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卵円孔開存閉鎖の有効性.基本的には”questionable”ですが・・・,

卵円孔開存:右房と左房の間の孔.5人に1人はあいている.お母さんのおなかの中にいるときは,みんな,あいている.

塞栓源が不明で,卵円孔開存がある脳梗塞患者の再発予防に,カテーテルを使った卵円孔閉鎖術は有効か?

Carrol JD et al NEJM 2013 Closure of Patent Foramen Ovale versus Medical Therapy after Cryptogenic Stroke

カテーテルによる閉鎖群499人 vs 薬物療法群481人

問題点:dropoutが薬物療法群で多かった.(9.2% vs 17.2%)

※なぜ,dropoutしたかは不明.

primary endpoint:
非致死的脳梗塞,致死的脳梗塞,早期死亡(デバイス挿入後30日もしくはランダム化後45日以内の死亡)

secondary endpoint:
1) カテーテル閉鎖が6カ月後に問題ない
2) 非致死的脳梗塞または心血管死
3) 一過性脳虚血発作

Primary endpointを

Intention to treat: ITT 解析

Pre protocol 解析

As treated 解析

それぞれで評価した.

それぞれの解析は,こんな感じです.








伝わりましたか?

基本的には,ITT解析がもっとも信頼できます.


結果

Primary endpointに関して

ITT 解析では,差なし

(9 events vs 16 events; ハザード比 0.49; 95%信頼区間, 0.22-1.11; p=0.08)

Pre-protocol 解析では,差あり


(6 events vs 14 events; ハザード比 0.37; 95%信頼区間, 0.14-0.96; p=0.03)

As treated 解析では,差あり


(5 events vs 16 events; ハザード比 0.27; 95%信頼区間, 0.10-0.75; p=0.007)


Secondary endpointに関して,

ITT解析では,

非致死的脳梗塞または心血管死,差なし.でもカテーテル閉鎖群で少ない傾向.


(ハザード比 0.17; 95%信頼区間, 0.02-1.47; p=0.07)



サブグループ解析で

shunt sizeがsubstantial(でかい)こと,Atrial septal aneurysm(心房中隔瘤)がpresent(ある)人たちは,カテーテル閉鎖が有効でした.



adverse eventは両群間で差なし.(23% vs 21.6% p=0.65)

カテーテル閉鎖群で,2例心タンポナーデが起こりましたが,すぐに治療ができたそうです.

心房細動の出現は,両群で差なし(3.0% vs 1.5%, p=0.13)


何でもかんでも,カテーテルで閉鎖させるのはよくないけど,患者を選べば,有効かもしれません.


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