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脳梗塞か一過性脳虚血発作か.

一過性脳虚血発作の定義は,

「脳の症状が,24時間以内に消失すること」

脳梗塞は,

「24時間以上症状が続くもの」

でして,今も基本的には,これに則っています.

しかし,MRI検査が世に出て普及すると,一過性脳虚血発作の一部,またはかなりの部分は脳組織が障害されている所見が得られるようになって,

「一過性だろうが,違おうが,脳組織が障害されているなら,同じじゃないの?分ける意味あるの?むしろ分けちゃだめじゃない??」

という考えが出てきました.

「一過性だから大丈夫」

という考えは危険.

先日世界のお偉い脳卒中ドクターの面々が話し合って,新しい提案がなされました.

An Updated Definition of Stroke for the 21st Century

"If we have objective evidence of tissue injury, the insult should be called an ischemic stroke. If there is no objective evidence of tissue injury, it should be called a transient ischemic attack. But a transient event with evidence of tissue injury is now considered a stroke," Kasner explained.

(画像的に)脳組織が損傷を受けていることが確認されたら脳梗塞.
脳組織が損傷を受けていることが確認されなかったら一過性脳虚血発作
症状が一過性でも,脳組織損傷が確認されたら,脳梗塞.

まだ,この新しい定義は臨床研究,基礎研究そして公衆衛生の場面で受け入れられていないから,これが導入された場合,一次的に混乱があるでしょう.

しかし,この組織障害をベースにした,新しい定義は,実は,この3つの場面で有用で使いやすいものになるでしょう.

症状が一過性でも,画像的に脳組織障害をきたしている患者さんが再発しやすいのはわかっており,二次予防の観点からも有用と思われます.

要は,一過性の神経症状を呈した人で,画像で問題がない場合は,脳血管障害ではない場合が多く含まれていることが理由の一つだと思います.


まだ決定ではないですが,まずはお偉いさん方の声明から入り,その後ガイドライン変更になるのでしょう.

我々のデータベースでは,1年前ぐらいからこの組織障害ベースで脳梗塞と一過性脳虚血発作を分けています.

そうすると,一過性脳虚血発作とした患者さんは,ほんとうに脳血管障害だったか怪しい人が多いことが浮かび上がってきます.

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