っていました。 自分では覚えていないのですが、いとこが言うには、私が「早く帰りたい」と言ったから、らしいです。 私は、長崎で、 両親と妹と弟は満州で 終戦を迎えました。 父は帰国の途中で、ロシアの人に捕まり、抑留されました。 母と妹、弟はそのことは知...

論文がpublishされました。

論文がギルガメッシュされました。 いや、パブリッシュ。 Journal of the Neurological Sciencesへ Pubmedへ 投稿から採択まで、長かった・・・。 major revisionで帰ってきてから、約3ヶ月かかりました。 はっきり言って、私は”粘り勝ち”だと思っています。 4人の査読者からの膨大な質問事項。 査読者の皆さんは「まさか、この膨大な量に対応してくることはないだろう」と思っていたのではないかと、思っています。 そこに対応することで、「人情を動かす」 妄想:査読者A「まさか、この難題に対応してくるとは、感動したぜ。ACCEPT!!」 みたいな。 査読者の感動した顔を妄想しながら、意地でも、頑張りました。 査読していただいた、世界の先生方、 ありがとうございました。 ------------------------ 論文の概要 ほぼ、入院時のデータで脳梗塞患者の90日後の予後を予測することが可能かもしれません。 "DONE score" (最低スコア21.5、最大スコア83) ちょっとややこしいのですが、このtabel 3に従って、計算していきます。 脳梗塞90日後死亡の独立した因子を4個採用しています。 本論文のポイントは、心臓の拡張障害が含まれていることです。 64点以上だと 31%が死亡。 82%が歩けない、寝たきり、死亡。 という結果。 問題点は 単施設のデータであること。 計算がちょっとややこいこと。 脳神経内科、脳神経外科、循環器内科、そして統計解析のお手伝いを頂いた先生方のサポートのおかげです。 また、看護師や放射線技師、リハスタッフ、薬剤師、歯科医師 言ってしまえば、メディカルソーシャルワーカー、救急隊 さらには90日後の予後を評価しているので、回復期リハビ病院や、かかりつけの先生方も、 この1本の論文作成に寄与していただいています。 臨床データの論文って、そんな感じですね。 そして、1208人の患者さんからデータを頂い...

International stroke conference 2019 @ Hawaii

今年のInternational stroke conference はメインの発表がなく、静かです。 その分、ちょっとした、niche な話を聞く事に気持ちが向いて、それはそれで良かったです。 これは、やるべきでは?と思ったのは、眼科領域のOptical Coherence Tomography のAngiography (OCTA) 眼科の先生に教えてもらって、検討してみたい。 血流の多寡を非侵襲的に評価できる、らしい。 ------------------------------------------------------ Intensive insulin therapy SHINE trial Intensive IV 80-130mg/dL, standard 皮下注射 <180mg/dL Outcome Intensive group: Severe hypoglycemia 2.6% しかし、予後は有意差なし、というかほぼ同じ。 血糖管理はふつうに皮下注射で、いい感じでいい、というnegativeな結果も大切な結果。 まあ、そうです、よね。 ---------------------------------------------- CHANCE trial (ASA+clopidorel vs. ASA alone)とPRINCE trial (ticagrerol +ASA vs. clopidogrel + ASA)のDr. Wang Minor strokeに対する抗血小板療法は24時間以内に開始して、21日以内まで Large artery disease も含んでいる。 PRINCE trial の結果は、ticagrerolはclopidgrelに比べて血小板表面に発現するP2Y12 reaction unitの減少が迅速かつ安定しており、90日後の血小板反応性も低下していた。 CYP2C19 のloss of functionの影響を受けないticagrerolが使いやすい可能性がある。 ----------------------------------------------- ENCHANTED trialの血圧...

