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3から4.5へ

2012年9月から日本においても,tPA静注療法の適応が3時間から4.5時間に延びました.

これは欧米に遅れること,3年です.

遅い?

tPA静注療法自体の日本における認可は,アメリカから遅れること10年でありました.

それと比べると,今回の対応は,以前の日本の対応に比べるとかなり早くなったと思います.

※tPA静注療法:
脳血管につまった血の塊を溶かそうとする点滴治療.発症から4.5時間以内の時にのみ使用検討可能.
これにより,「無症状または,症状が軽度あっても日常生活を問題なく遅れる状態」になる人が,治療しないより,1.5倍に増えます(25%→40%弱ぐらい).
勘違いしてはならないのは,これを使うとすべての人が良くなるわけではないこと.
最も問題となる合併症は脳内出血.


今回,治療適応が,発症から治療開始3時間から4.5時間に延長されるにあたり,日本脳卒中学会から緊急声明が出されました.


その中で,「81歳以上」,「脳梗塞既往に糖尿病合併」,「NIHSS値26以上」,「経口抗凝固薬投与中」は,3時間の時より,より慎重を期さなければならない.

とコメントがありました.

これは,欧米の方針と合わせて,足並みをそろえているわけですが,投与してはダメというわけではありません.

実際,「80歳以上」の高齢者へのtPA投与は,脳出血を増やすとか,そうでもない,とかいろいろな意見があるようです.また「ワーファリン内服中」の患者で,発症から3時間以内のtPA静注療法により,最も問題となる合併症である「脳内出血」が増えるということはないことは言われています.

ワーファリン内服中で,PT-INR < 1.7の患者さんに対して,3時間以内にtPA静注療法
Xian et al. 2012 JAMA. Risks of Intracranial Hemorrhage Among Patients With Acute Ischemic Stroke Receiving Warfarin and Treated With Intravenous Tissue Plasminogen Activator

baseline characteristicsを調整して,ワーファリン使用者と非使用者で症候性脳内出血を比較すると,OR 1.01, 95%CI 0.82-1.25.他の合併症も変わらない.


当院でも,先日3時間30分でtPA静注療法を行いました.

幸い,症状は劇的に改善し,投与中に消失しました.

ワーファリン内服中で,PT-INRは1.59でした.

すべての人にいい効果のある,夢のような薬はありません.

症例を重ねても,過去の悪くなった患者さんのことが頭をよぎり,正直,ビビります.

でも,やるべきことをやるしかないですね.


tPAと,診察する研修医.

おつかれさま.

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