スキップしてメイン コンテンツに移動

3度めの正直。日本神経学会専門医合格。

第40回神経専門医試験に合格しました。

合格をいただきました。

3度めの正直なのです。

第38回☓、第39回☓、で今回。

試験結果が出るまで、

「3度目の正直」:「2度あることは3度ある」=1:5

ぐらいの心境でした。

2回不合格だったことは、少しだけ恥ずかしいですが、仕方ありません。

それが、現実ですし、逆に、得られたことも大きかったです。

神経診察を基本からやり直すと、より深く、それぞれの診察の意味と、的確な総合的診断に結びつくことを理解することが出来ました。

疾患についても勉強しなおしました。

あたり前ののことですが、でもそのあたり前(基本)が重要なんですね。

多くの神経内科医は知っていることなのでしょうけど。

今回も試験当日は20分ずつ2部屋で面接試験がありました。1つ目の部屋では、診察の実技です。

面接官の先生はiPadを見ながら、どれを質問しようか考えていらっしゃいました。

おそらく、神経診察の到達目標みたいなのがあって、そのうちの1つか、2つを受験者にさせているのだと思います。

「右麻痺があって、複視がある人の診察をしてください。あっ、意識障害も有るということで」

横に座っている若いお兄ちゃんを診察させていただくことになります。

いつも(3回目なので)思うのは、この普通の人を、病気の人としてイメージしながら診察することの難しさです。

診察しても、麻痺の症状をしてくれるわけではありません。「ものが二重に見える」と訴えてくれるわけではありません。もちろん、意識清明です。

脳神経の2番から順に診察をしていくと、省くことができず、そのまま脳神経診察終了。

ベッドに寝かせて、運動の診察をして、チラッと試験管をみても、何もおっしゃらないので、そのまま感覚、協調運動の診察。チラっと試験管をみても、何もおっしゃらないので、そのまま腱反射、病的反射の診察。そこで、試験管から一言。

「あのー、意識障害もありましたよね」

「あっ。」

かるく、混乱して、最後まで意識障害の診察をせずに終わってしまいました。

やってしまった~と思いつつも、意識の診察を「わかりますか〜」なんて、質問したところで、

「ま、それはいいので」「意識障害があれば、髄膜刺激徴候も必ず診ますよね」

「あっ、はい」

で、項部硬直、Kernig sign, Jolt accentuationを診察(Brudzinski testは少し怪しかったのでやりませんでした)。

あと、眼底鏡を使った診察もするように言われ、行いました。

「フィルタを「◯」にして、アバチャーをスモールスポットにして、焦点を合わせて」と独り言を言いながら、

見えた、正常所見を言おうとすると、

「所見はいいです」

と言われました。

まったくわかりませんが、もしかすると試験では眼底鏡の使い方がわかっていればよかったのかもしれません。

「片麻痺の歩行を真似してください」

「Wernicke-Mann肢位で」と独り言を言いながら、片麻痺性の歩行を披露させていただきました。

「上手です」

と場を和ませるためと思われる、お言葉を頂きました。

これでA室は終了。

次に2部屋目のB室へ。

ここでは、まず経歴を聞かれました。

「今、脳卒中センターに2年いるけど、脳卒中は好きなの?」

「?、はい」

その時は、脳卒中が嫌いなわけないのに、と軽く混乱しましたが、試験官の先生は私のことを知らないのはあたり前で(試験官でなくてもですよね)、そんな質問もおかしくないわけでした。

ここでは、症例サマリー10例の詳しい内容と、そこから発展した質問を頂きました。

去年は、症例から発展した内容の質問が多かったです。それと関連する病気のこととか。

今年は、その病気のことをより深く聞かれました。

試験官の先生が症例サマリーを詳細に読み込んでいいることは稀だと思います。

髄膜癌腫症で髄液の初圧が記載されていないことを指摘され、がくっときました。

これゃまずい。

ほかは、それなりに答えることが出来ました。

「進行性核上性麻痺の病型は?」

「えっ、認知症が有るタイプと・・・」

PSP-P, Richardson症候群、pure akinesia、そしてPSP with cerebellar ataxiaを答えるのが正解でした。

なんだか、うまく答えられず、しまった感でいっぱいの私。

「筋強直性ジストロフィーの筋萎縮は、どこにでる?」

「遠位・・・です」

「本当?」

「はい・・・」

「何が致命的になる?」

「不整脈です。あと、呼吸障害も」

少し、答え方が不十分だったようですが、必要最低限はお答えできたようです。

「じゃぁ、遺伝子について聞きますが。・・・・・・?」

わからなかったので、質問いただいた内容も忘れてしまいました。DM1とかDM2とか、申し上げましたが、そういうことをお聞きになられたのではなかったようでした。

「ちょっと時間が余りましたね。もういいですかねぇ。でも、ちょっと、これを聞いてみましょうか。筋強直性ジストロフィーの日本人に特徴的なタイプって有ると思いますか?」

的な質問内容だったと思います。答えられず。

禿頭がphenotypeとして特徴かもしれないと、個人的に思っていらっしゃるそうです(私の聞き間違いの可能性は比較的高いので、違うかもしれませんのであしからず)。

(時間が余ったら、私が答えられそうな質問をして、合格に導いてくださいぃーー)

と、内心思っていましたが、先生方は私達に無理難題の質問をするような試験方法になっていないはずなので、こういうはっきりわかっていないことをお聞きになったということは、試験結果は意外といい?