脳卒中・循環器病対策基本法が全会一致で可決成立

脳卒中・循環器病対策基本法が12月10日衆議院本会議で、全会一致で可決、成立しました。 2009年に脳卒中対策基本法が提唱され、 政権が替わったり、 未曾有の東日本大震災があったり、 法案自体の行く末は、そのときどきで紆余曲折ありましたが、 2018年「脳卒中・循環器病対策基本法」という形で成立しました。 この法案可決にご尽力された先生方は、ご高名な方ばかりなので、 「ご尽力に感謝いたします」 と私が言っても、「いやいや、末端のあんたが、変でしょ」、感が半端ない いや、ぱねー、ので、 そんなことは言わず、 私達世代は、その恩恵、利益を、未来を見据え、しっかり国民に還元していかなくてはならない、と身が引き締まる思いが、 今、少ししています。 という、気持ち。妥当。 私が、考える、この「脳循対策基本法」(の略でどうでしょう。)の最大の目標は、 「健康寿命の延伸」 脳卒中は日本人の死因の第三位ですが、 1. がん、2. 心疾患、3 脳血管疾患、4 老衰、5、肺炎、6 不慮の事故、7 自殺 要介護疾患の第一位です。圧倒的に。 要介護5はいわゆる「寝たきり状態」 現状把握が重要ですので、 「全例登録」 が行われると大きいと思います。 2006年がん対策基本法制定後に、「がん登録」が法制化され、2016年より全例登録されるようになっています。 それが、がん患者さんの状態や、地域ごとのがん診療の状態、それらの経年経過の把握につながり、 どこに力を入れれば、より良いがん診療を国民に提供できるか、の理解に繋がります。 しかし、「じゃぁ、OK、やりましょう」とすぐにならないのは、準備や、お金の問題もありますが、プライバシーの問題もあります。 個人の病気のことも、個人のプライバシーです。 大雑把な議論では、よろしくないわけです。 が、このことについて、国民の理解を得ることは、そう難しくないような気がしますので、ぜひ早急に進めていきたい部分だと、一脳卒中診療医としては思います。 脳卒中、循環器病診療において、もっとも手間とお金がかかるところは、どの部分でしょうか? 予防? 急性期治療? 回復期・維...

週4時間は体を動かして余暇を楽しもう。脳卒中発症しても症状軽く済みます。

週4時間仕事以外の時間で、体を動かすこと (light physical activity: light PA)と、 もしくは 週2,3時間、ランニング等、少し負荷の強い運動 (moderate physical activity: moderate PA)をすること(もっと負荷のある競技スポーツも含めて)は 脳卒中発症時に軽症であることに関連していた、 という論文。 カウチポテト族やっぱだめだね、という論文。 Reinholdsson et al. Neurology 2018. Prestroke physical activity could influence acute stroke severity (part of PAPSIGOT) light PA 体を動かすことは、そこまで頑張らなくてもOK。 通勤時に自転車使うとか、歩くとか、家族とのウォーキングでも可。 卓球、ボーリングも含めています。 ガーデニングや釣りもOK、って、それもいいのかな。 4時間は結構長いですが。 moderate PA 週2,3時間 ランニング、水泳 テニス、バドミントン(卓球より負荷強いってことですね) そして、ヘビーなガーデニング。 ヘビーなガーデニング? 畑耕す程ってことか? (一番下にスケールの説明を載せています) --- 対象 スウェーデンのSahlgrenska University Hospitalに入院した患者2233人の脳卒中患者を対象とし、後ろ向きに検討しました。 inclusion criteria: 初発の脳卒中、脳卒中ユニットに入室、NIHSS scoreとPAを評価している患者 exclusion criteria: 以前に脳卒中の既往あり、データ不十分。 評価するのは来院時の神経症状(NIHSS score) mild: NIHSS score 0-5 moderate: NIHSS score 6-14 severe: NIHSS score (15-24) very severe: NIHSS score >=25 mild と moderat...

脳卒中センター開設7周年

2011年10月1日に脳卒中センターが開設され、 7年目に突入しました。 開設当初は、脳神経外科サポートのもと、内科医だけでしたが、 現在は、脳神経内科、脳神経外科一緒に運営しています。 私達のいいところは、開設当初から脳神経内科と脳神経外科が協同して診療するという、理念が実質化しているところにあります。 当たり前のことですが。 当たり前のことを、当たり前に行っていくことは、 案外、難しかったりします。 大きな脳梗塞で入院し、内科で対応していても、脳浮腫により開頭減圧術が必要になれば脳外科医にバトンタッチ。手術室へ向かうことになります。 私達、脳内科スタッフは、脳外科医への敬意を忘れてはなりません。 もちろん、脳内科スタッフの頑張りがないことには、この関係は築けないことも知っています。 結局、目の前の患者さんに最大限寄与するよう努力することが、内科だろうが外科だろうがすべての基本になります。 この眼の前の患者さんを診療することが、地域の脳卒中患者さんを診療することにつながっていきます。 それを広げるために、仲間を、若いスタッフを、増やすことが、とても重要です。 脳卒中「診療」で地域に貢献。 脳卒中「教育」で地域に貢献。 これが私達の思いです。

リベンジ、地中海食。脳卒中予防に効いてるぜ!

