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European Stroke Conference 2018 @ Athens で口演した、の巻

今年も、また味わいました。

やっぱり演題登録時に、

「口演、ポスター、どちらでも」

を選択しなけりゃよかった、

と、どうしようもないのに、どうしようもないことを後悔している。

セッションの一番目の発表。

緊張で、ドキがムネムネ。

European Stroke Conference 2018 @ Athensでoral presentation (口演)しました。

発表したい演題をインターネット登録するときに口演発表かポスター発表か、いずれかを選択するのですが、今回もどちらでもを選び、結果

口演

去年、国際学会初公演の経験(※)は済ませたので、なんとかなるか、と軽い気持ちで。

International stroke conference 2017 at Houstonで口演してしまった。

とはいえ、ポスター発表も大変そうでした。
このポスター講演はe-posterで、
さらに内容の説明をしないといけないので
むしろ、口演よりド緊張するかも。



内容は、Embolic stroke of undetermined sourceは心疾患リスクを持っている。

という話。

今、私が主に取り組んでいる課題です。

高名なHennerici先生が座長で、光栄でした。

私はそのセッションのトップバッターだったので、最前列に座り、その時を待ちます。

セッションが始まる前に、Hennerici先生が少し話をされ、

私は、ドキがムネムネ状態なので、あの演壇に立つことで頭がいっぱい。


Hennerici先生が話し、一呼吸おく。

立石立つ。

Hennerici先生、話し出す。

立石座る。

Hennerici先生が話し、一呼吸おく。

立石立つ。

Hennerici先生、話し出す。

立石座る。

を後2回位繰り返して、

Hennerici先生、

「最初の発表者は…、君だね(間違いなく)」

間違いありません。


刑事に捕まる犯人よろしく連行される気分で演壇へと向かったのでした。 

発表の後、

なぜBNPを因子に選んだのかと聞かれて、聞いたその背景を読み取れず、Hennerici先生の満足する答えができたかどうかわかりませんでした。

終わった後に、少し話もできて、脳卒中の世界で末端に位置する私にとって、とてもうれしい機会でした。


今年は、European Stroke Conference 2018 @ Athensに参加しました。

ヨーロッパと冠がつく学会なので、たくさん人がいて、会場も広いんだろうと、思って会場につくと、


学会場ロビー。メインが会場はこの右手で、



International stroke conference
のメイン会場の1/5ぐらいの広さでした。
企業の展示はなんと、たった1社のみ!!

その小ささにびっくり、でした。
メイン会場1つと、サブ会場が2つ。

そして、30人ぐらいしか入らない超小さな部屋が2,3つ。

日本のメインではない学会と同じスケールです。

そうなると必然的に内容も新しいものはなく、



DAWN studyの結果が発表されたEuropean stroke organization conferenceの1歩も2歩も後塵を拝している感じです。

総じて、虚血が広がらないとか、Endovascular Rxの予後良好にはCollateralが重要という話が多かったです。
特に新しい内容の発表はなく、DAWN trialとDIFFUSE 3 trialの結果について、改めて話がありました。

ただ、DIFFUSE 3 trialの方は、inclusion criteriaがDAWN trialよりゆるく、
DIFFUSEに組み込まれた患者で、DAWNでは除外される患者(40%)のデータについて話があり、それらの患者のデータも変わらず良かったという結果は興味深かったです。

ちょっと対抗意識的なものを感じましたが...。
DAWNさん、先は取られたけど、こっち(DIFFUSE-3)の方がチャレンジしてますけど、的な。 

私の妄想です。

これらの結果でガイドラインが変わります。適応患者はDAWANとDIFFUSEのinclusion criteria に適応のある患者です。DIFFUSEはMRIで評価した患者も含まれているので、MRIで評価してる当院でも多分大丈夫だと思いますが、灌流画像を造影で撮影していないので、一抹の不安があります。

来年はESC参加しないなぁ。

ESOCかな。


それともハワイであるISCかな。 




アクロポリス。パルテノ神殿とエレクティオン神殿



サントリーニ島。フィラの夜景。






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