と淡い期待を持ったりもしました。

でも答えられなかったことは比較的多く、がっくりきながら、帰途につきました。
好きなバッグ屋に寄ってから。FREITAG銀座店。

たくさんの方のサポートがあってのことでございます。

特別レクチャーを行ってくれた上司、勉強資料をコピーしてくれた若い先生、そして他大学の先生にも、試験勉強のやり方を教えてもらいました。

ほんとうにありがとうございました。

そして、感謝を忘れてはいけないのは、2次試験の試験面接官をしていただいた多くの偉い先生方。

こんな、落ちこぼれ(他の先生方は優秀ですが)のために、お忙しい身でありながら、一日を費やしていただきました。

私も、後輩のために、頑張ります。

今日は祝杯です。

コメント

  1. よかったですね。
    おめでとうございます☆
    連休だしゆっくり祝杯あげれますねぇ。
    んで、妖〇体操ならぬ、「YOHEI体操」踊ってあげてくださいね~笑♪

    ウォッチッチ♪

    返信削除
    返信
    1. ありがとうございます。
      今後も頑張ります。
      妖怪体操は長崎では、ケーブルなどでしか見ることはできないので流行っていませんが、今後はやるでしょう。
      それはさておき、看護師の協力が脳卒中診療には必要なので、これからもよろしくお願いします。

      削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

NIHSSスコアの基本を再確認。

※付録 NIHSSスコア NIHSSスコアを作ったLyden先生がNIHSSスコアについて書いています。 NIHSSスコアを評価すると、ときどき、 「これ、何点にすべきですか?」 なんて、看護師や、研修医から聞かれて、 「まぁ、1点と2点の間って感じかな?」 と、ぼかしたり、 「思うとおりに評価していいよ。それが、大切だ!」 と、妙に「お前を信頼しているぜ」感を醸し出したりして、 その場を切り抜けていました。 それも、間違いだとは思いませんが、「もっとスッキリしたい」とみんな思っていたのだと思います。 で、このもやもや感を少しでも解消できるかと思って、 Lyden et al. Stroke. 2017;48:513-519 Using the National Institutes of Health Stroke Scale を読んでみましたが、 基本、NIHSSスコアが作られた歴史 的な話ばかりで、 スッキリせず。 期待がずれていたのは、こっちの問題です。 それでも、2つ再確認出来たことがありました。 NIHSSスコアを評価するときのルール すべての項目で、Score what you see, not what you think (診たものを評価する。検者が考えたものではない) すべての項目で、Score the first response, not the best response, except item 9 best language (最初の反応を評価する。ベストの反応ではない。でも、言語の評価はベストの反応で) すべての項目で、Do not coach (コーチしちゃだめ) 項目1aで、May be assessed casually while taking history (会話している間に評価可能でしょう) 項目2で、Only assess horizontal gaze (水平方向の眼球運動のみ評価) 項目5 and 6で、Count out loud and use your fingers to show the patient your count (声を出して数字をカウントし、患者の前で指を折ってカウントすることもす...

ヘディングってたしかにガツーンて来る。そして、神経変性疾患になる、かも。

中学、高校とサッカーしてました。 ヘディングが一応武器でした。 背高い方だったし。 ヘディングでボールを跳ね返すとき、 結構「ガツーン」と来ます。 しばらくサッカーしてなくて、久しぶりにサッカーして、そのときになんとはなしにヘディングしたときの衝撃は びびります。 こんなことしてたんだ、俺。 って思うほどです。 私、今、幸せにも健康です。 将来的にも体的には元気だと思います。 でも、頭的には認知症になるかもしれない。 という論文。 The New England Journal of Medicine 元プロサッカー選手の神経変性疾患による死亡率が高い。 スコットランドの元プロサッカー選手7,676人と一般住民23,028人比較 後ろ向きコホート研究 一次エンドポイント:神経変性疾患死亡率 ※神経変性疾患:  原因が明らかでない認知症  アルツハイマー型認知症  アルツハイマー型以外の認知症  運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症など)  パーキンソン病 結論: 中央値18年の追跡で、いわゆる死亡診断書を見直してチェックしています。 すべての死亡は、 元プロサッカー選手 15.4%<一般住民 16.5% プロサッカー選手で、体は健康。 だから、一般人と比べて、70歳までの死亡は少ない。 でも、70歳を超えると、元プロサッカー選手の死亡率が高くなる。 なんでだろう。 死亡診断書に記載された直接死因は、 血管障害による死亡や肺癌死が少ない。 でも、神経変性疾患による死亡は高い。 ここらへんが関係ありそう。 (※ちなみに脳卒中死は差がありませんでした) 死亡診断書に記載された直接死因と、死亡に関連した原因をあわせてみると以下の表のとおりでした。 なんでこんな結果になったのか。 論文内では直接的には表現されていないけど、 次のサブ解析で、その意図は明らか。 ゴールキーパー vs フィールドプレイヤー ヘディングの頻度が大きく違う。 死亡は差はなかったが、 認知症薬処方率が、フィールドプレイヤーで多かった( OR:0.41、9...