だいぶブログ休んでました。 他の仕事をしなければならないので、あまりブログに時間をさけない。 世の中の、仕事しながらブログ書いている人というのは、すごい能力があるんだろうなぁ、 と、ものすごく実感として感じています。 時折、 「ブログ見てます」 と声掛けをしてくださる方がいるので、何かしらの影響を及ぼしていると考えるとやめられない。 いつも、「いや、最近書いていないから、恐縮です」って梨本さんばりに返事するというパターンも飽きたので、 今後もブログ続けていきます。 今日は、気になる論文チェック、ということで、始めます。 地中海食の心血管病一次予防効果は? Estruch et al. NEJM 2018. Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet Supplemented with Extra-Virgin Olive Oil or Nuts スペインでの多施設共同研究 対象: 7447人(男性55-80歳、女性60-80歳)。 心血管病リスクが高い人(心血管病を起こしていない)  ― 糖尿病あり  or  ― 以下のうち3つ該当  喫煙、高血圧、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、肥満、  若年の虚血性心疾患の家族歴(一等親血縁者。男性: 55歳以下, 女性: 65歳以下) 3群比較 -- エクストラヴァージンオリーブオイル強化地中海食 (オリーブオイル提供あり) -- ナッツ強化地中海食 (ナッツ提供あり) -- 低脂肪食を指導された通常食 (オイルもナッツも提供無いけど、small nonfood giftsあり) 年4回の教育セッション 一次エンドポイント:心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、心血管死、全死亡) 2013年にこの研究は一度NEJMに掲載されましたが、 プロトコール逸脱 -- 非無作為化の家族が登録されたこと -- ランダム化する前に登録された人がいたこと -- 11地域中1地域でランダム化がちゃんとされていない地域があったこと があったので、自主的に取り下げられていました。 私もブログしてたんですね。 5年前...

癌関連静脈血栓塞栓症。エドキサバンは悪くない選択肢。(でも本当かなぁ。本当だろうけど)

大学病院で診療していると、癌関連の脳梗塞患者さんを診療させていただくことは比較的多くあります。 癌細胞が血栓形成を誘発する物質を出しているから。 特に静脈血栓が多いことは知られています。 これまで、ヘパリンは有効かもしれない、とされていましたが、明らかなエビデンスではありませんでした。 癌は、 凝固カスケードを開始させる「組織因子(Tissue factor)」を放出したり、 ムチンがL-セレクチンやP-セレクチンと結合して、微小血栓を作ったり、 低酸素が内皮や血小板を活性化したり、 システインプロテアーゼが第Ⅹ因子を活性化したり、 いろいろ、血栓傾向に寄与しています。 ヘパリンは、そのいろいろに作用するので、効く、という理屈。 Varki etal. Blood 2007 Trousseau's syndrome: multiple definitions and multiple mechanisms 抗血小板薬やワルファリンは「いろいろ」には作用しないので、 効かない、という理屈。 海外では低分子ヘパリンの皮下注射 Dalteparin(自己注射)が使われますが、 日本ではDalteparinは保険適応ではないので、仕方がないので バイアスピリンを使ったり、ワルファリンを使ったり、使わなかったり、注射するのにコツ(エア抜き)がいるけどヘパリン皮下注を患者さんが自己注射したり。 このような状況で、 みんな思います。 なんか突破口はないかなぁ。 経口直接抗凝固薬DOAC、どんどん使われてるけど、癌関連静脈血栓塞栓症にはどうなんだろ。 理屈では効かないけど・・・。 経口直接抗凝固薬DOACが、幅を利かせて、5年強。 非弁膜症性心房細動の塞栓症予防や、静脈血栓塞栓症、心房細動合併冠動脈形成術後の塞栓症予防など、徐々に適応を広げて来ましたが、 今回は、さすがに だめじゃないかなぁ、と個人的には思っていました。 だって、DOACはちょーピンポイントに作用する薬だから。 ダビガトランは第Ⅱ因子にピンポイント リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンは第Ⅹ因子にピンポイント (ピンポイントっていっぱい書いていると、ルー大柴さんの植毛のCMを思い出しました) 癌による血栓...

第37回日本脳神経超音波学会 @神戸 脳卒中まだまだ未解明なこと多いです。

脳卒中だけでなく神経疾患全体の診療において超音波検査は、 病態解明の一端を担う重要なツールです。 その年次総会(2018年6月8日 - 9日)。 大きな学会ではないですが、超音波検査をしまくっている私達にとってはとても重要な学会です。 今回の学会は面白かったです。 刺激される発表が多かったです。 杏林大学の平野教授といっしょに座長もさせてもらって、勉強になりました。 神戸までスカイマークで行ってきました。 神戸空港は長崎空港からダイレクトに行けて、かつ学会場は空港からポートライナーで10分位で、ちょー便利。 むしろ、長崎市内から空港までが遠くて不便。 車で行くと、高速代と駐車場代で4000円ぐらいかかる。 バスだと安いけど、早朝は家からバス停までの移動で時間がかかるし。 誰かに愚痴ってる。 お金を払うという行為が嫌なのではなく、もう少し、空港はこっちに近づいて来ないかなぁ、という、 無理線のグチ。 今回の学会で、 一番、 すっごいなぁ、 と思ったのは、 広島大学木下先生の国立循環器病研究センター時代に経験した患者の発表でした。 内頸動脈が嚥下による舌骨の動きで、舌骨が内頚動脈をつっぱらかせて、舌骨の外側にあったり内側にあったり、 ぱたぱた動く。 Flip-flop phenomenon. その部分の血管内腔にプラークを形成する。 脳梗塞を起こす。 発表後、聴衆の興味ビンビンさが会場全体に充満していました。 このことはすでに、九州医療センターの徳永先生がこれまた国立循環器病研究センター時代に発表してたのですが、 第4回九州脳卒中カンファランス Tokunaga et al. Circulation 2015 Repetitive Artery-to-Artery Embolism Caused by Dynamic Movement of the Internal Carotid Artery and Mechanical Stimulation by the Hyoid Bone 今回、特にすっごいなぁ、と思ったのは、 会場から 「この変化は、どのくらいの割合であるんですか?」 という質問に、 「最近論文になったのですが、、、」 と、すでにまとめて論文にしている、という。 Kinoshita et al. ...

第65回麻酔科学会学術集会で脳卒中を話す。大入り満員、その意味は?

脳卒中診療について話してきました。 麻酔科学会総会で。 医師人生で、そんな経験をするとは思っていませんでした。 自分の専門でない学会で話をさせていただく機会は、そうあることではなく、とても光栄なことです。 以前、救命救急センターに所属していたときに、上司だった女医のN先生に推薦を戴いたことがきっかけでした。 リフレッシャーズセミナーという45個ある枠の1枠をいただき、「脳卒中に気づく、治療につなげる」と題して、話をしてきました。 他をみると、ほぼ全てが、麻酔科領域の話で、 かつ同じ時間に他の会場でもリフレッシャーズセミナーの講演があっていたので、 会場に着く前は 「どうせ、脳卒中に興味がある麻酔科医はそんなにおらんやろうし、他の話のほうが麻酔科医にとって興味を引く話だろうから、たぶん、集まるのは2, 30人ぐらいやろ。でも、折角、聴きに来ていただいたからには、一生懸命伝えるぜぇ」 なんていうふうに、テンションを上げていました。 しかし、いざ、会場に入ると、 大入り満員の、優秀な麻酔科医だらけ。 たぶん2, 300人。 テンション上がるどころか、緊張で脇汗がシャツにしょんでいく一方。 やばい、 小学校の時の、一人で歌うの歌のテストくらい緊張する。。。 内容は、脳梗塞急性期治療の話などを麻酔科の先生が従事する領域の話と絡めて話を進めていきました。 会の形式は、多分、いわゆる「講師」として話す、というスタイルなのでしょう、講演を進行する座長はおらず、 「それでは始めます」 みたいな感じで、一人で始めて、 「以上です。ありがとうございました。」 と、一人で終わる。 という、学生への講義みたいなスタイルでした。 ちゃんと面白く話ができたかどうか、伝わったかどうかはわかりませんが、 一生懸命に話しはしましたので、とりあえずは、それで良し、とします。 終わった後に、数人の麻酔科医から質問をいただきました。 少なくとも一部の先生方の琴線に、多少は触れた証左なのだろうと勝手に思い込んでいます。 ただ、やはり、 なぜ、立ち見が出るほどの大入り満員だったのか? という疑問が残ります。 ひねくれている私。 なんに対しても裏があるのでは? いつでも、多...